【情報Ⅰ】2025共通テストの詳しい問題解説①

情報Ⅰ大問1解説 大学入学共通テスト
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まさお
まさお

お久しぶりです。これまで本業が忙しくて1年以上更新をとめてしまっていましたが、ぼちぼち再開したいと思います。

2025年の共通テストから「情報Ⅰ」が始まりました!
新課程の新科目ということで、それこそ情報が少ない中での実施となりましたがどのような問題が出たのでしょうか?
システム関連の仕事をしていることもあり、問題解説をしながら説明していきたいと思います。
情報になじみのない方にもわかるように丁寧に解説していきます!!

情報Ⅰ問題解説
  • 共通テストで新科目「情報Ⅰ」がスタート。
  • 現時点では、全体の配点に占める割合は低く、大勢に影響はなさそう
  • 今後少しずつ配点が高まるので、現高1や中3くらいからは留意が必要
まさお
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この記事では共通テストの大問1を解説します。順次開設を追加してまとめていくようにしますね。
なお、共通テストの問題と解答ですが、問題は産経さんのリンクから、解答は大学入試センターからのリンクを張っておきますね。

問題用紙
解答

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大問1の解説

大問1の概観

大問1は「情報社会の問題解決」と「コミュニケーションと情報デザイン」の分野から出題されていました。問題自体の難易度はそれほど高いわけではなく、与えられた情報をいかに早く正確に読み取るかの方が重要だったと思います。

問1 a

まさお
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デジタル署名の問題です。知識と言えば知識ですが、言葉からも想像ができますよね。
「署名」というのは、デジタルでもアナログでもそれが本人のもので間違いがないことを証明するために使用されます。

解答は3になります。
細かな話始めると「公開鍵」や「秘密鍵」の話が出てきますが、ここでは割愛しますね。

問1 b

まさお
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128ビットのIPアドレスが利用されるようになった理由を問われています。

IPアドレスはインターネットに接続する端末を1つに特定するために割り振られる住所のようなものです。これまではIPv4という32ビットで構成されるものを使用していました。

32ビットということは、1ビットは1か0の2種類ですから、32ビットは232個のIPアドレスを持てるということを意味します。232=4,294,967,296(約42億個)となります。

32ビットのものを128ビットにするということは、232(約42億)個を2128個にまで増やすということを意味しています

2128=340,282,366,920,939,000,000,000,000,000,000,000,000(約340澗(かん))という途方もない(0を数えることもイヤになるくらいの)数のアドレスを持つこととなります。

これはスマホなど、インターネット上に接続される端末が爆発的に増え、当初の想定のIPアドレス数では賄いきれないことから新しく規格を作り直したというものになります。

正解は2となります。

Nuro光など高速通信のインターネット接続サービスはIPv6を使用しています。

問2 ウ~オ

まさお
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問2はウ~オとカを分けて解説します。

数字やアルファベットを表すために使われる7セグメントLEDの例を取り上げています。壁掛けのデジタル時計などで使われていることが多いですね。
情報の観点の一つに日常生活と紐づけて考えるというのがありますが、その一環ととらえればよいでしょう。

ここで問われているのは、上記の7セグメントのLEDを点灯させる組み合わせ数です。情報というよりは中学数学の問題です。

7セグメントにはaからgまでの7つのLEDがあり、それぞれが点灯または消灯の2種類情報表示が可能です。

a:点灯 or 消灯
b:点灯 or 消灯
c:点灯 or 消灯
d:点灯 or 消灯
e:点灯 or 消灯
f:点灯 or 消灯
g:点灯 or 消灯

つまり2つのパターンを持つLEDが7つということになりますから、27となりますね。

27は128ですので解答は、
ウ:1
エ:2
オ:8

となります。マークミスをしないように注意しましょう。

問2 カ

情報の問題は解答の割に読む量が多くて面倒ですね。

まさお
まさお

そうですよね。気合を入れないと問題を読み切れなかったり、時間内に終わらなかったりするかもしれません。

前提条件をきちんと伝えないと解答が確定しないので回りくどくなる傾向があります。受験技術としてはすべての文字を素早く読んで必要な情報を抽出する練習が必要です。

まさお
まさお

さて、問2のカですが、問題の条件を整理すると以下のことを問われていることがわかります。

◆7セグメントLEDは数字以外に以下の情報を表示できる。
・アルファベットの大文字8種類
・アルファベットの小文字5種類

◆以下のようにエラーコードを表示したい。
・1桁目に大文字アルファベット
・2桁目に小文字アルファベット
・3桁目以降は数字
・エラーコードは5000種類

◆5000種類のコードを表示するにはLEDが何個あればよいか

1桁目で8種、2桁目で5種表示できますから、最初の2つのLEDで
5×8=40種類表示できます。

3桁目以降は10種類の表示ができる数字となります。
仮に数字部分が2個だと10×10(102)で100種類表示が可能です。
アルファベット部分が40種類でしたから、40×100で4000種類表示可能となりますね。ところが、求められているのは5000種類ですから4000では不足します。
つまり数字部分は3個必要とわかりますね。

