【本当に必要?】文部科学省の修学旅行への配慮のお願いとは?

教育に関する政策
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです!
文部科学省は、10/2、全国の小・中・高校の設置者宛に修学旅行実施に対して配慮をお願いする文書を通知しています。
今回のコロナ禍において、果たして修学旅行を実施する意義はどこにあるのでしょうか。
今回は「文部科学省の修学旅行実施への配慮のお願い」について考えます。

文科省の修学旅行実施への配慮のお願いの要点

修学旅行の教育的意義や生徒の心情への配慮から実施を検討してほしい
修学旅行は学校教育の重要イベントなので安易に中止するなという趣旨
実施に際してはGoToトラベルや全国の国立青少年教育施設の活用も提案
⇒ホテルなどの宿泊施設の確保が難しい場合も改めて検討をしてほしいという趣旨
「修学旅行の教育的意義」とは何なのか?改めて考える機会では?

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文部科学省からのお願いの内容

最初に文部科学省はどのようなお願いをしているのでしょうか?
該当文書は以下のリンクから確認が可能です。

https://www.mext.go.jp/content/20201002-mxt_kouhou01-000004520_2.pdf

・当面の実施を取りやめる場合も、延期としたり、すでに取りやめた場合も改めて実施の検討をしてほしい
・延期扱いとする場合は、年度末の3月末日までの実施を検討してほしい
・当初の計画通りの実施が難しい場合は、近距離での実施や日程短縮による治氏を検討してほしい

上記お願いの背景は、「修学旅行等の教育的意義や児童生徒の心情等の考慮」となっています。

簡単に言うと、「生徒は楽しみにしているのだから、何とか実施の方向で進めてほしい。修学旅行の実施は学校教育において重要なイベントですよ。」というようなことなのだと思います。

まさお
まさお

現在のコロナ禍において、学校単位の修学旅行の実施の「教育的意義」を本当に満たす旅行が企画できるかはなかなか難しいのではないかと思います。
感染リスクと企画の実現可能性と生徒の心情への配慮のバランスをとれればすばらしいのですが、簡単ではないと思います。

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修学旅行の教育的意義とは何か

そもそも「修学旅行」は何のためにやっているのでしょうか。最初に原点に返って確認をし、その上で現在文部科学省が検討を依頼している背景を改めて考えてみたいと思います。

文部科学省の通達から見る修学旅行の目的

昭和63年の文部科学省の通達の中に修学旅行の目的についての言及があります。

修学旅行は、平素と異なる生活環境の中にあって見聞を広げ、集団生活のきまりを守り、公衆道徳について望ましい体験を得ることなどを目的とする意義ある教育活動である

学校から離れて集団行動を行いつつ見聞を広げるというのが主たる意義のようです。

歴史的経緯から見る修学旅行の目的

もともと修学旅行は、国内旅行や家族旅行がまだ一般的でなかった時代に社会経験を積ませる機会としてスタートした経緯があります。
一方で、現代のように交通機関やマスメディアの発達や観光情報誌の充実、家族旅行の一般化などで、修学旅行の行き先にすでに行ったことのある生徒も増えてきており、当初の修学旅行の目的は完全形骸化しているという指摘もあります。

まさお
まさお

上記の目的に照らすと、今の時代に本当に修学旅行を実施する必要があるのかはちょっと疑問がわいてきますね。
むしろ友達との懇親を深める「親睦旅行」の方が正しいのかもしれません

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今回の修学旅行実施検討依頼の背景

このように、まじめに目的から照らして考えると、コロナ禍において感染リスクを推してまで実施する必要があるのか疑問がわいてきてしまうのですが、文部科学省のこの依頼にはもう少し深い背景があるようにも見えます。
そのあたりも少し触れておきたいと思います。

コロナ禍における児童生徒のストレスへの配慮

検討のお願い文書にも記載されていましたが、学校行事の相次ぐ中止は夏休みの短縮など、児童生徒は今回のコロナでかなりダメージを受けているはずです。
生徒の心情に配慮をすると、やはり楽しみにしていた学校行事をやること自体が重要だという背景は当然あるはずです。

「修学旅行」本来の目的よりも、生徒との約束を果たすという意味で予定されていた修学旅行をきちんとやりましょうということです。
これはある意味理解できる部分もあるので、前向きに検討すべきと思います。

修学旅行中止でダメージを受けている旅行業界への配慮

これは文部科学省も名言はできないところだと思いますが、Go To トラベル事業も含め、緊急事態宣言以降の旅行業のダメージ回復のために、学校の修学旅行が果たす役割は大きいと思われます。

一部中止としていた修学旅行が復活するだけでも動く人数が多いので、経済効果はそれなりにあると思います。

まさお
まさお

一方で、新型コロナはなくなったわけでも薬ができたわけでもないので、多くの児童生徒を感染リスクにさらしかねない旅行の企画には慎重にならざるを得ないと思われます。

修学旅行の実施目的は改めて見直すべき

今回のコロナ騒動でいったん中止となった修学旅行を見直すことは意味があることだと思いますが、そもそも修学旅行を本当に実施すべきかは冷静に検討をした方がよいと思います。

修学旅行でなければできない教育内容を現代風にアレンジして改めて定義し、それに合ったプランを正しく検討すれば継続の意義はあると思いますが、なんとなく京都・奈良へ行くというのもなかなか微妙だと思います。

今回のコロナ騒動を改善のきっかけにできれば素晴らしいと思います。


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