文学史国語の学習

国文学史を学ぶ意味とは?① ~文学作品で時代がわかる~

文学史
まさお
まさお

こんばんは。まさおです。
国語の学習の中に「文学史」という分野があります。端的には各時代の代表的な文学作品とその作者を暗記する単元です。
文学史を学ぶ(というか、暗記する)ことにはどのような意味があるのでしょうか?

今回は「文学史を学ぶ意味とは?」というテーマを取り上げます。

文学史を学ぶ意味とは?

◆文学作品と作者を覚えるだけでは意味がない
⇒その文学作品がどのような内容化を少し知るとその時代の特徴が分かってくる
◆文学作品を教養として理解すると幅が広がる
⇒各時代のものの考え方を知っておくと、自分のものの考え方の幅を広げられる
※文学史の外観は知っておくべき。興味のある作品は内容だけで把握しておくべき。

文学史とは何を学ぶものなのか

文学史とは何を学ぶものなのでしょうか?
よくある文学史のチェックテストなどでは、「作品名」「作者」「時代」がセットで問われます。

例えば、
奈良時代の代表的文学作品
・万葉集…大伴家持(おおとものやかもち)
・古事記…太安万侶(おおのやすまろ)
・日本書記…舎人親王(とねりしんのう)

などということになるのですが、これを機械的に覚えるだけではあまり意味はありません

奈良時代の万葉集は約4500首の歌が収められた最古の和歌集で、身分の高い低いを問わず多くの歌が収録されています。その中には庶民の生活の苦しさを読みとれるものがあったり、家族を大切に思う作者の心情が読み取れたりと現代人の完成に通じるような様々歌が収録されていることが特徴です。

上記程度のことまでがわかってくると、成立した今から1300年ほど前の時代がどのようなものかが見えてきます。
つまり、文学史というのは文学の歴史というだけではなく、文学という人の生き方や作者の信条を反映させた作品を歴史と紐づけることで、その時代時代の人々のものの考え方や感じ方などを見ることができるのが特徴です。

その意味では機械的に作品名と作者名をセットにして覚えるというだけでは、ちょっと物足りないと言えるでしょう。

文学史の知識が深まることは教養を深めることにつながる

最近、教養という言葉が再び注目されています。教養とはその人の、人間としての幅を決めるような知識の集積です。
各時代の代表的な文学作品がどのような思想的な背景で書かれているかを知ることは、その時代を正しく理解することにつながるだけでなく、その人の思考の引き出しの数を増やすことにもつながります

文学作品の中にある考え方を思考のひな型、テンプレートのように持っておくことが重要だということです。

各時代の代表的な作品を覚えてみよう

では各時代の代表的な文学作品を紹介します。長くなるので、今回は江戸時代までにします。

奈良時代

古事記】…… 七一二年成立。現存する最古の歴史書。筆記したのは太安万侶(おおのやすまろ)。
日本書紀】…… 七二〇年成立。日本初の公の歴史書。著したのは舎人親王(とねりしんのう)。
万葉集】…… 現存する最古の和歌集。全二〇巻、約四五〇〇首からなる。編者は大伴家持(おおとものやかもち)。男性的な歌風を特徴とし、「ますらをぶり」といわれる。五七調の歌が多い。代表的な歌人として柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)、山上憶良(やまのうえのおくら)、額田王(ぬかたのおおきみ)、山部赤人(やまべのあかひと)らがいる。

平安時代

古今和歌集】…… 第一勅撰和歌集(天皇の命令によって作られた歌集)。編者は、紀貫之(きのつらゆき)。優美で女性的な歌が特徴で「たをやめぶり」といわれる。七五調の歌が多い。代表的な歌人として、小野小町(おののこまち)、在原業平(ありわらのなりひら)ら、六歌仙がいる。
竹取物語】…… 現存する最古の物語。作者は未詳。かぐや姫の物語。
伊勢物語】…… 歌物語。作者は未詳。「昔、男ありけり。」で始まるのが特徴。モデルは在原業平といわれている。
土佐日記】…… ひらがなで書かれた最初の日記。作者は紀貫之。
蜻蛉日記(かげろうにっき)】…… 筆者は藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは)。女流日記では日本最古のものと言われる。
枕草子】…… 平安時代を代表する随筆で、三大随筆の一つ。作者は清少納言。
源氏物語】…… 作者は紫式部。平安時代の物語文学の最高傑作。世界中で翻訳され、高い評価を受けている、全五十四帖(じょう)からなる長編。主人公は光源氏。最後の十帖は特に宇治十帖と呼ばれ、光源氏の死後、薫の君を中心に描かれる。
更級日記(さらしなにっき)】…… 女流日記。作者は菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)。
今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)】…… ジャンルは説話集。インド(天竺)・中国(震胆
)日本(本朝)の昔話を描く。本文は「今は昔」で始まるという特徴を持つ。編者は未詳。後に芥川龍之介が今昔物語集から題材をとり、「羅生門」等を書いた。
山家集(さんかしゅう)】…… 旅をこよなく愛した西行法師の私家集(個人的に作った歌集)。後に松尾芭蕉は西行法師の生き方にあこがれた。

