共通テストの記述問題導入、正式に断念へ

大学入学共通テスト
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
4/2、文部科学省で開かれた「大学入試のあり方に関する検討会議(第24回)」において、記述式問題を共通テストに導入することは現実的には難しいとの意見が出され、個別試験にゆだねる方向でおおむね一致したようです。
今回は「共通テストの記述問題、正式に断念へ」というテーマです。

共通テストにおける記述式問題の扱い

◆各大学の個別試験で記述式問題を出題しているケースが非常に多い
⇒国立大学:99.5%
⇒公立大学:98.7%
⇒私立大学:54.1%
◆共通テストで記述問題を出題すること自体が目的化するのは良くない
⇒元来は思考力・判断力・表現力の測定の一環にすぎない。
⇒大学入学までのどこかで記述問題を扱う経験があれば当初の目的は達せられる

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大学入試のあり方に関する検討会議より

4/2に開催された第24回大学入試のあり方に関する検討会議において、興津杖ストにおける記述問題の取り扱いについて様々な意見が出たようです。
時事通信にも以下の記事が出ていました。

記述式導入、正式断念へ 個別入試で出題促す―文科省会議:時事ドットコム
大学入試の在り方を議論している文部科学省の検討会議は2日、大学入学共通テストでの記述式問題の導入を正式に断念すべきだとの方針でおおむね一致した。代わりに国公私立大の個別入試での出題を促すとした。

当日の配布資料の全容は以下から確認が可能です。

大学入試のあり方に関する検討会議(第24回)配布資料:文部科学省

この中で記述問題の取り扱いに関しては、大阪大学高等教育・入試研究開発センタ―長の川嶋太津夫氏の以下の資料がベースになっているようです。

https://www.mext.go.jp/content/20210330-mxt_daigakuc02-000013827_4.pdf

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共通テストで記述問題を出す意義とは?

川嶋教授の資料の5ページに共通テストでの記述問題出題の位置づけについての意見が記載されています。以下その部分を引用します。太字やアンダーライン等は私がつけています。

  • 記述式問題は採点者の裁量が大きく、採点ミスのリスクもゼロにならない。採点基準を明確にすればするほど、問題は画一的かつ単純な訓練で回答が可能となり、本来問うべき表現力から遠ざかる。各大学が独自に問題を作り、自前の採点者が自前の採点基準で採点すべき
  • 本来求められる記述式とは定型の模範解答があるようなものではない。
  • 記述式問題で問う思考力・表現力の深さと採点可能性はトレードオフの関係。「条件付記述式」は学力中位層には一定の意味があったが、限定的なものとならざるを得なかった。
  • 現行の共通テストの日程の枠外で、バカロレアのような本格的な記述式テストを実施すべき。条件付き記述式を実現するためにCBTを導入したり、AIによる採点システムを開発したりすることには反対。
  • 共通テストにおける記述式問題導入について指摘された課題は、容易に解決できるものではないため、現実には、個別試験における出題を促す以外の選択はあり得ないのではないか。
  • 共通テストはマークシート方式だが、それで思考力・判断力・表現力を一切判定できないから記述式が必要というのはおかしい。センター試験は思考力等をより問う形に変化してきたはず。
  • 米国SAT のWriting and Language Test では、多肢選択式で文章を推敲させ、書く力を評価している。記述式以外でも書く力を評価することは可能である。

これまで何度か議論をしてきた中で、方向付けはすでに見えていましたが、上記の記述の通り、共通テストで記述式の出題をすること自体が、公平性の問題や試験運営上のリスクになってしまうため、各大学が独自のテストで記述問題を実施すべきとの方向になっています。

まさお
まさお

そもそも共通テストで記述問題を出すのは、高校の指導における思考力・判断力・表現力の育成(知識の詰込みではなく…)という方向性からスタートしたはずです。記述問題を出すこと自体が目的化してしまった時期もありましたが、個別試験でそれぞれの形式で記述問題を出題できれば、それで解決のように見えます。
当初、共通テストの記述問題を入れるべきと主張していた人たちがどう思っているかは聞いてみたいところですね。

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各大学の個別試験における記述問題の出題状況

仮に共通テストで記述問題の出題を断念したとして、現在の各大学個別試験での記述問題の出題はどのような状況になっているのでしょうか。

これも今回の会議資料の「【参考資料3】大学入学者選抜における英語4技能評価及び記述式問題の実態調査の結果(その2) 」に調査結果が記述されています。
一部を抜粋してみます。

上記の通り、国立・公立大学はその大半が何らかの形で記述問題を出題しています。私立大学は全体の半分程度ですが、受験生の学力や試験回次の多さなどを考えると私大の負担感は大きいと判断されています。

まさお
まさお

私大の記述問題の出題は受験生のレベルを見て判断するのが妥当だと思います。記述問題を出題する方向に近づけるといった議論は良いと思いますが、義務付けは各大学の志願者減少などにもつながる可能性があるため、慎重に判断した方がよいと思います。
「それだから共通テストでやりたかったのだ」という意見も出てくると思いますが、共通テストでの導入は現実的に難しい現状があるわけですからどのレベルを落としどころとするかを判断していく必要があると思います。

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