こんにちは。まさおです。
ここ数日高校入試関連の記事を書いていますが、出題範囲や選択問題に関連した対応はなかなか奥が深い難しい問題だと思います。
愛知県は6/24にあえて試験範囲を縮小しないという通知を出しています。
今回は「高校入試の出題範囲を縮小しない対応を考える」と題して、その内容を考えてみたいと思います。
ちなみに、以下の記事では「選択問題」をとる場合の対処について扱っています。
出題範囲を縮小しない自治体の考え方
東京に住んでいると学校の休校が大変長く感じられ、出題範囲の縮小はやむを得ないのではないかと思いますが、実は全国で見ると必ずしもそうではないようです。
今回話題にした愛知県は教育委員会のホームページで以下のリンクのようなPDFを掲出しています。
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/338312.pdf
一部引用しておきます。
1 学力検査の出題範囲
「令和3年度愛知県公立高等学校入学者選抜における中学校等の臨時休業の実施等を踏まえた配慮事項について」より
現在、中学校等において、卒業までに第3学年で学習すべき内容が全て履修で
きるよう教育課程が再編成され、計画的に学習指導が行われていることを踏ま
え、現時点では学力検査の出題範囲の削減は行わない。
愛知県では5月25日から学校再開をしているので、約2か月半程度学校が休校していたことになります。
夏休みも短縮し学校の授業を1時間延長するなどの対応で学習の遅れを取り戻すとしています。
自治体としては、現状、学校の遅れを取り戻す動きを進めている中で、学習内容が終わらない前提の試験範囲縮小は望ましくないという判断をしているはずです。
ある意味正しい判断なのですが、本当に学習の遅れを取り戻す算段が立ってのことなのか、どうせ第2波が来るのだからその時に考えようという先送りなのか、難しいところですね。
受験生の準備はいたってシンプルになる
一方で、受験生側は試験範囲縮小がないとどういう対応になるのでしょうか?
結論は学習進度さえ管理すれば、例年通りのきわめてわかりやすい対応になります。
一般的に入試までに必要な対応というのは、
①成績動向に合わせた志望校の検討⇒決定
②学習内容全範囲の学習終了
③過去問等を使った入試問題対策
というのが基本になります。
試験範囲縮小で一番困るのは上記の③のプロセスで、過去問の中に試験範囲外の問題が含まれるために、例年通りの扱いができないということです。
試験範囲が縮小されないとなれば、例年通りのプロセスを時期を圧縮して行うことになるので、やるべきことは明確ですし、教材も準備しやすいということになります。
逆に問題になるのが、②がいつ終わるかということです。
学習の遅れを取り戻すべく計画的に学習をしていると県は言っていますが、実際のところ本当に予定通り学習の遅れを取り戻せるのでしょうか?
個人的には教師の工夫で取り戻すことは可能ではないかと思っていますが、学力の幅が広い公立中学においては、一部の学力層の生徒がついてこられないほどのペースにならざるを得ないとも危惧しています。
多くの学校の先生方は急ぎたくても急ぐと生徒不在になるというジレンマで悩まれると思いますが、予定通り学習の遅れを解消できない学校がそれなりの数出ると考えるのが妥当だと思います。
受験生はどう対応すべきか
試験範囲の学習が終わらないまま、入試本番に突入するのはあまりに無謀です。少なくとも入試当日の3週間前、できれば6週間前には学校内容の学習を終わらせて、過去問をはじめとした総合的な問題(単元横断型の問題)に取り組むべきです。
塾など学校外の学習機会が確保できる場合は、学校のペースを先取りして、1月中には学習範囲が終わるくらいのペースで学習管理をしておくことが重要です。
塾に通うことが困難な場合は、YouTubeなどのコンテンツでよいので、学校の教科書でまだ先生が扱っていない単元の学習を進めておくことが重要です。
学校の先生が扱っていないものの学習は本当にこれで十分理解できたの不安になる部分もあるのですが、教科書の例題の解き方くらいが頭に入っていればまずは大丈夫です。
過去問演習に入ることができる状況さえ作れれば、問題を多数解くことで実力は必ず上がっていきます。
愛知県に限らず、出題範囲の変更がない自治体の方は、学校の学習進度にだけは気を配っておくようにしてください!
各単元の学習というのは、いわば「道具をそろえる」ための学習です。入試問題演習は「道具の使い方を学ぶ」ための学習で、この両者は前後関係がはっきりしています。とにかく、試験範囲が縮小されない以上、全ての単元をできるだけ早く学習完了とすることが必須条件となります。学校に任せきりにせずに対応を進めることが大事です。
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