【国文法攻略】品詞の知識⑥ ~動詞1 活用の基本知識~

品詞の知識⑥動詞の特徴その1 活用とは?活用形とは? 国文法
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まさお
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動詞は有名な品詞なんで、たぶん大丈夫です
受験生が動詞は大丈夫という言ことが多いけれど、たいていは知識不足のままということが多いようです。
今回から3回に分けて「動詞」を取り上げます。
動詞の学習は国文法の学習の4分の1くらいを占める内容で覚えることがたくさんあります。
逆にここをきちんと覚えられると、この後の形容詞・形容動詞や助動詞の学習がかなり楽になります。
まずは本質の理解をするための基本知識を整理しましょう。

10個の品詞の解説は以下の記事で行っています。動詞の学習に入る前に全体像を確認しておきましょう。

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活用する自立語は全部で3種類。まとめて用言という。

最初に動詞そのものに入る前に確認しておきたい知識です。

活用のある自立語は全部で3種類。「動詞」「形容詞」「形容動詞」です。
そして、その3つの品詞をまとめて「用言」と言います。

下の青い部分が用言になります。

品詞分類表
まさお
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「連体修飾語」の「体」は「体言=名詞」を表し、「連用修飾語」の「用」は「用言=動詞・形容詞・形容動詞」を表します。
厳密には、連用修飾語のすべてが用言を修飾するわけではないのですが、大半は用言を修飾しているので「連用修飾語」と呼んでいます。

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動詞とは何か?

今回のテーマとなる「動詞」の特徴を見ていきましょう。

動詞の特徴
  1. 動作・作用・存在を表す
    動作」「作用」「存在」を表します。
    例えば、「歩く」は動作、「及ぶ」は作用、「いる」は存在を表しています。
  2. 自立語で活用する
    下に続く言葉によって動詞の語尾の音が変化する(形が変わる)ことを活用するといいます。
    例えば、「歩」の下に「ない」を続けると「歩ない」となり、「く」が「火」に変化していますよね。これを活用しているといいます。
  3. 言い切りの形がウ段の音になる
    「言い切りの形」とは、辞書で調べるときに使う形です。
    例えば、「歩」「走」「飛」「寝」「考え」等、動詞の言い切りはすべてウ段の音で終わる形をとります。
  4. 単独で述語になる
    動詞はそれだけで文の中で述語になることができます。もちろん述語以外の文の成分になることもありますが、述語になれるのも動詞の特徴ですので覚えておきましょう。
まさお
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その単語が動詞かどうかは、上記4つ、特に1.と3.が当てはまれば見分けられると思います。動詞の学習の最大の特徴はその形の変わり方を正しく理解することです。

活用するときの変化の仕方の分類

上記の通り、動詞というのは下に続く言葉によって形が変わる特徴があります。

その形の変わり方をよく調べてみると、どうやら6つの種類にまとめられるらしいということに昔に学者は気づきました。その形のことを「活用形」と言います

試しに「走る」の形を変えてみた

たとえば、「走る」を例にとって形を変えてみましょう。以下のような形の変わり方になります。

走る=元の形
/ない
/ます
/。
/とき
/ば
/!(命令)

このような形の変わり方を調べると以下の6つの形に分類できることがわかっています。
つまり、活用形は6種類ということです。

6つの活用形

活用形は下に続く言葉によって、形の変わり方を6つに分類したものです。
次の表のそれぞれの形を確認してみましょう。

活用形意味下に続く言葉の例例(太字が動詞部分)
未然形主にまだ起こっていないことを表す形
下に「ない」などが続く形
ない・う・よう
ず・れるられる
話さ/ない
話そ/う
連用形下に用言や「て」「た」が続く形ます・た・て話し/ます
終止形文末の形。句点(。)が続く形「。」・らしい話す
連体形下に名詞(体言)が続く形とき・こと・他の名詞話す/とき
仮定形仮定したという条件を示す形
下に「ば」が続く形
話せ/ば
命令形命令の形で言い切る話せ
まさお
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まずは、「未然」「連用」「終止」「連体」「仮定」「命令」の6つの活用形の名前と後ろに続く言葉をきちんと覚えておきましょう
慣れてきたら、「未然」や「連用」の言葉の意味に目を向けてみましょう。後ろに続く言葉との関係が見えてくると思います。

