「国語の形容詞って英語の形容詞と違うんですか?」
はい、全く違います。国語の形容詞の特徴もきちんと覚えておく必要があります。
今回は用言3つのうちの1つ「形容詞」を取り上げます。
英語の形容詞とは少し様子が違いますので注意してください。
前回まで、全3回で行ってきた動詞の記事は以下のリンクの通りです。
必要に応じてご覧ください。
形容詞の学習で身につけたいこと
動詞は覚えることがものすごくたくさんあって大変だったと思います。
それ比べれば形容詞は覚えることも少なく、取り組みやすいと思います。
覚えておくべきは以下の2つのです。
1.形容詞の特徴
2.形容詞の活用パターン
形容詞の特徴はそれほど難しくないのですが、形容詞の活用パターンはただ覚えるだけでなく、それを使いこなせるようになる必要があります。
慣れれば何ということはないのですが、丁寧に学んでいきましょう。
形容詞の特徴とは?
まずは形容詞の特徴を確認しておきましょう。
実は「~い」で終わり、活用する品詞は形容詞以外にも、一部の助動詞がそれに当てはまります。よって、「~い」で活用すればすべて形容詞というわけではなく、自立語であることも判定基準に入れないといけないのです。
自立語かどうかを見分けるには、文節に区切ってみればよかったですね?
自立語はすべて文節の先頭に来ますから、「ネ」を切れて区切って文節の先頭に来ていれば自立語ということになります。
形容詞の活用の仕方
形容詞も動詞と同じように活用表を使って活用の仕方を調べるのですが、各活用形の後ろにつく言葉が少し違いますので、まずはそれを確認しておきましょう。
形容詞の活用形の後ろに続く言葉
動詞の場合と、形容詞・形容動詞で少し異なります。覚えていなくても問題を解けるケースは多いのですが、のちに大きな意味を持ってきますので、確認はしておきましょう。
活用形 | 形容詞・形容動詞 後に続く言葉 | 動詞 後に続く言葉 |
---|---|---|
未然形 | う | ない・う・よう |
連用形 | た・て・ない | ます・た・て |
終止形 | 。 | 。 |
連体形 | とき・こと | とき・こと |
仮定形 | ば | ば |
命令形 | 命令で言い切る | 命令で言い切る |
上の表を見ると、
①「ない」は動詞の場合は未然形につくが、形容詞・形容動詞では連用形につく
②「よう」「ます」は動詞の活用語尾につくが、形容詞・形容動詞では使わない
ということがわかりますね。
この①はのちに重要な意味を持ってきますので、よく覚えておきましょう。
形容詞の活用表
では、各活用形の後ろにつく言葉に留意して形容詞の活用表を作ってみましょう。
基本形 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
赤い | 赤 | かろ | かっ く | い | い | けれ | ○ |
苦い | 苦 | かろ | かっ く | い | い | けれ | ○ |
美しい | 美し | かろ | かっ く | い | い | けれ | ○ |
楽しい | 楽し | かろ | かっ く | い | い | けれ | ○ |
上記の通り、「赤い」であれば、「赤かろう」「赤かった」「赤くなる」「赤い」「赤いもの」「赤ければ」と活用し、命令形は存在しないということになります。
これを見て気づくことは、どの形容詞も活用表の中に入る言葉は常に同じであるということです。
この活用表のパターンを暗記してしまえば、活用表は朝飯前ですぐに埋めることができるということになります。
形容詞の活用パターンは未然形から順位「かろ・かっ・く・い・い・けれ・○」ということになります。何度も口ずさんで覚えてしまいましょう。
「かろ・かっ・く・い・い・けれ・○」
「かろ・かっ・く・い・い・けれ・○」
「かろ・かっ・く・い・い・けれ・○」
3回も唱えれば何となく覚えてしまうのではないでしょうか?
形容詞は活用表が頭に入ってしまえば、8割がた学習は終わりです。
形容詞の活用を使って活用形を言い当てられるようになれば9割近く終わりと言ってよいでしょう。
形容詞の活用形の識別
形容詞の活用形を見分けてみましょう。例題をいくつか出してみます。
例1)この本は面白い。
例2)この人の漫才は面白くない。
例3)さぞかし、楽しかろう。
例4)この公園がもっと広ければよかった。
例5)今日は1日楽しかった。
どの例文も、形容詞の後ろの言葉に注目するのではなく、形容詞の活用語尾(最後の言葉)に注目することで活用形がわかるはずです。あえていえば、「終止形」と「連体形」がともに「い」で終わるので、ここだけ後ろの言葉を見る必要があるところが注意点となるくらいです。
念のため解答を確認しておきましょう。
例1)この本は面白い。⇒終止形
例2)この人の漫才は面白くない。⇒連用形
例3)さぞかし、楽しかろう。⇒未然形
例4)この公園がもっと広ければよかった。⇒仮定形
例5)今日は1日楽しかった。⇒連用形
まずは形容詞の特徴はここまで理解しておけばよいでしょう。今後、形容詞と紛らわしい他の品詞との識別問題などが入ってきますが、それをここでやると知識が多岐にわたって混乱するので、まずは基礎を固めるようにしてください。
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