最近取り沙汰されている、緊急事態宣言とロックダウンという言葉。言葉が一人歩きを始めると尾ひれなどがついて本当の姿が見えづらなりますね。
今回は「緊急事態宣言が出るとどうなるのか」を考えてみます。
世の中には、「生きた教材」ともいうべき、様々な問題やそれに対する対応方法があふれています。
新型コロナウイルスへの対応は、これに近い前例がなかったこともあり、物事の判断基準を学ぶには大変よい題材ということもできます。
「ロックダウン」という言葉の意味
最初に「ロックダウン」について確認しましょう。
欧米では外出禁止が進み、外出時には許可証が必要だったり、違反をすると高額な罰金が科されたりといった状況になっています。
「ロックダウン」というと日本もあんな感じになるのかと想像するかもしれません。
実際どうなるのかを予測するにはどうすればよいでしょうか。
調べ物は原本にあたるのが基本ですから、まずは根拠となる「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(以下、特措法)を確認しましょう。
2020年3月の国会ではこの新型インフルエンザ等対策特別措置法に、新型コロナウイルスも含めるという改正を行いました。
特措法では、第45条で外出自粛の「要請」はできますが、強制力はありません。
【第45条】「都道府県知事は、(略)生活の維持に必要な場合を除き、みだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないこと、その他の感染の防止に必要な協力を要請することができる」
しかし、それ以上の強制力や罰則はありません。法律に基づいて要請しているのだから、「協力」せよというスタンスです。
日本人はこういうルールを守ることに従順なところがあるので、一定レベル広がると思います。
一方で、小池知事がノリで口にしてしまった「ロックダウン」という単語から想像される世の中とは随分違うということもわかりますね。
結論としては、日本のロックダウンは該当地域の人々の自己判断の積み重ねによってできる、モラルによるロックダウンということになります。
実際に出される要請や指示の内容
都道府県知事は緊急事態宣言が出された後は、各自治体の状況に応じて、以下のような要請や指示が出せます。
(1)住民の外出自粛要請
(2)休校などの要請・指示
(3)大規模施設の使用制限の要請・指示、イベントの開催制限や中止の要請・指示
(4)臨時の医療施設設置で土地や家屋を使用、医薬品などの売り渡しの要請・収用
(1)はすでに話題にした通り、法的背景に基づく要請を住民が守ってくっるだろうという期待に基づくものです。
おそらく多くの住民はこれに従うと思いますが、一部の人の行動に対するバッシング等もあるかもしれません。
世の中には止むを得ず外出している人も多数いるわけなので、その人たちをバッシングするような動きは絶対にあってはならないと思います。
(2)は要請のほかに「指示」とあるところが違うのですが、この指示も強制力があるわけではありません。
公立学校は当然この動きに乗るわけですが、私立学校もこの指示に従うはずです。
(3)は政令で定められた多数のものが利用する施設が該当します。具体的には以下のとおりです。
劇場、映画館、演芸場、展示場、百貨店、スーパーマーケット、ホテル、旅館、体育館、ボーリング場、博物館、美術館、図書館、キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、理髪店、質屋、自動車教習所、学習塾など。
スーパーマーケットは生活必需品を除きます。
これらの施設が使えなくなれば、必然的に人は集まりづらくなると思います。
(4)のイベントは要請・指示となっていますが、従わざるを得ないという感じになるでしょう。
イベントが実施されなくなれば、集まる人は確かに減ると思います。
まとめ
都道府県単位で各知事が具体的な要請や指示を出しますが、出された地域では、
・住民の外出は必要最低限まで減る。
・学校や大規模施設はほとんど稼働しない
・イベントもほぼ行われない
ということです。
生きる上で必要な「彩り」がなくなっていく感じになりますね。
人が外出するのは買い物や医者への通院など限られたものになり、街を歩く人の数は欧米ほどではないにせよ、減ると思われます。
正しい情報ををもとに正しく判断することが大事です。言葉の雰囲気だけに踊らされることなく、どういうことかを自分で調べて考える習慣をつけましょう!
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