こんにちは。まさおです!
以前こちらのブログで開成中高がオンラインで定期考査を実施しているという話題を取り上げましたが、6月13日の朝日新聞で詳細が報じられていました。これからのテストのあり方に大いに示唆を与えてくれるものでした。
今回は「オンライン定期テストに見る、コロナ時代の新しいテストの形」という話題です。
私学が行っているオンライン定期テストの概要
今回の新型コロナによる休校⇒オンライン授業の流れの中で、一部の先進的な取り組みを試している学校ではオンラインの定期テストも実施されました。
いくつかの事例(一部)を紹介したいと思います。
開成中学校・高等学校の取り組み
東大合格者数で39年連続全国トップの開成中学校・高等学校。ここでは以下のようなテストをオンラインで実施をしたそうです。
中3数学では、試験前に3~12人のグループを事前登録させ、試験当日にZoom上で試験問題を発表。2時間以内にグループでオンライン上で話し合って、統一した解答を作りPDFファイルで提出させるというテストが実施されました。
さらに1週間以内に、授業で何を学んだか、教師は何を伝えたかったのかをレポートで提出するという内容です。
他の教科でもグーグルフォームで回答をさせる問題や、レポートの提出形式など、各教科の先生の工夫により幅広いテストが実施されたようです。
広尾学園中学・高校の取り組み
広尾学園では、教員に対して「知識を問うような問題ではなく、教科書やノートがそばにある前提で、理解を問う問題を」という指示が出ていたようです。
中1の理科では教材や資料などで調べてよいという前提の試験が実施されたそうです。調査に時間をかけすぎると制限時間内に解答が書けないなど、本人の中に多少の知識や学習内容があった方がより深い解答が書けるタイプの出題です。
都立白鷗高校・附属中学校の取り組み
都立校ですが、ここもWeb試験を5月末に実施したそうです。
試験時間を明確に区切らず、一定期間内に解いてオンライン上に提出するという形式で、通信環境の整わない家庭にも配慮をしたとのことです。
オンラインで従来のテストと同じものを求めようとすると無理が出てしまうので、オンラインならではのアレンジを加えているところが各学校の素晴らしいところだと思います。
このような経験を積んだ生徒は、目の前の課題に柔軟に工夫をして取り組むことを自然と学んでいくのだと思います。
オンライン定期テストから見える新しいテストの形
このような各行の取り組みを見てみると、オンラインのテストの可能性を十分に感じることができます。
一般的にオンラインのテストというと、タイマーによる時間管理の下で選択問題などを解答していくタイプをイメージしやすいですが、そのようなテストでは公正性の問題がどうしてもクリアできません。
むしろ「カンニングあり」という前提で、カンニングをしたとしてもその生徒の実力が明確に表れるような工夫を施すことがオンラインテストを実施するうえでのポイントになると思います。
広尾学園のテストにあった通り、「知識ではなく理解を問う」ということが重要だと思います。
レポート形式のテストは採点者側に大きな負担をかけますが、学校の先生がきちんと対応する中で生徒は大きく成長するのだと思います。
今の時代は、知識はスマホで調べればすぐにゲットできる時代なので、その知識を活用してどのように考えたかを他者がわかるように説明できることが重要なのだと思います。
その意味でも、自分が理解したこと、調べて分かったことを相手に分かるようにまとめるというテストは現代風の理にかなったテストだと思います。
第2波・第3波への備えや入試への応用
このような先行事例を他校が真似をすることで、オンラインテストは短時間でどんどん進化していくと思います。
日本の知識偏重の受験勉強にも結果的に一石を投じることになるため、今回取り上げた定期テストをベースに入試問題を作っていくこと自体は受験生側にも学校側にもメリットがあると思います。
今後確実に来るであろう、新型コロナウイルスの感染第2波・第3波のことを考えても、自宅でPC上で受験できるテストの開発は急務だと思います。
先行してチャレンジしてくれている学校の成功・失敗の知見を使って、自宅で安全にかつ公正に受けられるテストの構築を進めていきたいですね。
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