こんにちは。まさおです。
最近何かと話題になっている都立高校の男女別定員問題。今度は現役教員が男女別定員廃止に向けた署名サイトを開始したとのニュースが流れてきました。
今回のテーマは「都立男女別定員廃止に向けた署名活動」です。
教員の署名活動と署名サイト
6/9、都立高校の教員と大学教員が男女別定員制廃止を訴えて都庁で記者会見を開きました。
以下のニュースで確認が可能です。
記者会見を開いたのは、「東京ジェンダー平等研究会」ですので、当然男女別定員には反対を唱えているということになります。
記事の中にもありますが、署名サイトで賛同者を募っています。
6/9の23:30段階で賛同者は約30,000名程度となっています。
ネット上のこの手の署名サイトは、どうしても一人の複数投票などが疑われて、あまり信頼のおけるデータにならないことが多いという印象です。
ムーブメントを起こすのには一役買うでしょうが、この活動自体で成果を出すのは難しいかもしれませんね。
男女別定員を廃止したらどうなる?
この署名サイトの有無にかかわらず、今回の一連のニュースの流れで、都立高校の男女別定員はここ数年のうちになくなっていく可能性が高いです。
仮に都立高校が男女別の定員を廃止するとどんなことが起こるのでしょうか?
廃止当初クラス内の男女比は大きく崩れる
これは他県の男女別定員のない学校でもよくおこることですが、女子に人気のある学校は勢い女子が増える傾向があり、クラスの男女比が崩れるということになります。
特に東京都内は私立中が多く、その35%程度が女子校であるため、公立中の男女比も女子がやや少ない傾向にあります。
具滝的に調べてみると、令和2年度の中3生の数は男子:女子で52:48となっており、男子生徒が女子生徒よりも約3,000名多いという状況でした。
都立高校の募集定員を男女関係なく設定した場合、クラス内の女子が上位校・人気校で増え、下位校や不人気校は男子ばかりという状況になりそうです。
人気校の男女比の多くは数年で調整される
導入当初はバランスが崩れる男女比ですが、数年のうちに調整される可能性が高いです。
それは、模試会社を中心に各学校のボーダー成績を男女統一でだすからです。
受験生はそのデータを見て出願先を調整することになりますので、男子で合格ラインに届かない生徒が順次上位の学校から降りてくる形になると思います。
逆に言うと、最上位の学校の男女比は崩れたままになる可能性がありますが、最上位校は数学が強い男子が有利という状況があるので、結果バランスが取れる可能性も高いです。
結論としては、数年回せば男女比は落ち着くべきところに落ち着くということになると思います。
ポイントはジェンダーをどうとらえるか
現代社会においてはLGBTQなどと言われて、伝統的に行われてきた性別による役割分担をなくしていこうという動きがあります。
世の中の流れからすれば男女別定員廃止の動きは正しい方向性だと思います。
ポイントは世の中で言われているジェンダーの平等性を学校でどう捉えていくかということだと思います。
従来の男性的な役割を担う女性が出てよい代わりに、従来の女性的な役割をする男性も出てよいということを学校全体で理解しないと、ただの定員調整の話で終わってしまいます。
今回の議論は男女でボーダーが違うことが不平等であるという論点からスタートしているように見えるので、冒頭に出てきた「東京ジェンダー平等研究会」が本当に目指している「ジェンダー平等」にはたどり着けないかもしれません。
それでもまずは一歩踏み出すことに意義があるので、今回の署名の有無とは別に東京都が早く男女別定員廃止の動きを取ることを期待したいと思います。
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