こんにちは。まさおです。
4/26、スポーツ庁は第6回「運動部活動の地域移行に関する検討会議」を開催しました。現在学校で行われている部活動を地域活動に移行するための検討会議です。
この中で取り上げられた提言案で部活動の強制加入について、学校現場での勘違いが依然続いているとの記述がありました。
今回は「部活動の強制加入はもはや時代遅れ」というテーマを取り上げます。
部活動強制参加を早くやめるべき
4/26、スポーツ庁は第6回「運動部活動の地域移行に関する検討会議」が開催され、提言案が発表されました。
部活動の強制加入の現状と今後の対応に関する議論がされています。
参考までにYahoo!ニュースにあった記事をご紹介します。
有識者会議の資料一覧はこちらです。また、提言案の資料はこちらです
提言案の部活動強制加入への対応の論点は以下の通りです。
- 部活動の強制加入は部活動の趣旨に合致せず不適当である
- 部活動は教育課程外の活動であり、実施しない場合もあり得る
- 高校入試における調査書も、部活動の活動歴や大会成績などに限らず、生徒の個性や意欲、能力を多面的に評価するものに変えていくことが望ましい
全国に部活動を強制加入としている学校がどの程度あるかがわかりませんが、自分の身の回りの多くの学校は強制しているように見えます。
そもそもなんでこのような事態になってしまったのでしょうか?
部活動強制加入が続く背景
今回の提言案の中には、部活動の強制加入が続く背景についても説明されています。
時系列による整理
まずは過去の指導要領における部活動の位置づけを確認してみましょう。
年 | 内容 |
---|---|
昭和26年 | 中学校指導要領において、特別教育活動としての「クラブ活動」の規定が設けられるが、部活動の規定はなし |
昭和52年 | 中学校指導要領において、「学校において計画する教育活動でクラブ活動と関連の深いものについても、適切に実施できるよう配慮する必要がある」として、部活動も適切に実施できるよう配慮する必要がある旨の規定が設けられた |
平成元年 | 中学校指導要領において、「部活動に参加する生徒については、当該部活動への参加によりクラブ活動を履修した場合と同様の成果があると認められるときは、部活動への参加をもってクラブ活動の一部または全部の履修に替えることができるものとする」と規定された |
平成10年 | 中学校指導要領において、必修クラブ活動が廃止 これにより「必修クラブ」の代替として行っていた部活動も強制加入は不要になった |
平成20年 | 中学校指導要領の総則において、「生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること」と規定された |
平成元年に必修クラブの代替として部活動を行うことが認められており、全員強制加入とすれば必修クラブを実施しなくてもよくなることから、強制加入が広がったと考えられます。
一方で、平成10年には必修クラブが廃止されましたら、ここで部活動を強制加入させる理由もなくなったことになります。
さらに、平成20年以降現行の指導要領にも部活動が「学校教育の一環」とあることから、部活動は駆らなず設置運営しなければならないという誤解が生まれたと考えらるということです。
もし、誤解に基づいて部活動の必修化が継続されているとすれば、学校教員(特に管理職)の指導要領の理解の甘さについて、驚くべきものがあると思います。
指導要領の「学校教育の一環」の解釈の問題で誤解を与えているとすれば、文部科学省の説明がいい加減だったということにもなります。
いずれにせよ、指導要領の背景が全国の学校に浸透していないことが大問題です。
学校側は今回の内容も踏まえて、可能な限り早いタイミングで部活動の強制加入を廃止することが求められます。部活動の意義は認めますが、「強制」というのが時代錯誤もいいところだと思います。
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