こんにちは!まさおです。
6/17の新聞各紙は文部科学省がセンター試験を例年と同じ日程で実施する方向で調整に入ったことを報じました。
ただし、学校の授業の進度の影響などで2週間後の追試を希望する場合はそちらの受験を認めるという方向です。
一方で全国高等学校長協会(以下、全高長)は日程繰り下げを要望、結局どうなるのか混迷を極めてきました。
今回は、(何回もやって恐縮ですが)「大学入試日程は結局どうなる」です。
文部科学省の現在の検討状況
こちらは以下の記事が参考になると思います。
要点は以下の通りです。
・共通テストは従来通り1月16日・17日で実施とする。
・追試は従来1週間後に東京と大阪でやっていたものを、2週間後の1月30日・31日で実施とし、会場も47都道府県すべてに設ける
・休校による学習の遅れを理由に追試での受験を認める。
高校のアンケートで約7割の学校が従来通りの日程を希望したことを背景に、上記のような方針で最終調整に入り、6月中に「大学入学者選抜要項」を公表する段取りで進んでいるということです。
ちなみにアンケート結果が出た段階の予測記事は以下の内容です。
6/13のブログにも書きましたが、これは受験生の意志というよりも実施する大人の側の論理という感じがして、非常にダメな判断だと思っています。
全国高等学校長協会の要望書とは
上記アンケートでは従来通りを希望しているのに、全高長が日程延期の要望書を提出するというのはいかにもちぐはぐな感じがします。
このあたりの経緯は以下の記事が参考になります。
アンケート実施期間中の6/6に全国の代表者の参加によるオンラインの会合を開きました。その中で数学Ⅲに着手できていない地域の報告などを受け、地域間格差に驚きの声が相次いだといわれています。
ところが、その段階ですでにアンケートには回答をしてしまったために、学習の遅れがそれほどでもない地方部の意見が全体の意見のように反映されたというのが真相のようです。
さらに6/13の会合でも、「状況が厳しいところに寄り添うべきでは?」という意見が出たという話です。
アンケートの回答を一律に集計して出てきた数字を尊重するか、少数ながら影響が甚大なところに配慮するか、という民主主義の定番の問題が出てきているようです。
新型コロナは災害なわけですから、被災地に合わせるのが普通の判断だと思います。
文科省は要望書の受け取りを拒否
さらに驚くべきは文部科学省がこの要望書の受け取りを拒否したことです。
理由はこの要望書の私学の意志が含まれていないことで、「高校の総意として出し直してほしい」とのコメントをつけて受理しなかったとのことです。
もちろん、ここで受理してしまったらアンケートと内容がぶつかってしまい、どちらを取るかという話になりますから、どっちをとっても批判は免れないわけで、役人としては極めて優秀な判断だったのだと思います。
一方で、私学はもともと学校の授業進度が公立より早いことが多いうえ、オンライン授業なども進んでいる可能性がありますから、公立ほど後ろ倒しに積極的ではないかもしれません。
ただ、全国の高校の公私比率を考えれば、公立学校が全体の大半を占めているわけで、私学の要望も入れてほしいというのは時間稼ぎのようにしか見えません。
結局、要望書の提出を遅らせてその間に募集要項を固めてしまおうという意思が透けて見えて何ともムナクソの悪い展開と言えます。
今回の議論は、全高長側の動きが生徒のことを考えた正しい動きのように思えますが、タイミングが2週間遅かったように思います。受験生は、結局大人の論理の犠牲になってしまうのではないかと思うといたたまれないです。SNS等でこの問題は声高に叫ぼうと思います。
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