こんにちは。まさおです。
本ブログでも5月27日に紹介しましたが、今年の中学3年生からスタートする東京都立高校の英語スピーキングテストについて、欠席者の取り扱いがおかしいのではないかと「入試改革を考える会」が公開質問状を提出しました。
今回のテーマは「やっぱり変!都立高校入試のスピーキングテストの欠席者対応」です。
「入試改革を考える会」の公開質問状
最近このブログでもすっかり登場回数が増えた「入試改革を考える会」が、6/7、都庁で会見を開き、都立高校スピーキングテスト(以下、ESAT-J)を実施する東京都教育長に対し、公開質問状を公表しました。
公開質問状のリンクはこちらです。
主な質問内容
主な質問内容を要約すると以下の通りです。
質問1
学力検査の得点からスピーキング能力を推定するには、2つのテストの間に高い相関が認められる必要があるが、この推定方法はどのような理論に基づいて行われているのか。
質問2
仮に相関があったとしても、学力検査の得点からESAT-Jの得点を推計するには大量のデータが必要と思われるが、各高校単位の受験者数では不合理な結果が出る危険性があるが、どう考えているのか。
質問3
学力検査の得点が同じ10名程度のESAT-Jの平均評価では、逆転現象が起きる(学力検査の得点が高い10名のESAT-Jの平均評価が、学力検査が低い10名の平均評価よりも低く出るなどの)可能性があるが、この不合理についてどう考えているか。
上記の質問について6月14日(火)までに回答を求めています。
前回、5月17日に出した公開質問状には、6月1日に回答が来たようです。いずれもお役所的な回答で会話がかみ合わないような展開になっています。このまま本当にスピーキングテストを強行すると、試験結果が出た後になく受検生が出るのではないかと危惧します。
欠席者の得点推計は確かに不合理
「入試改革を考える会」は、他の主張を見ても反対ありきの野党的な臭いがしますが、今回の指摘は一定程度的を射ていると思います。
私も以下の記事で、欠席者の得点推計の不合理について述べていますが、今回の公開質問と趣旨としてはほぼ同じことを考えていました。
現在のESAT-Jの制度では、昨今求められている入試の公平性の観点からはやはり問題があると言わざるを得ません。受けてもいないテストの点数を推計してしまうというのは、入試得点の評価のありようとしては考えられないのは自明のことです。
このまま入試を強行してしまうのか、東京都の有識者の見識が求められているように思います。
都立高校入試で学力検査本番を欠席しても、内申点から当日の得点を推計して合格を出してくれるような対応が考えられるでしょうか。さすがにそれは難しいというのがこれまでの世間の常識だったと思います。それを今回に限って受けていないテストの得点を推計してしまうというのは、導入ありきの強引な論理ということになると思います。
ESAT-Jの得点を調査書に記載し、合否には使わずに高校入学後の追跡調査に使うだけでも大きな前進だと思います。入試で使うことを先行せず、英語指導の在り方の検討を先行させることが賢明だと思います。
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