2025年共通テストから「情報1」が必修科目に!?

大学入学共通テスト
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まさお
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こんにちは。まさおです。
いくつかのメディアで報道されていますが、2025年度の大学入学共通テストから「情報」が必修科目となるという話が出ています。
この話は別に急に出てきたわけではなく、以前からあった話です。
今回は「2025年度以降、共通テストに情報が必修科目として入った場合の影響」を取り上げます。

2025年度共通テストの情報の取り扱い

2022年度から高校の指導要領が改訂になる予定。
「情報」が必修科目となり、全員がITの基礎知識を学ぶ体制に移行する
◆2025年度の共通テストから「情報」が必修科目になる可能性も
⇒2022年度入学の高1が大学入学共通テストを受けるのが2025年度。必修化が当然の流れ?
「情報」は文系理系問わず、全員が学ぶ基礎知識として定着させたいというのが狙い

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2020年度の小学校から始まる新学習指導要領

10年に1度のサイクルで学校の指導の拠り所とされる「学習指導要領」が改訂されます。
2002年度の指導要領改訂は有名な「ゆとり教育」でした。2011年度の改訂は「脱ゆとり」と言われました。今回の指導要領改訂は「思考力・判断力・表現力」や「主体的対話的で深い学び(アクティブラーニング)」などが話題になりました

指導要領は、小学校の改訂が先行し、翌年に中学校、さらに翌年に高等学校の改訂が入ります。
2020年の小学校の指導要領改訂から2021年度中学、2022年度に高校という流れになっていきます。
具体的には以下の図でご確認ください。

政府広報オンラインより
まさお
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上記の流れを受けて、2022年度の高1が大学受験をする2025年度に情報の必修化が始まるということです。
現在の中学2年生が最初の学年になります。

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高大接続も含め高校指導の変更が急務

文部科学省としては、高校3年間の学習をいかに充実させられるかが喫緊の課題のようです。
日本の国際競争力が下がっていく中で産業界からは即戦力の人材を育成することを大学側に求め、大学は高校側にその基礎力を求めています

これまで色々紆余曲折のあった大学入試改革も、従来の知識詰込み型から思考力・判断力・表現力型にシフトしたくて、記述問題や民間英語試験の導入にチャレンジしましたが、入試の公平性の前に一旦頓挫した状態です。

特に中国の台頭は日本企業を完全に呑み込んでいますので、日本がこれからも国際競争力を維持し、主要他国と対等に伍していくためには今の若者にどのような教育を行うべきかというのが課題でした。

「情報」の必修化というのはまさにそのような流れに中で出てきた話ということです。
ポイントは、AIをはじめとしたITを駆使したサービスが今後世の中に広く広まっていくことを考えると、日本人自らがITの基礎知識に精通していることが重要だということだと思います。
中国から流れてくる優秀な人材の前に、日本人が対等に戦える状態を作りたいというのが今回の指導要領の背景です。

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「情報Ⅰ」でどのようなことを学ぶのか

では、「情報Ⅰ」ではどのようなことを学ぶのでしょうか。
文部科学省の資料では、以下のような記述になっています。
元資料はこちらから。

「情報Ⅰ」の内容

情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報技術を活用して問題の発見・解決を行う学習活動を通して,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し,情報社会に主体的に参画するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)効果的なコミュニケーションの実現,コンピュータやデータの活用について理解を深め技能を習得するとともに,情報社会と人との関わりについて理解を深めるようにする。
(2)様々な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用する力を養う。
(3)情報と情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に主体的に参画する態度を養う。


(1)情報社会の問題解決
(2)コミュニケーションと情報デザイン
(3)コンピュータとプログラミング
(4)情報通信ネットワークとデータの活用

まさお
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上記の単元構成で言うと、(3)(4)のプログラミングやネットワーク、データ活用といったあたりが差がつきそうな内容です。
日常生活で触れているレベルと大差がなければ差はつきませんが、AIやビッグデータを踏まえて少し専門的な領域に踏み込むとなると、学習時間をきちんととった人が有利になるのは他の教科と同様だと思います。

「情報」の必修化で何が変わるか

得意・不得意が大きく分かれる科目になる可能性があります。
「情報」の授業で取り扱うITの基礎知識は、小学生でもきちんと向かえば理解できる内容が多く、どちらかというと食わず嫌いで苦手になってしまう人が多い分野です。逆の言い方をすれば、キチンと逃げずに向き合えば意外と早く理解できるということでもあります。

一方で、心配なのは学校先生のレベル差です。情報の授業の担当者の説明技量で生徒の理解に差が出てしまう可能性は高いと思います。学校の先生が2022年からの必修化に向けてどのような授業を行うかを、入試で得点を取らせるというゴールを意識して考えてもらわなければなりません

「情報」が必修化されるということは、大学入学共通テストを受ける全受験生が「情報」である程度の得点を取らないと国立の2次試験が受けられなくなる可能性を意味しています。
実際の情報の試験がどの程度の難易度になるかにもよりますが、小学校時代からプログラミングなどを通じてロジカルにものを考えたり、プロセスを整理したりするのが好きな人はそれほど大きな苦労はしないと思います。

早い段階でプログラミングやコンピューターの仕組みについて触れておけるならその方が有利であることは間違いないでしょう。

まさお
まさお

実際のテストが始まって、出題レベルを見てみないとわかりませんが、一定の難易度のテストだった場合、数学と同様に差がつく科目になる可能性があります。
プログラミングを小学生の内から学んでおくと、高校生の情報のテスト対策になることは間違いないと思います。

コメント

  1. とおりすがり より:

    「情報I」は、学習指導要領として必履修科目ですが、大学入学共通テストで「必受験」というわけではありません。このblog記事の書き方は、不正確な記述だと思います。(でも、大手のテレビ局や新聞社の記事も、このblog記事と同様に、不正確なものが多いです。)

    • まさお@教育ブロガー(元塾講師)まさお@教育ブロガー(元塾講師) より:

      とおりすがり さま
      コメントありがとうございます。
      こちらもわざわざご指摘をいただいてしまい恐縮です。
      ご指摘の通りでしたので、修正いたしました。

      こちらの記事の執筆当時はメディアの論調にそのまま乗っかってしまったところがありました。
      新指導要領や高大接続改革に絡んで、経産省や経済界からのICT人材強化のための施策としての情報必修化を目指す動きがあるという背景から不正確な記述になってしまったと思います。
      文科省や教育現場の立場と日本の技術立国として基盤の弱体化に対する施策として教育へ期待する動きがある意味綱引きのような状態になっていると見えています。
      一部の大学では文理問わずデータサイエンスを一般教養の必修科目にしようという動きもあり、むしろ情報の必修受験の方が自然な流れだと個人的には思っています。
      そのための「情報Ⅰ」の必修化だとも思いますし。
      このあたりの展開もぜひ注視してまいりたいと思います。