鎌倉・室町時代

新古今和歌集】…… 第八勅撰和歌集。編者は藤原定家(ふじわらのていか)ら。その歌風は繊細で女性的、幽玄といわれる。代表歌人に西行法師など。万葉集・古今和歌集とならび、三大歌集といわれる。
方丈記 】 ……鴨長明(かものちょうめい)の書いた随筆。枕草子・徒然草とならび、三大随筆といわれる。地震や大火事などの大事件を取り上げ、仏教的な無常観を漂わせる。
金槐和歌集(きんかいわかしゅう)】…… 鎌倉幕府の三代将軍源実朝(みなもとのさねとも)が著した。歌風は男性的で力強い。後に正岡子規が絶賛した。
平家物語】…… 源氏と平家の騒乱を描いた代表的な軍記物。琵琶法師が語った。仏教的無常観が流れる。
宇治拾遺物語(うじしゅうい)】…… 今昔物語集の続編的な位置づけとして作られた説話集。作者は未詳。
古今著聞集(ここんちょもんじゅう)】 …… 鎌倉時代の説話集。作者は橘成季(たちばなのなりすえ)。
小倉百人一首】…… 和歌百首。編者は藤原定家。今日カルタとしてつかわれる。
徒然草】 …… 吉田兼好の書いた随筆。序のほか二四三段からなる。作者独特の無常観が見える。三大随筆の一つ。
太平記】 …… 南北朝の騒乱を描く軍記物。
風姿花伝(ふうしかでん)】…… 能楽書。作者は世阿弥(ぜあみ)。

江戸時代

江戸時代以降は一人の作者が複数の作品を書くことが増えるので、人を見出し語にして覚えるようにしましょう。

井原西鶴(いはらさいかく)】…… 大阪町人の生まれ。代表作は、日本永代蔵(にほんえいだいぐら)や世間胸算用(せけんむねさんよう)など。
松尾芭蕉】…… 日本各地を旅して数多くの紀行文を残した。代表作は奥の細道、野ざらし紀行など。その弟子は多く、主だった十人を蕉門(しょうもん)の十哲(じってつ)という。
近松門左衛門】…… 武士の出。後に浄瑠璃の作者となった。代表作は、国姓爺合戦(こくせんやかっせん)や曽根崎心中(そねざきしんじゅう)などのいわゆる心中もの。当時江戸では心中物の人気が高
く、実際心中がはやった。
与謝蕪村】…… 江戸時代の俳人。画家でもあった。句集新花摘(しんはなつみ)。
上田秋成(うえだあきなり)】…… 初期の読本(よみほん)の作者。代表作は雨月物語(うげつものがたり)。
本居宣長】…… 国学者。古事記伝などを著し、古典の研究など、国学の体系づくりにあたった。また随筆、玉勝間(たまかつま)も残している。
新井白石】…… 自伝折たく柴の記。
十返舎一九(じっぺんしゃいっく)】…… 滑稽本(こっけいぼん)の作者。代表作に弥次郎兵衛と喜多八の旅を描いた東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)ある。
滝沢馬琴(たきざわばきん)】…… 読本の作者。水滸伝(すいこでん)をもとにしたといわれている
南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)は特に有名。
式亭三馬(しきていさんば)】…… 滑稽本の作者。代表作に浮世風呂。
小林一茶】…… 江戸時代後期の俳人。弱者への同情を込めた俳句が多い。代表的な句集としておらが春。

まさお
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明治時代以降の作品は次回に回します。
奈良から江戸までの代表的な作家とその作品をセットにして覚えておきましょう。


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