大学入試に公平性をいつまで求めるのか? ~入試の自縄自縛~

大学入試
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
緊急事態宣言の対象地域が増えていく中、いよいよ初めての「大学入学共通テスト」が実施されます。受験する方には万全の体制で力を出し切ってほしいと思います。一方で、このような入試制度をこれからもずっと続けていくのかという疑問も常に付きまといます。

今回は「大学入試に公平性をいつまで求めるのか?」というテーマです。

大学入試に公平性は必要か?

◆日本の入試は公平性を重視するがゆえに形式を変えられない
⇒オンライン授業の展開の中で入学定員については厳格化する必要がなくなるのでは?
⇒入学試験をもう少し緩くして、進級時・卒業時のハードルを上げた方が合理的では?
◆大学は社会に出て役立つスキルを学生に教えるべき
⇒純粋に学問を教えているだけでは国際競争に勝てない
⇒大学で学生を磨くようにして、入り口のふるいは緩くした方が人材が育つのでは?

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日本の入試制度は「公平性」重視で硬直化している

日本の入試制度は「公平性」を非常に重視しています。共通テストで導入予定だった記述問題も短期間で採点が難しいことと合わせて、採点基準を合わせられないという理由から見送られました。

医学部の女子学生が不当に点数を下げられていた問題も、入試制度として公平でないことで大問題に発展しました(もちろんこれはあってはならないことなのですが)。

一方で、「公平性」を担保しようとすれば、できることはおのずと限られてきます。特に共通テストのような多くの受験生に対して、現在の学力を一斉に測ろうとするテストにおいては採点のスピードも求められるわけで、どうしたも択一式のマーク使途が一番相性が良いということになります。

経済界は今の大学は使える社会人を育てていないなどと言っています。経産省から文部科学省へのルートで様々な教育改革への圧力もかかっています。そんな中で「思考力・判断力・表現力」が問われる入試への変貌を求められているのに、「公平性」が壁になって進みたい道に進めないという結果に陥っているわけです。

専門家の中には技術的に対応可能であるという方もいらっしゃるのですが、「世論」はそんな先端技術のことは理解できませんから、印象論で「それは難しい」「公平性が守れない」というような話になってしまいます

まさお
まさお

大前提を「公平性」に置いている限り、この議論は袋小路から出られないと思います。本当に入試制度を変えたいのであれば、世論形成も含めて、「公平性」の呪縛から解き放たれるような道筋を作っていかなければなりません

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コロナ禍によるオンライン授業で定員の意味が薄れた

大学の授業ですが、コロナ禍で多くの授業がオンラインになっています。文部科学省は対面型の授業の割合を増やすように大学に求めていますが、大学側はクラスターを発生させた場合のバッシングも怖いですし、何より学生の健康を守りたいということからオンライン授業が一定数まだ残っています

オンライン授業で先生の授業を聞くのであれば、ある程度の定員の枠を外して多くの学生に聴講させることが可能だと思います。
その意味においては、大学の定員に対する考え方を少し変えられる状況が出てきているのではないでしょうか。

まさお
まさお

入学定員厳格化は入学した学生がほぼ卒業できる前提で議論されています。これからの国際競争を見据えると真に実力をつけた学生だけが卒業できる方が他国とも状況が似通って来て良いのではないかと思います。

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入試も多様化して「公平性」もすでに崩れているのでは?

日本の大学は「公平な」入学試験を経て一定の学力を備えた学生を迎える体制が基本になっていますが、入学者の半数はすでに総合選抜型(旧AO)や学校推薦型など一般型選抜の学力試験と関係ないルートで入ってきています。

少し広い視野で見ればすでに「公平」と言える状況ではないということです。

また、日本の大学のもう一つの特徴として「進級や卒業のハードルが低く、テスト前に友だちのノートをコピーして、何も頭に入っていないまま単位を取得して卒業できる」ということがあります。すべての大学・学部がこうとは言いませんが、そういう状況の大学も残っているやに聞いています。

つまり今の大学は、入学ルートも複線化し、大学入学後はあまり真剣に勉強しなくても進級や卒業できるとこもあって、せっかく一般選抜の入試を厳格にやっても入学後の指導にあまり生かされていないという状況なのです。

希望者が学費を払えば大学に入れるように

上記のような経緯から、今後議論を深めていくべきは入試の「公平性」を放棄して、もっと緩く入学者を広くとって、真剣に学習をして実力をつけたものを卒業させる体制への移行を検討すべきと思います。

大学入学共通テストのような試験を辞めてしまって、応募時の小論文と面接で本人が論文を書いたかどうかがをチェックして、内容が妥当であれば入学を認めるくらいの流れがちょうどよいように思います。

まさお
まさお

文科省もこれからの大学入試のあり方を検討しているのでしょうが、従来の入試形式の延長で物事を考えるべきかから冷静に議論をした方がよいと思います。10年後には新しい入試形態への移行が必要にあってくると思います。

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