高校受験や大学受験、義務教育ではないので受けたい人だけが受ければよいという建前になっていますが、世の中的には受験するのが当たり前という風潮がはびこっています。
皆さんの中には、自分の意思とは関係なく受験勉強に「巻き込まれた」人もいると思います。
本当に受験なんて意味があるのでしょうか?
今回は受験の意味を考える前編として、勉強をする目的について考えてみたいと思います。
勉強をする目的とは何か
最初の問いかけは、「なぜ人は勉強をするのか?」「勉強の目的とは何か?」という話です。
この問いの回答は1つとは限りません。人それぞれ学ぶ目的があると思いますが、今回は以下の3つの視点で考えてみましょう。
2.将来やりたいことを実現するための基礎力を身につけたいから
3.新しい知識や考え方を得るのが単純に面白いから
高校受験や大学受験で「いい学校」に入る必要があるから
多くの中高生はこの理由で、与えられた課題として学習に取り組んでいるように見えます。
「明日は国語の授業があるから宿題をやらないと…」「1年後に入試があるから勉強しないと…」といった感じです。
小学校低学年あたりはこれで全く問題ないのですが、中学生くらいになるとこの意識で勉強が進む人と勉強から興味が離れてしまう人に分かれてきます。
理由は、勉強の先にある自分の将来と繋がっている実感がないからです。
自分が将来、どんな方向や職業に進みたいのかが見えている人は問題ありません。そうでない人は「いい学校」とか「どれくらいの成績が必要か」がありませんから、学年が上がるにつれやらされ感が増して苦しむことになります。
結局、自分にとって「いい学校」とは何かを決めないといけません。
例えば、「お互いを刺激して成長させてくれる友人にたくさん出会いたい」とか、「将来なりたい職業に多くの卒業生を出している学校で夢の実現に近づきたい」とか、自分の考えに合致した学校を探すことが重要です。
そんなことを急に言われても困るという人も多いと思います。
そんなときによく言われるのが、「偏差値の高い学校に入っておけばどんな道に進んでも大丈夫」というような話です。
いわゆる「偏差値の高い学校」というのは、どんな方向に行こうとしても最低限の知識は身についているという観点で確かに選択の幅が広いといえます。
IT系やデザイン系、医師や弁護士、俳優やミュージシャン、どこの分野にもいわゆる高学歴の人はいます。
自分の将来の選択の幅を最大限残したいので、「いい学校」に入るために勉強するという理由付けは積極的ではありませんがなくもないといった感じでしょうか。
将来やりたいことを実現するための基礎力をつけたいから
前項の「いい学校」の延長線に位置づけられるのが、「やりたいことを実現するための基礎力を身につける」という理由付けです。
まさお的には、ここをきちんと意識できるかどうかが一番大事だと思っています。
では、「やりたいことを実現するための基礎力」とは何でしょうか?
ポイントは、「基礎学力」ではなく「基礎力」と言っていることです。
単語などの知識を増やすのではなく、必要な結果を得るためにどうすれば良いかを考え、実際に実現する力です。
・自分が決めた目標に対して、行動を起こす力
・期限を決めてやるべきことをやり切る力
・やるべきことがうまくいかないときに別の方法を考える力
・ほしい結果にたどり着くために周囲の助けを借りる力
定期テストや入試はそれができれば人生が安泰になるような魔法の杖ではありません。
第1志望校に合格したのに、その後、学校での生活や友達関係がうまくいかずに中途退学してしまうケースが、将来やりたいことを通っている学校が合わずに方向転換をする人も数多くいます。
志望校の合格はゴールではなくて、通過点の一つにすぎません。
合格の先を見据えなければ合格の意味は半減してしまうということです。
勉強で得られる力は、知識だけではありません。
・試験範囲や出題内容に関する情報を集めり情報収集力
・定期テストまでに必要な試験範囲をきちんと網羅して得点する計画性
・予定通り学習が進まないときに優先順位をつけて対応する力
⇒物事を予定通りに進めていく管理能力が、実は一番鍛えられるのです。
新しい知識や考え方を得るのが単純に面白いから
本来学習に一番のめりこめるのは、この「勉強そのものが単純に楽しい」という理由です。
好きな教科などはこの理由で勉強ができる人もいると思いますが、さらに推し進めて趣味が勉強というレベルまで持っていければ最高です。
例えば、QuizKnockのメンバーの皆さんなどは、勉強そのものの楽しさも少なからず感じてやっている人たちだと思います。
さて、皆さんは新しい知識や考え方を得るのが面白いという経験をどの程度したことがあるでしょうか?
部分的にであれ、単発であれ、そのような感覚を覚える瞬間があればチャンスです。そこをどんどん深掘りしてくことが重要です。
たとえば、
中3で習う「三平方の定理」は証明できますか?
あまりに有名な定理ですが、その証明方法は100通り以上あるといわれています。
図形問題やパズルに興味のある人は、そんな入り口から自分の関心事を極めるというのもありだと思います。
ちなみに、自分は予備校の授業時に、勉強の面白さを感じる瞬間があって、そこからかなり勉強するようになりました。それまでほとんど勉強していなかったので、時間が足りなく大学受験で突き抜けることはできませんでしたが、それ以降、勉強の面白さを中学生や高校生についた得たいと思うようになりました。
前編のまとめ
・勉強をやらされている感覚から抜け出すことが重要
・自分の人生のプラスになる基礎力を身につける期間として小中高の12年間をとらえる
・勉強そのものの楽しさを見出せればベスト
後編では受験そのものの意味について考えていきたいと思います。
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