やらないといけないと思いつつ後回しにしがちな「理社の学習」。
中3の秋には、多くの受験生が理社の成績に悩んでいます。
理由は、「理社の学習時間が確保できない」こと。数学・英語の時間が優先され、理社に十分な時間が取れずに成績が伸ばせないということです。
理社は、本来、中1・2の間に学習しておいてほしい科目で、その出来不出来がそのまま中3の学力に影響を与えるということです。では、中1・2の間に何をすればよいのか。
今回のテーマは「中1・2の理社学習はどうあるべき」というテーマです。
5教科入試の基礎点は理社で稼ぐ
入試直前期の受験生を指導していると、理社の学習で大きな差がついているケースをよく見ます。
理社がある程度安定している生徒は数学・英語を中心に集中学習ができますが、理社が足を引っ張っている生徒は理社学習の時間を一定数確保せざるを得ず、学習内容が散漫になってしまうのです。
ある生徒2人の都立高校の過去問の点数を比較して考えてみましょう。
科目 | 生徒A | 生徒B |
---|---|---|
国語 | 80 | 80 |
数学 | 65 | 70 |
英語 | 75 | 70 |
理科 | 65 | 75 |
社会 | 70 | 80 |
合計 | 355 | 375 |
当たり前のことですが、理社で安定的に得点できると、数英国が同水準でも結果的に大きな得点差ができます。
理社が数英国と均等配点の場合はその差が最後大きくのしかかってくるので、入試を有利に運ぶためには理社ができることが基本ということになります。
理社学習は、地味に差がつく重要科目です。暗記すべき内容が多いこともあって、コツコツ努力を積み上げることで確実に得点力を上げることが可能です。
接する時間を増やせば増やすだけ合格に近づきますので、ぜひ頑張って行きましょう。
理社学習の3つのポイント
1.入試の出題範囲の大半は中1・中2の内容!
数学や英語と異なる最大のポイントは、「中1・中2で習った内容がそのまま入試に出る」ということです。
東京書籍の社会科の指導計画を見ると以下のような記載になっています。
- 地理は中2までで完全終了
- 歴史は中3の6月までで終了
- 公民は中3の7月から2月まで学習
地理と歴史の主要単元を中2までに完璧にしておければ、中3の社会の学習課題をお幅に減らせるのです。このことを肝に銘じておきましょう。
上記のカリキュラム通りやっていると、中1・中2でやった地理分野は中3の1年間学校では一切やらずに入試に出てくるということになります。
いかに中1・中2時の学習の充実度が重要かが見えてくると思います。
2.理社学習の基本は問題集を何回も解くだけ!
では、中1・中2時の理社学習とは具体的に何をすればよいのでしょうか?
理科や社会の教科書を読んだり、ノートをまとめたりする方法もありますが、時間の割になかなか効率が上がりません。
時間がある人は、知識を体系的に整理したり、考えながら理解を深めたりする手段として自分なりにノートをまとめることは有効です。ただし、時間対効果の観点では入試直結という感じではありませんのでご注意ください。
では、どうすればよいか。
難しいことを考える必要はありません。
時間が空いたときに1問1答問題集を丁寧にやればOKです。
受験に向けた調整は中3時にやればよいので、中1・中2は理社に接する時間を少しでも増やすことが大事です。そのためには空いている時間で少しずつコツコツ学習量を確保できる1問1答式の問題集がおススメメです。
3.愛用の問題集を持つことが大事!
理社の愛用の問題集を持つことが大事です。
隙間時間にいつでも開けるような問題集を手元に置いておきましょう。
意識的に触れる時間を増やすことができ、成績的にも確実に成果が出てきます。
特に、1問1答式の問題集は手軽で中1・中2の間にも取り組みやすくおススメです。
代表的なものをいくつかご紹介しておきます。
入試問題で効率よく鍛える 一問一答 中学理社
「入試問題で効率よく鍛える 一問一答 中学社会」
「入試問題で効率よく鍛える 一問一答 中学理科」
赤シートで解答を隠しながら短時間で知識のチェックと拡充ができるのが特長。また、よく出る内容や関連知識のポイント解説なども充実して使いやすい。
入試問題で覚える一問一答 理社
「高校入試 入試問題で覚える 一問一答 理科」
「高校入試 入試問題で覚える 一問一答 社会」
入試問題をベースに頻出用語をまとめています。記述門田に出てくる用語の分析や紛らわしい用語を並べてくれているのも特長。
そのほかにもいくつか問題集があるのですが、新指導要領に切り替わった2021年以降に発行されたものを使うのがよいと思います。
理社の学習を中1・中2段階で充実させておくだけで中3時に絶対的な差がつきます。
上記の問題集を手元に置いてぜひ頑張ってください。
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