こんにちは。まさおです。
大阪市は松井市長の号令一下で緊急事態宣言と同時にオンライン授業の展開をするという話になっていました。ところが様々な報道を見ると、どうもオンライン授業はそれほど実施できなかったようです。いったいなぜなのでしょう?
今回のテーマは「大阪市のオンライン授業が骨抜きになった理由」です。
大阪市のオンライン授業の顛末
大阪市のオンライン授業は、今回の緊急事態宣言に合わせて松井市長の号令の下でスタートしました。
号令が先行してしまったからだと思いますが、自宅でオンラインで授業をした後、一斉に投稿してみんなで給食を食べるという少しちぐはぐな運用が注目されていました。
僕のブログでもそのあたりのちぐはぐさを取り上げましたが、実態はもう少し厳しかったようです。
この記事を見ると以下のような状況があったことがわかります。
・全小中学校で一斉に双方向オンライン授業をやれるだけの回線がなかった
・オンライン授業のできる時間帯を地域ごとに割り振ることに
・小学校で割り当てられたのは週1日40分だけ
という状況だったようです。
週1日40分だけしかオンラインができなかったとなると、その準備のコストの方がよほど大きく、やはり企画倒れだったと言わざるを得ません。
双方向オンライン授業用に学校のネットワークを設計するはずはないので、ある意味道理かもしれませんが…。
420校が使えるネットワークの帯域とはどれくらいか
420の小中学校が一斉に双方向のオンライン授業を行うにはどれくらいのネットワーク帯域が必要なのでしょうか?
大阪市がどのようなネットワーク回線の設計をしているか分からないのですが、おそらく各学校の回線を市の主要な回線に集約していると思います。
そうすると、各学校が使用する帯域の合計が市の中央の回線に一気に集まってくるため、かなりの負荷が想像されます。
仮に、1クラスの授業で2Mbpsの帯域が必要だったとして、
・小学校…1学年4クラス×6学年=24クラス
・中学校…1学年5クラス×3学年=15クラス
小学校:中学校の比率が6:4だったと想定すると、
「420×0.6×24+420×0.6×15」が稼働しているクラスになります。
8,568クラス稼働していることになります。
各クラスが2Mbpsの帯域を必要としていると、
8,568×2=17,136Mbpsを安定稼働させる必要があります。
17.1Gbpsということです。
今盛んにやっているNuro光が2Gbpsがマックスでベストエフォート(その時提供できる最大速度でサービスを行う)というものです。
業務用の回線である必要があるでしょうから、2Gbpsの専用線を9本引けば理論上行けるということになります。
もちろんオンライン授業以外にもネットワークを使った公務が走っているでしょうから、もう少し余裕が必要なのだと思います。
いずれにせよ、ネットワーク帯域の計算と設計が一斉オンライン授業には必要ということになります。
松井市長の号令はやむを得ないが、誰か止めないと…。
松井市長はそんなネットワークの知識があるはずもないでしょうから、GIGAスクールで端末が配布されたらオンライン授業はできるものだと考えてしまうかもしれません。
一方で、大阪市のような大きな自治体でネットワークの問題に気づかないまま指導がスタートしてしまうことの方が問題のように思います。
やはり教育現場では、端末を使った授業を少しずつ拡大していくのが当面は得策のように思います。
一斉導入はリスクが大きすぎるので、大型導入前は入念なテストをするとよいでしょう。
子どもにとってはオンラインの機器トラブルによる10分程度の時間のロスもとても長い時間に感じられます。
また、授業は学習テンポがとても重要です。テンポよくてきぱきと進められる環境をどのように作れるかも意識するとよいでしょう。
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