【結局当初の予定通り!?】2021年度大学入試日程について

教育に関する政策
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まさお
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6/12、報道各社が2021年度の大学入試日程は当初予定通りで調整に入ったことを一斉に報じました。全国の高校宛のアンケート結果がおおむねまとまったことが背景のようです。
理由はいろいろありますが、当初予定通りできっとまとまると思われます。

個人的にはとてもひどい話だと思います。
今回は、「2021年度大学入試日程とその影響」を取り上げます。

入試日程決定の背景

高校側は一度決めたターゲット日程を変えるとモチベーションが下がると主張
⇒モチベーションが高くても学習が終わらないと合格できないのに…。
大学側は会場確保など事務手続き面で従来日程を希望
大学は入学者さえ来てくれればよいという姿勢に見えてしまう
※結局大人の論理で、受験生不在の方針決定に見えてしまう…(涙)

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文科省の高校向けのアンケート結果

文部科学省は、2021年度の大学入試日程の延期を行うかを決定するにあたり、各高校にアンケートを取っていました。6月10日までに4318校が回答したという中間報告が出ています。

主な回答結果は以下の通りです。

予定通り実施すべき…30%
予定通りの実施とし、予定通り実施でき長った場合の予備日の日程を明確にすべき…39%
・2週間程度後ろ倒し…19%
・1か月程度後ろ倒し…10%
・1か月以上後ろ倒し…2%

上記から、予定通りを望む声が69%という結果になっています。

まさお
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文部科学省は、約7割の高校が予定通りの実施を求めるという声を尊重すると言っています。このままだと例年通りの1月中旬の実施になりそうです。

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高校側の希望の背景にある考え方

アンケートではその理由もまとめられています。

予定通りの実施を望む理由

予定通りの実施を望む理由は以下の通りです。
今後の感染状況が予測できない中で、入試日程を変更するのは不安(82%)
予定されていた試験日程での受験に向けて準備をしていた受験生の意欲に影響(55%)

予定通りを希望する高校側の論理は、「第2波や第3波が入試日程を直撃した場合は、その状況に合わせて日程が変わってくるのだろうから、今の段階で予断的に日程変更をしても意味がないのでは?」ということだと思います。

まさお
まさお

予測できない未来に対して、根拠薄弱なまま中途半端に日程を後ろに倒しても、かえって混乱を助長するというのは一理ありますね。

延期を望む理由

延期を求める主な理由は以下の通りです。
学習の遅れを回復する期間を設けることで、受験生の学習機会を保障(88%)
早期に入試日程を変更することで受験生の不安を解消(86%)

延期を望む高校側の論理は、「休校で明確に学校の授業が遅れているのだから、入試日程を変えないのは受験生への配慮に欠ける」ということだと思います。

まさお
まさお

文部科学省も「学びの保障」を声高に叫んでいるのですから、入試だけは高校の意見を尊重するというのは辻褄が合わないようにも思いますね。

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本当に入試日程は例年通りでよいのか?

ここまでのアンケート結果と文部科学省の考え方を聞いていると、受験生に試験範囲をきちんと勉強してもらって、悔いのない入試を受けてもらおうという思いに欠けるように感じます。

本来、大学入試は広い試験範囲の上に、浪人生もいたり、私立の中高一貫校もいたり、様々なプロセスを経て大学入試にたどり着いた受験生がペーパー試験の得点で合否を決められる大変シビアな世界です。

何年も受験生を見ていれば、入試直前期の一日がどれほどの価値を持つか、骨身にしみてわかるのですが、この議論はそのような受験生への思いというよりも、世の中を混乱させずに入試をうまくやり過ごすにはどうすれば良いかという議論に聞こえてしまいます

これでこのまま来年度の入が例年通りの日程で実施された場合には、高校入試で入ってきた(高校カリキュラムがギリギリで終わる)高校生が圧倒的に不利な状況に追い込まれてしまいます

逆に、昨年までに試験範囲を終えていた浪人生は少し有利になるのかもしれません。

まさお
まさお

今年の高校3年生は英語民間試験や記述問題は意志など、ただでさえ振り回されてきた不幸な学年なのですが、コロナ対応でも大人の事なかれ主義の犠牲になっているようにも見えてしまいます。
この世代が将来社会で「コロナ世代」などと揶揄されないようにしてほしいと思います。

受験生はとにかく学習内容を早く終わらせること!!

全国高等学校長協会の会長でもある都立西高校の萩原聡校長は朝日新聞系列のEduAの取材に対して、「高校入試日程の後ろ倒しを希望したい」と明言しています
上記の協議とは別に、入試日程後ろだ多しの要望書を近く文部科学省に提出するとも言っています。

高校側の要望でもう少し議論が深まる可能性もありますが、6月中には大学募集要項を発表しないといけないというスケジュール的な問題も含め、文科省側は予定通りの実施で押し切る可能性が高いと思われます。

そうなると受験生はどうすれば良いのでしょうか?

1日も早く高校内容の学習を終え、大学入試の準備態勢に入ることが大事です。ここは非常につらいところではありますが、仮に入試日程の変更はせず、コロナによる第2波が来た場合の予備日の発表で終わった場合は、初動の遅い受験生がそれだけ不利になるということです。

初動と言っても休校期間中も勉強していた生徒も相当いたでしょうから、休校中の新出カリキュラムの学習の後れをいかに早く取り戻すかがポイントと言ってもよいでしょう。

まさお
まさお

6月4日のブログ(以下)でも書きましたが、入試日程変更はあっても1か月程度の差です。入試直前期には大きな差になりますが、受験生の心構えは予定通り実施でも公開しない逆算的な準備だと思います。
共通テストは2021年1月16・17日に実施される前提で、大至急準備を始めましょう

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