「自立語と付属語の明確な違いが分からない」
多くの生徒を見ていると、自立語と付属語の区分ができない生徒が意外と多いです。
国文法の問題は大半が単語に関する出題です。
単語を制するものは文法を制するというくらい重要です
今回は「自立語と付属語」を取り上げます。
前回の「単語の基本知識」を説明したときの記事はこちらです。
単語は「自立語」と「付属語」に分けられる
日本語の単語は全て「自立語」と「付属語」に分けられます。
それぞれの特徴がわかると、どのような文でも正確に単語に分けて、品詞も指摘できるようになります。
まずは、具体的な品詞の知識を学ぶ前に「自立語」と「付属語」の違いを正しく理解しておきましょう。
いつもの「言葉の構造」の図ですが、今回は単語の下に「自立語」「付属語」の違いを書き加えてみました。
これをみると自立語と付属語の違いが直感的にわかると思います。
上の言葉の構造を見ると、自立語が文節の先頭に、付属語は文節の後ろにくっついていることがわかりますね。
「自立語」とは?
最初に「自立語」とは何かを確認しておきましょう。
「自立」という言葉がなんとなくイメージを伝えてくれていると思いますが、自立語とは文節の先頭に来ることができる単語です。
もっというと文節の先頭ということは文の先頭に来られる単語です。
文の先頭とか文節の先頭と言われてもピンと来ないかもしれませんね。
具体例を出してみましょう。
例えば、
例1 犬です。
例2 あの人は誰だ。
例3 られたのです。
この3つの例で明らかにおかしい文はどれですか?と言われれば、わかりますよね。
例3が変ですね。文として、いきなり「られたのです。」とは言わないでしょう。中には「言う!」という人もいるかもしれませんが、一般的な日本語としては言わないことになっています。その理由は文法の学習が進むと分かってきます。
例3の「られ」は文の先頭に来ない単語なので付属語です。
例1・2の「犬」や「あの」は自立語ということになります。
何回も繰り返しますが、「自立語」とは文や文節の先頭に来られる単語であるということをよく覚えておきましょう。
「付属語」とは?
自立語がわかれば自動的に付属語もわかるのですが(全単語から自立語を除くと付属語が残ります)、改めてきちんと整理をしておきましょう。
「付属」という言葉が表している通り、自立語の下にくっついて意味を付け加える働きをします。自立語と違って、それ単独では意味がはっきりせず、自立語のおまけとして働くことを覚えておきましょう。
例によって具体例を出しておきましょう。
例1 美しかった
例2 肉が、食べたい
例3 外は雨らしい
上の例1~例3の下線部の言葉は、いずれも文節の先頭に来ない単語なので付属語です。
例3は文節の先頭に来るのでは?と思った人がいるかもしれません。
その考え方は正しいように思えますが、文法上はちょっと間違っています。
「雨らしい」の「らしい」をいきなり文の先頭にもってきて、「らしいよね」とは言えないのです。
日常会話においては、「らしいよね」などということもあるのですが、これは「らしい」の前に省略があることで成り立っている話し言葉で、国文法(書き言葉)の世界では成り立たないということになります。
特にひらがな3文字の付属語は間違えやすいので、覚えてしまった方がよいかもしれません。また、今後説明しますが、付属語はすべて品詞で言うと「助動詞」か「助詞」に分類されますので、それも頭に片隅に置いておきましょう。
ひらがな3文字の付属語は暗記してしまった方が早いかもしれません。次の言葉は文節の先頭には来ません!!
「ようだ」「そうだ」「らしい」「ばかり」「ながら」あたりは覚えておくと迷わなくなりますよ!
どうですか?
まずは自立語と付属語がどんな特徴かを正しく理解しておきましょう。この次はいよいよ品詞の学習を始めます。
特徴さえつかめばそれほど難しくないのですが、特徴を正しくつかんで使いこなすのに少し慣れが必要です。
わかりやすく説明しますので、ぜひ見てみてくださいね!!
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