計算式にまとめると、以下のようになります。
8×5×10X≧4000
X = 3

よって、正解は3となります。

問3 キ

まさお
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これも問題文が長くて少し大変ですね。
まずはから考えましょう。

まさお
まさお

チェックディジットの計算問題です。人間がWebサイトなどに数字を入力する場合に、数字を見誤ったりうち間違ったりするケースが必ず発生します。
システムを作る側はその間違った数字をそのままシステムに入れてしまうとトラブルになるため、入力ミスを事前に検出したいと思っています。
そのために考え出されている方法の一つがチェックディジットです。

この問題のは説明文にある生成方法Bで「22609」を入れた場合の数値を出すのみなので、手順さえ間違えなければ解答は容易に出ます。
手順を分けて考えると確実です。

【生成方法B】
1:利用者IDの奇数桁の値をそれぞれ3倍にした値と
2:各偶数桁の数字を足し合わせ
3:10で割った余りRを求め
4:10からRを引いた値をチェックディジットとする

“22609”に当てはめて考える
1:2×3 + 6×3 + 9×3 =51
2:51 + 2 + 0 = 53,
3:53 ÷ 10 = 5 あまり 3
4:10 – 3 = 7

よって、正解は7となります。

問3 ク

まさお
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チェックディジットは複雑な計算をしてもミスが発見できないケースもあり、いろいろなパターンが研究されています。この問題でも、その工夫について問われていますね。

問題の趣旨は以下の通りです。

の入力ミスの場合、
生成方法Aではミスの検出ができないが、
生成方法Bではミスの検出ができる。

つまり、AとBの違いで何のミスが検出できるかということが問われています。

生成方法AとBの違いを比較すると、相違点は以下の1か所のみです。

生成方法Aはすべての桁の値を足す
生成方法Bは奇数桁の数値を3倍してから足す

奇数桁のみ3倍すると何ができるかという観点で選択肢を見てみましょう。
奇数桁と偶数桁を入れ替えて入力してしまった場合は明確にチェックディジットの値が変わります。

しかし、偶数桁と奇数桁を2つ間違えてしまった場合は、計算結果がたまたま同じ数値になってしまう可能性もありますよね。
たとえば、2260922469などと、2カ所間違ってしまった場合はチェックディジットがともに7となってしまい検出ができません。

よって、正解は3となります。

問4 ケ

まさお
まさお

問4もケから考えてみます。

まさお
まさお

情報デザインの考え方に関する問題です。ユーザーインターフェース(UI)を考える際の法則を例にとって、考え方を整理していますが、問題文をきちんと読めれば容易に解答できるのではないでしょうか?

問題の趣旨を整理します。

【UIデザイン上の法則】
・対象物が大きいほど、対象物に移動するときの時間が短くなる
・対象物への距離が短いほど、対象物に移動するときの時間が短くなる

【追加情報】
ディスプレイの端にある対象物は実質的に大きさが無限大になると考える

【問題の趣旨】
・図5のディスプレイ上の対象物で最も短い時間で差し示せるものを答える

【UIデザイン上の法則】に当てはめると、
・距離が一番短いのは2(1もかなり近いが)
さらに【追加情報】を意識すると
・最も大きい対象物は23
2はどちらの条件も満たし、最も短い時間で指し示すことができる

よって、解答は2となります。

ちなみに、この法則は「フィッツの法則」と言われています。「画面の端の対象物の大きさを無限大と考え、最も短い時間で指し示せる」という考え方に違和感を感じる人もいるかもしれません。
これは、端の対象物はマウスが通り過ぎることがないため乱暴にマウスを動かしても対象物を指し示せることを意味しています。実際に画面の上部や株にあるボタンは真ん中にあるボタンよりも押しやすいのではないでしょうか?

問4 コ・サ

まさお
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この問題もどちらかというと国語の読解問題に近く、与えられた条件をきちんと読み取れれば解答ができると思います。

問題の趣旨は以下の通りです。
操作時間を短くするため利用頻度に基づいてメニュー配置をする方法がある
・図6のマウスから右に出ているメニュー項目について考える
この問題で与えられた法則のみに従って考える
・メニュー内の「項目5」の利用頻度はである
・メニュー配置は意図的にとしている

項目5の位置はマウスから一番遠いため、操作時間は一番長くなります。
利用頻度に基づいた場合、利用頻度が高いものの方が移動時間が短くなるべきなので、対象物を大きくするか近くに配置しないといけないということになります。
項目5は一番利用頻度が低いと考えるべきです。

正解は、コが0、サが1となります。

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まとめ

どの問題も決して難易度が高いわけではありません。上記の通り一つ一つ紐解いていけば、中学生でもある程度の正解ができると思います。

一方で、このような問題形式や基礎知識にある程度慣れていないと、制限時間内でてきぱきと問題をこなすことは難しいと思います。対策問題などで練習を積むことも大事です。

大問2以降の解説も順次追加していきます。

以下に共通テストの情報の問題集をご紹介しておきます。


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