こんにちは。まさおです。
2021年度の国立大学入試で早い段階から個別試験の実施を中止としたのが横浜国立大学でした。結果的に志願者は半減し、理工学部は3月26日に80名もの2次募集を行うという異例の事態となりました。理由はどんなところにあるのでしょうか?
今回のテーマは「個別試験中止で志願者半減の横浜国大の入試を考える」です。
横浜国大理工学部長がEduAのインタビューで経緯説明
横浜国大の入試について理工学部長にEduAがインタビューした記事が出ています。
EduAは「後期合格者の多くが入学せず」という見出しで合格者が入学しなかったことにフォーカスしていますが、そもそも受験者も前年の半減という状況でした。
後期試験の合格者…326名(+追加合格26名)
後期試験の入学者…156名
結果170名が合格をしても入学をしませんでした。
その後3月26日に80名の2次募集を発表しました。
2次募集の志願者…1357名
2次募集の合格者…101名
2次募集の入学者…93名
これで何とか入学者数を充足っさせたという状況でした。
コロナ禍の受験生の安全を考えて2次試験をやらないという判断は、ある意味正しいようにも見えますが、結果的に受験生は離れてしまいました。
いったいどのような背景なのでしょうか?
他の大学が追随できなかったことが要因の1つ
今回の横浜国大の判断は少し早すぎたようです。
結果的に他の大学は追随せず、文科省も共通テストは予定通り実施するとの判断をしました。
私大の個別入試も地方入試などの中止はありましたが、本丸に当たるような主要な試験はほぼ予定通り実施されました。
結果的に横浜国大だけが個別試験を回避した大学というような見え方になってしまいました。
横浜国大が判断を下した7月31日はまさに第2波の真っただ中でした。
入試がどうなるか誰もが不透明な未来に不安を募らせていたときの横浜国大の2次試験中止の決断は腰が引けて様子見を決め込んでいる他の大学に対して、ある意味英断と思える判断だったと思います。
もう少し他の大学の動きを見て決断ができればよかったのかもしれません。
共通テストには数学Ⅲがない!
もう1つの要因は特に理工学部を直撃したと思います。
それは、共通テストには「数学Ⅲ」がないということです。
理工学部は2次試験を中止し、全てを共通テストの結果で判断すると発表しました。
ところが理系数学は数学Ⅲこそが重要なわけで、数学Ⅲのない理工学部の入試というのは受験生としても勝負に行く場所ではないような印象を与えたと思います。
それでも、横浜が地元の受験生などは出願をしたと思われますが、地方から出てきて受験を検討する層などは数学Ⅲの試験がある大学を優先的に検討したと思われます。
また、後期募集の入学辞退者が多かったのも、「共通テストだけで判断される横浜国大にでも出願しておこう」というような冷やかし的な出願が一定数あったと思われます。
いざ、合格通知をもらってしまうと、はたして横浜国大にそのまま入学したものか、浪人して再度第1志望の大学に再チャレンジすべきかで迷い、結果浪人を選択した層もそこそこいたと思います。
一方で、2次募集はすでに国立の後期までの結果が出た後ですから、本当に切羽詰まった受験生が最後のチャンスで浪人回避に動いた可能性が高く、1300名を超える志願者を集めたのだと思います。
受験生も人間なので、周囲の受検生の動向など感情的な要素が多く入って動いていると思います。特に「数学Ⅲ」のない理系入試は受験生側にも戸惑いを与えたのは間違いないと思います。「数学Ⅲ」1教科の入試をやったらいっぱい受験生が来たのかもしれません。
いずれにせよ、コロナ禍での受験生への配慮が裏目に出てしまったということだと思います。
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