
中学レベルの古典も、あとは「助詞・助動詞の知識」を一定レベル身につければ、ほぼ完成といってよいでしょう。
あとは、過去問などの実践を繰り返せば、どの学校の入試問題でも合格レベルまでたどり着けるはずです。
今回は、助動詞の知識のうち、基本レベルにあたるものを取り上げます。
高校入試レベルで知っておくとかなり有利になる助動詞は何かを知ることができます。
⇒「ず」「なり」「たり」「けり」「ぬ」「む」の6つが大事
なぜ、この6つの助動詞が大事なのか、その理由がわかります。
⇒入試に出やすく、意味の取り間違いをすると影響が大きいから。
助詞と助動詞の知識がなぜ大事か
助動詞は他の重要古語に比べて出現頻度が圧倒的に高いのが特徴です。
助詞も重要な意味を持つものの頻度が一定レベル高く、知識がないと正しく訳せません。
勉強の基本は「よく出るものからやる」なので、重要古語の知識の拡充となれば助動詞と助詞を避けては通れないのです。
さらにいうと、ここまでにやってきた「係り結びの法則」や「ば」の訳し方などと助動詞はセットで使われることが多く、ここまでの知識をきちんと身につければ入試問題を解くための道具は一通り整ったということになります。

入試問題を解くために最低限していないと勝負にならない知識というのがあります。最近は思考力や表現力を重視する傾向がありますが、思考力・判断力・表現力は知識を組み合わせて作られる力ですので、最低限の知識がなければ勝負になりません。
覚えるべき知識は最低限身につけておくようにしましょう。
覚えておきたい重要な助動詞 6選 ~都立・公立レベル~

今回はその中でも絶対に知っておきたい助動詞を6つだけ取り上げます。
古典で出てくる助動詞は28種類あります。高校生になればそのすべてを頭に入れておく必要があるのですが、中学レベルで差がつく助動詞は以下の6つです。
助動詞の知識の整理のしかた
以下の3つの知識があるとかなり有利です。
①助動詞の意味と訳し方
⇒現代語訳をするときに必要です。
②その助動詞の前に来る言葉の活用形は何形か
⇒今見ている助動詞が何かを判断するときに前の言葉の活用形が目印になります
③その助動詞自体の活用のしかた(特に未然形・連体形・已然形)
⇒未然形・連体形・已然形を知っておくと、係り結びの法則や「ば」の訳し方が正確にできます。
「ず」
① 意味と訳し方
「〜ない」と訳します。意味は「打消し」
②助動詞の前の言葉の活用形
未然形
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)雨、降らず ⇒ 雨が、降らない。
雨降らざれば、行かず。 ⇒ 雨が降らないので、行かない。
※「ざれ」は已然形なので「ざれば」は「已然形+ば」となり、「~ので」と訳します。
なり
①意味と訳し方
「〜だ」「〜である」と訳します。意味は「断定」。
「(場所)にある」と訳すことがあります。意味は「存在」。
②助動詞の前の言葉の活用形
名詞や連体形、副詞や助詞などにもつくことがあります。
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)本日は晴天なり。 ⇒ 本日は晴天である。
春日なる三笠の山 ⇒ 春日にある三笠山
たり
①意味と訳し方
「〜た」と訳します。意味は「完了」。
「~ている」と訳すことがあります。意味は「存続」。
②助動詞の前の言葉の活用形
連用形
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)雨降りたり。 ⇒ 雨が降った。(または、)雨が降っている。
過ぎたるは及ばざるがごとし。
⇒ (度が)過ぎたものは、そこまでいっていないものみたいなものだ。
※やり過ぎてしまうと、やらない方がましになってしまうことがあるという意味。
けり
①意味と訳し方
「〜た」と訳します。意味は「過去」。
「~だなぁ」と訳すことがあります。意味は「詠嘆」。
※「終わりにする」という意味の「けりをつける」は過去の「けり」からきているという説がああります。
②助動詞の前の言葉の活用形
連用形
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)大きなるえのきの木のありければ ⇒ 大きなえのきの木があったので
※「けれ」は已然形なので、「~ので」と訳します。
心なき身にもあはれは知られけり ⇒ 俗世間から離れた身でも趣深さは知られるものだなぁ
ぬ
①意味と訳し方
「〜た」と訳します。意味は「完了」。
また、「強意」という意味で使われることがあります。
※「強意」の訳し方はいろいろありますが、「~であるよ」などと言ったり明確に訳に出てこなかったりします。
②助動詞の前の言葉の活用形
連用形
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)かの人、行きぬ。 ⇒ あの人は、行った。
※「ぬ」の直前が「行き」と連用形(テが続く形)になっていることに注意します。
「行かぬ」と直前が未然形だったら「行かない」と打ち消しになります。
冬来たりなば、春遠からじ。 ⇒ 冬が来たならば、春は遠くないだろう。
※「なば」は「ぬ」の未然形に「ば」がついている形なので「~ならば」と訳します。
む
①意味と訳し方
「〜しよう」と訳します。意味は「意志」。
「〜だろう」と訳します。意味は「推量」。
※古文中に「ん」が出てくる場合は「む」が変形したものなので注意。
現代語では「ん」は「ぬ」が変化したもであるため、間違いやすい!!
※「む」はほかにもいくつか意味がありますが、まずは意志と推量を覚えておきましょう。
②助動詞の前の言葉の活用形
未然形
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)我、出かけん。 ⇒ 私は出かけよう。
今こそ、別れめ。 ⇒ 今は、別れよう。
※「こそ」が文中にあるので、已然形なっています(係り結びの法則)。

一気にたくさんの助動詞を並べましたので、ちょっと量が多くて難しいかもしれません。
知識は使いながら定着させるのが重要なので、例文をきちんと使って覚えるようにしましょう。
実はここまでで公立・都立はトップ校まで含めてほぼ対応可能なレベルですよ!
Level2は開成や早慶附属校といった最難関レベルになります。
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