【専門性は塾の方が上?】学校に塾が出前授業をする実態

学校に塾が出前授業をする実態 教育に関する政策
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
先日の日経新聞に、公立高校に塾が出前授業をしているという記事が出ていました。ずいぶん前から公立学校への塾の出前授業は進んでいますが、受験指導は塾の方が上という前提ということだと思います。そんなことでよいのでしょうか?
今回は「専門性は塾方が上?学校に塾が出前授業はよいのか。」というテーマです。

学校に塾が出前授業

◆教育と学習指導の線引きが曖昧
学校教育は知育・徳育・体育の全方位教育であるべき
塾は受験合格のみに絞った教育サービス
◆学校に塾が出前授業も受験指導目的ならOK
塾の先生は入試で合格させることの専門家で教科指導のプロではない
⇒あくまで補習的な使い方であればどんどん活用すべき
※特に生活保護世帯の子供たちの進学支援は絶対に重要

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学校が塾に出前授業を委託する現実

本来、ガッコの授業は学校の先生で完結してほしいところですが、先生の多忙化や通う生徒の家庭事情の多様化などもあって、すべて学校の先生で賄うのは難しい状況があります。

結果、今では多くの自治体が学習塾等に放課後学習などの支援を委託する状況になっています。

以下は8月17日の日経新聞の記事です。学校が塾に授業などを委託する事態をやや批判的に書いています

ポイントは以下の通りです。

  • 都立松原高校では城南進研の講師が行う授業を年15回、有料で提供している
  • 個別塾TOMASを運営するリソー教育の子会社は82校に講師らを派遣している
  • 今では上位校でも導入事例が増加中
  • 教員の補習負担を増やせない状況が公教育のへの塾の浸透を加速させている
  • 高千穂大の早川准教授は「かつてあった学校と塾の緊張関係が失われていると指摘
  • どこまでが学校の役割かきちんと見極める必要がある
まさお
まさお

結局、今となっては学校の中に予備校や塾が入り込んで、塾の授業を実施しているという状況です。かつては、学習塾は必要悪などと言われて、学校の先生からは敵視されていましたが、今はむしろ塾の先生の授業を見学して授業の技術を盗めという学校も出てきている状況です。
この状況は良いことなのでしょうか?

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学校と塾の役割は根本的に違う

塾の授業を学校に持ち込む今の流れは果たして良いことなのか。

簡単に判断することはできないですが、日経新聞の記事で早川准教授が指摘しているように、「学校の役割」をきちんと定義する必要があると思います。

学校の役割は人間育成

学校が本来やらなければならないのは、「知育・徳育・体育」と言われた人間に必要な基礎力を子どもたちに身につけさせることです。

「知育」はその中でももちろん大事なのでしょうが、知識をただ詰め込むといったようなことではなく、その知識を使いこなせるだけの鬱の育成までもが求められています。
「思考力・判断力・表現力」と指導要領で言われているのも、知識を活用する力を指しています。

「徳育」は、道徳が正式に教科化されたことでもわかる通り、日本人の基礎的な道徳規範を正しく身につけさせることです。愛国心なども重要視されていますが、日本人特有の高いモラル意識などは学校教育でそのベースが形作られています。
塾ではそのための時間をとることはできませんので、大きな差になっている部分です。

「体育」はただ単に体育の授業だけではなく、健康管理なども含めて、自分の体を健康に管理する考え方を身に着けることが重要で、これも塾では扱いません。

学校は上記3つのバランスを取りながら、全人的に預かった子供たちを育てていく場所で、毎日接する教師がその主たるけん引役となるはずです。
その前提で物事をとらえると、学校への塾の浸透に対する評価の軸も定まってくるのではないでしょうか?

まさお
まさお

学校は塾に比べると、生活指導の側面も含めて非常に多くの項目を扱っています。生徒の全生活に関わると言ってもよいと思います。
その意味では、やはり学校の先生はスゴイということになると思います。その分大変でもあるのですが…。

塾の存在意義は進学指導

一方の塾は、学校に比べると守備範囲がとても狭いのが特徴です。

もともと塾は、学校の成績を伸ばしたり、志望校に合格させることが使命ですから、端的に言うとテストで点を取ることに特化して指導をしています

つまり、本質的な理解よりも目の前のテストの点数ということになりがちで、実力のない先生ほど暗記で短期的な成績向上に走って薄っぺらい授業をしがちです。

ある程度経験を積むと、生徒の学力レベルを見て、どの程度の説明でどう理解させれば応用力も含めて十分な力がつくかが見えてくるので、指導が非常に効率的に進むようになります。

一方で、入試ではあまり扱われない単元や説明をデフォルメしても得点に影響がないところは、全く触れなかったり、扱ってもほんの少しだったりと、学校の授業に比べると手を抜きがちという特徴もあります。

まさお
まさお

同じ教育に携わる者でも、学校の先生と塾の先生はその存在意義が全く異なるということをよく理解しておくことが大事です。もちろん塾の先生にも立派な人はたくさんいるのですが、そうでない人も混ざっているので、そこは注意が必要です。

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学校が塾に出前授業を頼む目的は?

公立学校が塾の先生に出前授業を依頼すのはなぜなのでしょうか?
働き方改革などいろいろな理由が取りざたされていますが、根本的には以下のような理由だと思います。

  1. テストで点を取らせたい
    ⇒定期テストや外部の模擬試験でよい点数を取ること自体は良いことと考えているようです。
  2. 全国学力調査の結果を気にしている
    ⇒これは小中学校の場合になりますが、多くの自治体は全国学力調査の結果を相当気にしています。学力調査対策として塾の先生を受けれている自治体も実は多いと思います。
  3. テストの点がよいと教育自体がうまくいっているように見える
    ⇒保護者からのクレームも減り学校側も悩みの種が一つ減るように考えているかもしれません。

上記の理由はいずれもよくわかる理由だと思います。

一方で、学校が本来行うべき全人的な教育への対応は十分と言えるのでしょうか。
テストで点を取る力さえつけば十分と思っているとすると日本の将来が不安になります。

他者への思いやりやチームで成果を出すための相互理解への配慮といった将来の社会を支える人材の育成という本文を忘れないでほしいと思います。

まさお
まさお

学校が塾の先生を受け容れる理由はどうも短期的な点数向上にあるように思います。それはそれで間違いではないのですが、それでがうまくいっているように感がているとすると大きな勘違いのようにも思います。
学校の先生には優秀な方が多いので、そんなことはないと思いますが…。

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