こんにちは。まさおです。
9/10、文部科学省は全国の高等学校を設置者に対して「現下の新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえた令和4年度以降の高等学校入学者選抜等における配慮等について(通知)」という例によって長いタイトルの通知を発信しました。
デルタ株による感染拡大を踏まえた入試での配慮事項が記載されています。
今回のテーマは「デルタ株想定化の高校入試配慮事項」についてです。
9/10の文部科学省の通知内容
9/10、文部科学省は「 現下の新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえた令和4年度以降の高等学校入学者選抜等における配慮等について(通知) 」を出しています。
現物は以下から確認可能です。
https://www.mext.go.jp/content/20210910-mxt_kouhou01-000004520_5.pdf
今回の通知の要点は以下の通りです。
- 「出席日数」や「出席停止・忌引き等の日数」の記載内容によって、特定の志願者が不利益を被ることがないようにすること。
- 今後の調査書の検討に当たって、入学者選抜の真に必要な事項に見直しを図ること
- 高等学校入学者選抜等の実施に当たって、PCR検査等の陰性証明や新型コロナワクチンの接種を受験要件にしないこと
- 陰性証明を提出しなかったり、新型コロナワクチンを接種していなかったりしたとしても、当該事由をもってこれらの者が不利益を被ることがないようにすること。
端的に言うと、「コロナを理由に学校を休んでも不利益に扱わない」「陰性証明やワクチン接種がなくても不利益に扱わない」ということです。
受験生側は感染不安で自宅学習等を選択しても不利益には扱われないことが保証された格好になっていますので、安心して判断できるということになります。
ここまでの流れを見てきている人間からすると、あまりに当たり前の内容を通知しているようにも見えますが、逆にいうと、文部科学省はこのような通知を出さないと高校側は何をしだすか分からないと思っているということでもあります。
入学者選抜の在り方に一石を投じる可能性も
今回の通知は、受験生の立場からすればある意味当然と思われる内容が書かれているに過ぎないのですが、改めてこの通知を出したことで、今後の入試にも一石を投じる可能性があります。
今後、欠席日数が出願要件から外れる可能性が出てきているということです。
出席日数欄の存在意義が薄れている
コロナ感染を回避して自宅学習を選んだ場合、出席にならないのは当然で「出席日数」は激減し、「出席停止」日数は激増するはずです。
これを入学者選抜で不利益にならないように扱うということは、この欄の存在そのものに一石を投じているということになります。
文科省は今後の調査書の検討に当たって項目の精選を要請
さらに今後の調査書の様式検討において「真に必要な事項に精選すること」という記述をしています。
調査書というのは重要個人情報に当たりますから、使いもしない情報を記載させること自体がそもそも問題になるということです。
仮に出席日数等を入学者選抜で考慮しないとなると、出席日数欄そのものが今後の調査書様式からなくなる可能性があります。
欠席日数が出願要件になっている学校は意外と多い
一方で、これまでの入試では「欠席日数年間30日以内」といった欠席日数を出願要件にしている学校が多くありました。
これは、高校入学者が欠席しがちで退学につながることを懸念しての項目ですが、これまでもひどい喘息や何らかの理由で手術などをした生徒が、簡単に受験できないケースが多数ありました。多くの学校は適切な理由を説明すれば対応可能としていますが、適切な理由を都度説明すること自体の負担も大きく、受験校数を減らさざるを得ないといった影響はあったということです。
子供の受験の権利をある意味制限する可能性があったので、この条件がなくなることは大きな前進と言えると思います。
元来、高校側はどのような生徒を入学させるかを学力以外の要素も含めて選抜するために面接や調査書を使ってきたわけですが、昨今の公平性議論の高まりもあって、項目の精選が必要ということだと思います。
確かに欠席日数を出願要件とすること自体が時代とずれてきている部分もあり、出席すること自体を重視する風潮も今後潮目が変わるのかもしれません。
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