こんにちは。前回から共通テストの「情報Ⅰ」の解説をしています。
今回は第2弾、大問2のAを解説しますね。
新高3の人のみならず、塾の先生や新高1・新高2の方なども参考にしてもらえればありがたいです!
大問1の解説はこちら
大問2Aの解説
大問2の概観
大問2は「情報通信ネットワークとデータの活用」と「コンピュータとプログラミング」から出題でした。慣れていないと少し難しく見えるかもしれませんが、各問題で与えられた数値の意味が見えればここもそれほど難解というものでもないと思います。
大問1同様、手際よく充てられた問題の趣旨を理解できるかの方が重要だと思います。
大問2 A問題文
スーパーマーケットのレジから出力されるレシートの情報を使ってどのような分析ができるかという趣旨の問題になっています。
世の中ではdポイントやVポイントなどいろいろなカードが発行されていますが、あれでポイントが付くのはここにあるように大量の購入データを取得し、分析・活用することが大きな目的です。
古くはコンビニのレジに代表されるようなPOSシステムが多かったですが、今は店舗以外の購入も増えてきているため、レジだけではデータが限定的で活用しづらいのでポイントシステムのデータと結合していると思います。
では、各問題を見てみましょう。
問1
図1のレシート情報を使って分析をする際に、何を分析する場合にはどの情報を使えばよいかということを問われています。
アは「時間帯ごとの総売上額(消費税込)」の比較と言っていますから、
・時間帯
・売上総額
がわかればよいといういうことになりますね。
「購入時刻」はすでに与えられているので、あとは「売上総額」に当たり情報を選べばよいので、購入した金額の合計が解答になるはずです。
アの正解は、5です。
イ・ウは「曜日別の各商品の購買の状況」を把握すると言っていますから、
・購入日・曜日
・各商品がどの程度買われたかわかる情報
を選べばよいはずです。
「各商品がどの程度買われたか」は「買われた商品」×「買われた個数」で把握できますよね。
イ・ウの正解は3・4(順不同)となります。
選択肢を見る前に問題の意図をとらえて方針を決めた方が早く処理できると思います。
問2
下線部(A)から得られない情報を選択する問題です。
下線部(A)には以下の内容が書かれていました。
「ポイント会員情報とレシートに印字されている情報を組み合わせて分析する」
選択肢がわかりやすいので解答はすぐに選べると思います。
0の「顧客が商品を購入した理由」はさすがにわからないですよね。お客さんがスーパーで買い物をする際にいちいち理由を言わないといけない状況でしたら、めんどくさくてそのスーパーにお客さんは寄り付かなくなると思います…。
よって、正解は0です。
お店側としては購入理由がわかった方がありがたいのですが、購入理由は簡単に収集が難しい情報です。そのため、ある商品を買ったときにセットで買われる商品の情報とか、周辺の購入データから類推するケースが多いです。
また、お客様アンケートのような別のチャンネルで購入理由を聞いたり、グループインタビューのような対面での情報収集などを行うケースもあります。
システム側で集められる情報はどちらかというと単純に取得しやすく、分析に使える程度の大量データが多いということを知っておくと、将来、仕事に着いたときなどにも使える知識になると思います。
問3
下線部(B)に関する問題です。
下線部(B)付近は以下のように書かれていました。
ポイント会員情報とレシートに印字されている情報は、LikeWingの本部の情報システムで一括管理しています。(B)本部、各店舗、商品を製造するメーカー、商品を店舗に配送する配送センターの間で情報をやり取りしていて…
下線部(B)だけでなくその前後も少し意識しておいた方がよいでしょう。
これを踏まえて、図2の(あ)~(う)の情報の流れに含まれる情報を選べばよいということになります。
オ Ⅰ 店コード
店コード情報の流れをたどってみましょう。情報の起点は顧客の購入行為ですから、顧客から見ていきましょう。
まず、顧客は店舗に対して店コードを提示する必要があるでしょうか?
その店に買いに来ている段階で、どの店で買っているかは明白なので、店コード情報の提示は不要ですね。(う)は不要ということです。
次に、店舗から本部に店コードの提供が必要かということですが、これは各店舗の商品の販売状況を管理するために当然必要になりますよね。(い)は必要。
最後に本部から配送センターに店コードの提供が必要かということですが、これは各店舗に対し売れた商品の補充指示が必要ですから、配送センターに店コードを送らなければなりません。(あ)も必要。
よって、正解は、3となります。
カ Ⅱ ポイント会員ID
これも情報の流れをたどっていきましょう。
まず、顧客の購入時です。ポイント会員IDは顧客がお店にポイントカードを提示していますから、顧客⇒店舗で情報のやり取りがありますね。(う)は必要。
次に、店舗から本部ですが、本部側では会員のポイント管理をしています。いつも同じ店で購入するとは限りませんから、ポイント会員IDと今回付与されたポイントを本部に送らないといけないですね。(い)は必要。
最後に、本部から配送センターですが、ここの配送センターは誰が買ったかという情報までは不要ですね。配送先が個人宅であるなら必要ですが、商品は店舗にしか送られません。よって、会員IDを配送センターには送りません。(あ)は不要。
ということで、正解は、5となります。
コツは、選択肢順に見るのではなく情報の流れをたどるということです。
問4
下線部(C)のメリットに関わる問題です。
下線部(C)付近に書かれていたことを整理ておきましょう。
Yさん:ネットショッピングサイトと、この情報システムはつながっているのですか?
店長:今まさに、連携を検討しているところです。これらが(C)連携するメリットは多くあります。
つまり、ネットショッピングサイトと情報システムは現在未連携で、連携するといくつかのメリットがあると言っているわけです。
ここで問われているのは、連携するメリットをまとめた表の内容を実現するには、あ~うのどの条件が必要かということです。
では、Ⅰから順にみていきましょう。
Ⅰ 顧客がネットショッピングにログインした時に現在のポイントカードのポイント数と自宅に近い実店舗の広告チラシが自動的に表示される。
ここで必要となる情報は
・ポイントカードのポイント数
・自宅に近い実店舗がどこか
ということになりますね。
ポイントカードのポイントは情報システムの方にあるので、会員情報をネットショッピング側に渡してあげる必要がありますね。連携する必要があります。
自宅に近い実店舗の情報はネットショッピング側にすでにありますから、情報連携は不要です。
よって解答は0となります。
Ⅱ 顧客がネットショッピングで商品を購入しようとするとき、その顧客がポイントカードをよく利用する実店舗のうちで、その商品の在庫がある実店舗の情報が表示される。
ここで必要になる情報は
・顧客がよく利用する実店舗の情報
・よく購入する商品の在庫がある実店舗情報
になります。
ネットショッピングには顧客がポイントカーを利用している実店舗の情報はありませんから、情報システムからあの顧客情報を連携する必要があります。
ネットショッピング上の商品と実店舗の商品を紐づけるには、商品コードでネットとリアルを紐づける必要があります。いは必要な情報です。
また実店舗の在庫情報を表示するには、商品コード・店コードから在庫数を調べられる必要がありますね。うも必要です。
よって、解答は6となります。
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