こんにちは!まさおです。
緊急事態宣言が解除され、多くの学校は6月から再開を果たしました。しかし、学校の再開状況を細かく見ていくと、多くの学校が分散登校など制限のある中での再会となっており、まだまだ学校の完全再開までは時間がかかりそうです。
今回は、「学校再開状況とそこから見える問題点」について取り上げてみます。
小・中・高の学校再開の割合と再開時の対応
文部科学省が6月1日現在の小・中・高それぞれの学校再開状況を公表しています。
https://www.mext.go.jp/content/20200603-mxt_kouhou01-000004520_4.pdf
全体の学校再開状況
上記の文部科学省の資料から抜粋すると、以下のような状況です。
上記を見るとわかる通り、学校の再開自体は98%まで回復しています。
ただし、東京都の私立が未回答との注釈がついている通り、東京都が加わると私立はもう少し率が下がるかもしれません。
東京の私立中高は広域から満員電車に揺られて通う生徒が多いため、電車通学のリスク回避の目的から休校継続や全面オンライン化という状況も考えられると思います。
再開した公立学校での指導内容の実態
ほとんどの学校が授業を再開していますが、実際再開した学校ではどのような授業が行われているのでしょうか?
文部科学省の資料に以下のような表が載っています。
この表からわかるのは、公立の小中で全面再開している学校は約55%程度。短縮授業や分散登校で一部のみ登校しているところが45%程度ということになります。
短縮授業や分散登校では実際の授業時間数よりかなり削られた状態での指導になっているはずです。
学校の役割は勉強を教えるだけでなく、子どもたちの精神的・肉体的成長を健全に導いてもらうというところもありますから、授業時間の確保が必要以上に強調されるべきではありませんが、45%程度の学校は後れのペースは鈍ったもののやはり授業進度が予定より遅くなる傾向にあることは間違いありません。
大学での授業実施状況
文部科学省は大学の授業実施状況についても以下の資料で公表しています。
https://www.mext.go.jp/content/20200605-mxt_kouhou01-000004520_6.pdf
6月1日段階で授業を中断している大学は対象1069大学中、わずかに3大学のみということで、ほぼすべての大学が授業再開を果たしています。
対面授業(面接授業)の実施状況
ほぼすべての大学が授業を再開している一方で、大学に学生が集まってリアルの場で授業をする対面授業(文科省は資料中で「面接授業」という表現を使っています)の実施割合は以下のような状況です。
ここからわかることは約6割の大学はすべての授業を「遠隔授業」として実施しているということです。大学を通学のみで預かっている大学はわずか1割のみという状況です。
小中高以上に学生の行動範囲が広く、ひとたび感染が確認されると一気に広がる大学は、簡単に授業再開とはしづらい状況のようです。
対面授業再開予定はいつ頃?
各大学が遠隔授業をやめ、全学生をキャンパスに呼んで授業を行うのはいつごろを予定しているかという質問には、以下のような結果が出ていました。
6月中に授業を再開する大学が約半数、いまだ結論が出せていない大学も23%に上っています。現実的には、結論を出すだけの材料がそろっていないというのが正しいと思います。
中途半端に大学を再開させて、感染拡大のニュースがマスコミから流れるような状況になれば、翌年の入試への影響も大きいため、感染リスクの軽減と他の大学の対応状況を見ているところも多いと思われます。
授業の再開はゴールではない
ここまでの状況を見て、どのように感じるでしょうか?
多くの学校は学校再開に向けて様々な努力をして何とか再開にこぎつけています。
一方で、再開だけでよいのかという問題もあります。
分散登校や短縮授業では、学習進度に追いつくどころかますます当初の予定から遅れていく状況です。大学のオンライン授業もこれまでの対面と同等の指導密度になっているとも思えません。
どちらもこのままでよいというレベルではないということです。
特に小中高は次の入試に向けて、学習の密度を下げるわけにいかないわけですから、学校だけで学習内容が十分でないならば、塾や予備校などを併用して、学習の量と質を確保する努力をしなければなりません。
学校頼みでは厳しい現実が継続していると捉えるべきです。
もう一つの問題点は、子どもたちの生活の変化に伴うストレスへの配慮です。授業再開、夏休み短縮、土曜日も学校など後れを取り戻すことにだけ注力すれば、子どもたちも疲弊します。
家にいる時間をどう使うかを真剣に考えていく必要があります。
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