「千葉県公立高校の募集定員数はどうなってる?」
千葉県教育委員会は、8/17に来年度の県公立高校の募集人員を発表しています。
千葉県や埼玉県は東京都に近いこともあり、東京寄りのエリアを中心に人口増加の傾向があります。
それでも公立高校の募集人員は360名の削減を予定しています。どこが募集が減るのでしょうか?
今回は「2023年度入試 千葉県公立高校募集定員減はどこ?」というテーマです。
千葉県の中3生の推移
公立高校の募集人員は、公立中学校に在籍をする生徒の増減に合わせて調整がなされます。
税金を使って運営されている公立学校では、公立中学校卒業予定見込み数を念頭に適切な募集人員を設定しないと、余計に税金を使ってしまったり、私立高校の進学者を減らして私立高校の運営に影響を与えたりすることがあるためです。
千葉県の公立中学校の生徒数推移を確認してみましょう。
学校基本調査の数値を拾ってみます。
千葉県の学校基本調査は8月に速報値を出し、翌年2月に詳細統計データが出るため、令和4年度は現在速報値しか出ていません。
他の自治体に比べるとちょっと仕事が遅いのでは…?
千葉県全体の公立中生数の推移
上記のように千葉県は詳細資料の公表が遅いので、令和3年までの表をまずは出しておきます。
年度 | 1学年 | 2学年 | 3学年 | 3年生 前年増減数 | 3年生 前年増減率 |
---|---|---|---|---|---|
平成29年度 | 49,676 | 50,234 | 51,475 | - | - |
平成30年度 | 47,617 | 49,765 | 50,388 | -1,087 | 97.9% |
令和元年度 | 49,000 | 47,766 | 49,938 | -450 | 99.1% |
令和2年度 | 49,126 | 49,152 | 47,905 | -2,033 | 95.9% |
令和3年度 | 49,054 | 49,123 | 49,181 | +1,276 | 102.7% |
令和4年度 (予測値) | 49,051 | 49,152 | -29 | 99.9% |
令和4年は過去の統計データからのまさお予測値
令和4年度の学年別の在籍数はまだ県から発表されていませんが、前年の中1・中2の在籍数からの予測値を独自に算出しました。
東京や埼玉と同傾向で、令和3年度は中3生が増加し、令和4年度はほぼ横ばいという状況です。これは、東京圏への人口流入が背景です。
東京近接県の千葉や埼玉は東京へのアクセスが比較的良い割に、家賃やマンションが安いということもあって、東京へのアクセスが良いエリアを中心に人口が増加する傾向があります。
一方で、東京から離れたエリアは全体トレンドとして人口微減が続いています。
県全体の数値は増加エリアと減少エリアが相殺した結果ととらえるとよいでしょう。
ちなみに、2023年度の中3生(現在の中2生)ですが、およそ49,000名くらいになるのではないかと予想できます。
今年の中3生数とほぼ同数になると思います。
千葉県公立高校募集人員の変更
上記のような状況を受けて、千葉県公立高校の2023年度入学者選抜の募集人員が8月17日に発表されています。
1.全日制課程募集概要
全体概要は以下の通りです。
卒業予定者数には「国公私立中学校・義務教育学校」が全て入っていて、上記の件の統計と少しずれています。
私立中学校の在籍者のほとんどは高校受験をしませんから、募集人員を考える際には除外した方がよいのでは?と個人的には思います。
年度 | 中学校等卒業 (予定)者数 | 高等学校 進学予定者数 | 公立高校 募集人員 | 募集学級数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
令和5年度 | 約53,080人 | 約52,496人 | 31,120人 | 778学級 | 県立高校:9学級 360人減 市立高校:増減なし |
令和4年度 | 約53,000人 | 約52,417人 | 31,480人 | 787学級 | |
比較 | +80人 | +79人 | -360 | -9 |
県全体では生徒数はほぼ横ばいですが、高校受験をする生徒は微減しているものと思われます。また進学先の高校に通信制高校を選ぶ生徒が増加していることもあり、公立高校の募集人員は削減の措置が取られています。
2.募集人員減となる9校の内訳
1学級減となる9校は以下の通りです。1学級は40名です。
No. | 学区 | 学校名 | 学科等 | 令和4年度 募集学級数 | 令和5年度 募集学級数 | 減少数 | 2022倍立 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 第2 | 県立船橋北 | 普通 | 6 | 5 | -1 | 1.00 |
2 | 第2 | 県立松戸 | 普通 | 6 | 5 | -1 | 1.19 |
3 | 第3 | 県立鎌ヶ谷西 | 普通 | 6 | 5 | -1 | 1.02 |
4 | 第3 | 県立沼南 | 普通 | 5 | 4 | -1 | 1.01 |
5 | 第3 | 県立流山南 | 普通 | 8 | 7 | -1 | 1.00 |
6 | 第4 | 県立佐倉東 | 普通 | 5 | 4 | -1 | 0.99 |
7 | 第4 | 県立四街道北 | 普通 | 7 | 6 | -1 | 1.14 |
8 | 第9 | 県立市原 | 普通 | 3 | 2 | -1 | 1.00 |
9 | 第9 | 県立市原八幡 | 普通 | 6 | 5 | -1 | 1.03 |
上記の通り、多くの学校が難易度的にも入りやすく、倍率的にも高くない学校となっていますが、2022年度入試で1.1倍を超えていた2校(松戸・四街道北)は来年度倍率がぐっと上がる可能性があるので要注意です。
募集人員動向を見て出願校を調整すべき
このように、千葉県の各公立高校の募集人員は全体の中学生数の動向を見て調整されます。生徒の減少分を全校に均等配分するわけにはいかないので、倍率の低い学校を中心に調整することが多いです。
受験生の立場としては、自分の志望している学校の倍率がこれによりどうなるかを考えて、そのまま受検校として志望をし続けるのか、再考すべきかを検討した方がよいと思います。
時期的にはこのタイミングがラストチャンスに近いので、前年並みに受験生が集まった場合でまずは検討してみるとよいと思います。
もちろん、志望校は倍率のみで決めるようなものではありません。
学校見学などの経て「どうしてもこの学校に行きたい!」と思っている場合は、学級増減の影響も考慮しつつ、合格するためにねじを巻きなおして勉強を頑張っていきましょう!
全国の公立高校は同じような仕組みで毎年の募集人員が微調整されます。募集人員の増減によって倍率は少なからず影響を受けますので、その内容を把握しておくようにしましょう。
倍率が上がりそうかどうかでも、入試に向かう心構えがずいぶん変わってくると思います。
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