実際の動詞を活用形別に整理した表=「活用表」

6つの活用形を理解したところで、実際の動詞をいくつか活用させてみましょう。

動詞を活用形別に整理した表を「活用表」と言います
以下のような表になります。
その際の留意点として、以下の言葉の意味の確認をしておいてください。

語幹」=その言葉の中で形の変わらない部分。ない時は「○」を書きます。
活用語尾」=未然形・連用形などの各マスに入っている言葉。

「語幹」+「活用語尾」でその単語を表します。
たとえば、下の表で言うと、「言う」は語幹の「言」に「わ」や「い」がそれぞれくっつきますので、「言わ」「言い」「言う」「言え」「言お」が「言う」の変化した形(一単語)になります。

基本形語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形
言う
聞く

読む

見るみるみるみれみろ
みよ
考えるえるえるえれえろ
えよ
来るくるくるくれこい
する

するするすれしろ
せよ

※「する」の未然形は3つあるので要注意。「・ない」「・れる」「・ず」と後に続く言葉によって3種類の活用語尾があります。

活用語尾の謎

「見る」「考える」の語幹がちょっとおかしいと思いませんか?
「見る」は「見」、「考える」は「考え」までが形の変わらない部分に見えますよね。その通りです。
実際はそうなのですが、ちょっと歴史的な経緯(古典との関係など)がありまして、「み」や「え」は活用語尾に入れることになっています。未然形と連用形がなくなってしまうのは困るので、無理やり活用語尾に入れたくらいに覚えておくとよいでしょう。

まさお
まさお

だいぶ長くなってきましたので、今回はここまでにします。
活用表はいきなり見せられても少し難しいと思います。次回この表から読み取れる特徴などを整理していきましょう。

まずは「未然」「連用」「終止」「連体」「仮定」「命令」の6つの活用形を頭に入れておきましょう

コメント

  1. 国語専門学習会 種 山分 より:

    はじめてコメントさせていただきます。

    用言の説明について、

    「『用言』(活用のある言葉)」※「用」と「言」の字にマーキング

    と記されていますが、この表現は適切でないのではないでしょうか。これでは、用言の定義が「活用のある言葉」であるように解釈できます。(助動詞は活用があるが用言ではないので、用言=活用のある言葉ではない。)

    もちろん、直後にある品詞分類のツリー上で、どれを用言というかをお示しなさってはいるのですが、文法に明るくない初学者は誤認・混乱を起こしてしまうように感じます。

    • まさお@教育ブロガー(元塾講師) まさお@教育ブロガー(元塾講師) より:

      こんにちは。
      まさおです。

      コメントありがとうございます。
      なるほどおっしゃる通りですね。助動詞は活用があるのに用言ではないので確かに誤解を招くかもしれません。
      表記は直すようにします。

      自分が塾などで生徒に教えるときは、
      カリキュラムという文脈の中で指導をしてきた関係で、
      最初にイメージのしやすい(覚えやすい)イメージを与え、
      後でディテールの調整をするという方法をとってきました。

      学習順序では先に用言をやり、後から助動詞が出てくるので、
      助動詞を教えるタイミングで、活用のある付属語は用言の中には入らないという
      説明でやってきました。

      ブログのような記事においては前後関係を制御できないので、
      もう少し正確性に重きを置いた方がよいのかもしれませんね。

      これからも何か気付きなどあればぜひご意見をください。

      • 国語専門学習会 種 山分 より:

        ご丁寧にご対応くださいましてありがとうございました。

        国文法を文字ベースで説明するのは、本当に難しいものですよね…。

        いつもこちらのサイトを拝読して学ばせていただいています。
        これからも楽しみにしています!

  2. 国語専門学習会 種 山分 より:

    ご丁寧にご対応くださいましてありがとうございました。

    国文法を文字ベースで説明するのは、本当に難しいものですよね…。

    いつもこちらのサイトを拝読して学ばせていただいています。
    これからも楽しみにしています!

    • まさお@教育ブロガー(元塾講師) まさお@教育ブロガー(元塾講師) より:

      ご返信ありがとうございます。
      確かに文字ベースの難しさはありますよね。
      日々、言葉との格闘ですね。
      これからもよろしくお願いいたします。