【東大男女比】学力試験重視を変えないと女子は増えない!

日本のトップ大学の女子比率が低い理由 教育に関する政策
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
2022年度の東大入試は女子の合格者が前年より減って19.8%になってしまいました。
ハーバード大やスタンフォード大の女子比率が約5割であるのに比して、どうしても女子が増えない理由があるようです。
今回は「学力試験重視が東大の女子率を抑え込む」というテーマです。

学力試験重視と男女比

◆東大の女子比率は2割程度
理科Ⅰ類は8.4%と極端に低い状況
⇒最も高いのが文科Ⅲ類の39.9%
◆一発勝負の学力試験だけでは女子は増えない
瞬発力で勝る男子が有利な選抜方法
学力試験以外の日常の学習や成績を重視すれば女子は増える
本気で女子学生を増やしたければ学力試験重視を早くやめるべき

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2022年度東大の合格者男女比率

まずは2022年度東大入試合格者の男女比率を見てみましょう。

科類男子合格者女子合格者女子比率
文科Ⅰ類30010525.9%
文科Ⅱ類3015615.7%
文科Ⅲ類28218739.9%
理科Ⅰ類1,027948.4%
理科Ⅱ類41613123.9%
理科Ⅲ類772020.6%
合計2,40359319.8%

最も女子比率の低い理科Ⅰ類は志願者段階でも女子比率が10%ほどしかありません。一方合格枠は最も大きいわけですから、全体の女子比率を高めようと思ったら理科Ⅰ類の女子比率を高めていく必要があります

逆に言えば、理科Ⅰ類の女子比率が高まれば、他の科類も相応に増えていくと思いますので、全体の女子比率が上がっていくと考えるのが妥当だと思います。

なぜ女子比率を高める必要があるか?

そもそも、なぜ女子の比率を高める必要があるのでしょうか?

この記事を読んでいる人の中には、「東大入試のルールにのっとって成績上位から合格を出した結果がこの比率なのだから、男子が多くてもよいのでは?」と思う人もいるかもしれません。

日本は女性の社会進出が世界でトップクラスに低い状況があります。
女性政治家や女性管理職数など、海外の状況と比して、日本はまだまだ男性中心社会になっています。海外から見たら大変異常な状況です。

これは、大学教育の段階から女子の活躍がしづらい構造になっていることが背景と考えられています。日本の女子は伝統的に男子の後ろに立って「男子を立てろ」みたいな考え方があり、これがブレーキになっているところもあるでしょう。

ただ、日本の将来を考えれば早くこの状況を脱するべき(みんな頭では分かっている)です。どうすれば女子が活躍しやすくなるかを考えたときに、少なくとも東大の女子学生比率を海外のハーバードやスタンフォードなどのトップ大学と同じレベルにそろえることが前提になるのではないかと思います。

海外トップ大学の男女比率

ちなみに海外の主要トップ大学の男女比は以下の通りです。

No.大学名男女比
1ハーバード大学50:50
2シンガポール国立大学50:50
3オックスフォード大学53:47
4ケンブリッジ大学53:47
5プリンストン大学53:47
6スタンフォード大学54:46
7北京大学54:46
8マサチューセッツ工科大学60:40
9カリフォルニア工科大学64:36
10京都大学75:25
11東京大学80:20
12東京工業大学84:16
Times Higher Education 2022より引用(東大のみ合格者比率を引用)

上記の通り、世界のトップ大学の男女比は高くても55:45くらいで女子が40%以上はいるような状況です。北京大学でさえ46%は女子学生です。

また、マサチューセッツ工科大学のようなところでも40%は女子学生になっていることを考えると、東大の理科Ⅰ類の8.4%が異常値であることは明らかです。

まさお
まさお

日本の伝統的な男性重視の文化が大学入試にも根強く残っていると捉えて、早く次のステップに上がれるように制度改革を実施すべきです。
ここでいう制度改革とは入試改革ということになります。

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一発勝負の学力試験を早くやめるべき

男女比の高い海外の大学と日本の大学を比べたときに一番はっきり違うのは入学者の選抜制度です。

日本は、1次試験(共通テスト)と2次試験(個別試験)がいずれも学力検査で制限時間内に与えられた問題を解く力で合否を判定しています。

塾で教えていればはっきり感じますが、男子は短期集中の瞬発力型が多く、女子は長期にわたって少しずつ努力を積み重ねる継続型が多いです。

日本の入試制度は、入試当日の最大得点を採用しますから、どうしても短期集中型に有利な状況にならざるを得ません。これがトップ大学の女子の合格しづらさにつながり、ひいては女子の出願者数が伸びない背景になっていると思います。

海外の入試は、「学力検査」合否判定の資料としますが、それ以外にエッセー(小論文)や面接試験、ボランティア活動など、これまでの取り組み姿勢も含めた総合的な判定を行うところが多いです。

日本は効率重視で短時間で合否判定行える学力検査を重視していますが、この制度の大幅な改革をしないとやはり世界では戦えないということになりそうです。

まさお
まさお

AERAdot.の記事でパックンが海外大学の選抜方法について説明してくれている記事がありました。大変参考になるのでご紹介しておきます。

以下のコメントが印象的です。

【提案】より公平な大学生男女比に近づけるために、クオータ制も女子枠も必要ない。大学入学審査を「試験ベース」から「試験込み」に変えるだけでもだいぶ是正できるはず。「男性生徒は試験が得意だが、女性生徒は学校の成績がいい」。この現象は多くの国で確認されているが、日本も例外ではなさそう。高校の成績や部活、クラブ、ボランティアでの活動、さらに論文と面接を審査対象にいれれば、ジェンダーブラインドな審査でも女性生徒は対等に戦えるのだ。

「AERAdot.」より引用。下線はまさおが付しています。

海外の先行事例があるのですから、日本もあとはやる気の問題だけだと思います。
入試改革の早期着手を期待しています。

まさお
まさお

順当に考えれば、「総合型選抜」の定員比率を少しずつ増やしていくのが一番良い方法なのだと思いますが、日本はとにかく時間がかかるのでスピード感を持って対応してほしいと強く思います。

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