こんにちは。まさおです。
3/5、信州大学は2/25に実施された教育学部の前期日程において出題ミスがあったことを発表しました。ミスは全部で4科目にわたる5カ所でした。
今回のテーマは「信州大学教育学部の出題ミス」です。
まずは出題ミスの内容を確認
まずは信州大学の出題ミスに関するリリースを確認しましょう。以下のWebサイトで確認が可能です。
詳細は上記ページ内になるPDFファイルに記載されています。
1.国語
大問二 本文 誤:「3週聞前」 正:「3週間前」
大問四 本文 【参考資料】 誤:「阿部 仲麻呂」 正:「阿倍 仲麻呂」
OCRソフトで問題をデータ化しているのか、あまりに初歩的なミスですね。学生が同じミスをしたらめっちゃ怒られそう…(汗)
2.地理歴史(日本史B)
問題2 誤:「官吏」 正:「管理」
ワープロソフトの変換ミスと思われます。普段から「官吏」という単語をよく使うパソコンだったのでしょうか? 校正時に気づいてほしいレベル。
3.地理歴史(地理B)
ミスの内容:図の誤り
問題3 A. 図3-2が不正確であった。
これは現物を見ていないので何とも言えませんが、受験生が判断を誤るような不正確さということだと思います。
4.公民(倫理)
問題5 誤:「門答法」 正:「問答法」
これもOCRソフトなのか、「問答」を「門答」と間違える方が難しいと思ってしまいますね…。
上記1.~4.のうち、3.のみ全員に得点を与える措置を取ったとのことでした。
出題ミスは試験実施中に訂正を入れるのが望ましい
出題ミスの最大の問題点は、受験生の試験時間の使い方を大きく変えてしまう可能性があることです。誰が見ても一目してわかるミスはまだ救いがあるのですが、表記のミスや図の間違いで受験生が引っ掛かった場合、他の問題に割くべき時間をここに費やしてしまう可能性があります。
それで実力が発揮できなかったとなると当該問題の得点を与えるといった対応だけでは本当は取り返しがつかないといわざるを得ません。
せめて試験中に誤りについて説明をするなどの対応をして、受験生に無用な混乱を与えないようにすることが望ましいと思います。
出題ミスにもレベルがある
今回発表された出題ミスの大半はいわゆる「誤字」の類です。これはミスの中では一番レベルが低く、本来あってはならないレベルのミスだと思います。
コロナ禍で人員体制やチェック体制が手薄の状況とは言え、国立大学が入学試験でこれだけの凡ミスともいえるような間違いを複数出すということ自体が作問体制の限界を示唆しているようにも見えてしまいます。
信州大学は一昨年も後期日程で出題ミス
実は今回話題にした信州大学は一昨年の入試でも化学で出題ミスがありました。
前年度のミスを受けて、今年は一定のチェック体制を意識していたはずですが、コロナ禍であり一部の学部が二次試験を中止するなどの動きの中で、チェック体制がどうしても脆弱にならざるを得なかったと考えるのが正しい見方だと思います。
出題ミスはなくならない
国立大学も独立行政法人化されて、大学独自の体制を組まざるを得なくなったとかいろいろ背景があるとは思いますが、受験生が影響を受けて合否が変わってしまう可能性がある以上、一定レベルの問題の質の担保ができないならばこの仕組みを継続するのは難しいように思います。
このままいくと一部の資金が潤沢な大学以外は、共通テストをベースにした合否判定に寄せていった方がよいという議論にもなりかねないと思います。
今は入試問題がすぐにネット上で拡散をして多くの有識者が問題をチェックする時代になりました。過去のようになんとなくお詫びでは済まずに、ネット上に何年もミスが残り続けるという状況でもあります。
そんな中でどれだけの労力をかけて厳密な作問や採点を維持するのかという議論がそろそろ盛り上がってくるはずです。
入試そのものの正確性や公正性をもう少し緩くして、入学試験よりも入学以降の学業成績のチェックにエネルギーを割く体制にした方が生産的だと思います。
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