【教員の働き方】三重大学付属学校の残業代未払いから学べること

三重大学付属学校残業代未払い 教育に関する政策
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まさお
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こんにちは。まさおです。
11/30、三重大学が労働基準監督署から、附属小中学校などの教員の時間外勤務の割増賃金が17年間にわたって支払われていなかったとのことで、是正勧告を受けたことがわかりました。
国立大学法人の職員はいわゆる「給特法」の対象が出いあることが背景です。
今回のテーマは「三重大学付属学校の残業代未払いから学べること」です。

三重大学付属学校残業代未払いから学べること

◆2年間の未払い金が数億円規模になる可能性も
対象の職員は90名ほど
⇒1名当たり年間100万を超える規模
◆国立大学法人の職員は給法の対象外
⇒公立の教員は給特法により年間の給与の4%がみなし残業代となる
公立大学法人の職員は給法の対象外で残業代の支払いが必要
国立大学法人職員の残業削減が公立学校教員の先例となるべき

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三重大学の未払い問題

最初に三重大学で起こった未払い問題について、ポイントを確認しておきましょう。
以下の記事が参考になると思います。

ポイントは以下の通りです。

  • 三重大学付属の小中学校などで時間外勤務の手当が支払われていなかった
  • 平成16年(2004年)の国立大学法人化により時間外手当の支払いが義務付けられた
  • 大学側は2004年から2021年までの17年間未払いが続いていた
  • 今回の労働基準監督署の指摘を受けて直近2年の未払い分を支給する方針
  • 大学側は2004年以前の給特法がそのまま適用されていたとの説明
まさお
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端的に言うと、学校教員の労働基準法適用除外規定が2004年の法人化で外れたにも関わらず、従来の公立学校教員と同じ扱いをしていたので、今回未払いが発覚したという構図です。
国立大学の附属でも公立学校と同様の仕事をしているので、手当支払いの根拠となる法律が異なっていたということです。
国立大学側で付属学校の教員の仕事の在り方を変えない限り時間外手当として膨大な金額を支払い続ける必要があるため、改革が進むはずです。

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今回の件で働き方改革が進むか注目

今回の問題は、未払い金の支払いという痛みが伴うため、このまま今の制度を続けるわけにはいかないところにポイントがあります。

国立大学付属の小中学校の教員の仕事は従来より大幅に減らしていかないと、毎年膨大な金額の時間外手当が支払われ続けることになるからです。

特に国立大学の附属小中学校では、教育実習の受け入れや公開授業(研究会、研究大会)の準備など、公立小中学校よりも対応業務が多い傾向があります。

一方で、公立小中ほど部活動に時間を割いていないなど、国立大付属ならではの特徴もあると思いますが、一般的な企業に比して業務が多いのは間違いありません。

まさお
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公立小中学校と担っている役割は同じである国立の学校で働き方改革を実施するにはどうすれば良いのでしょうか?
具体的に考えてみましょう。

業務総量の管理ができるか

一般企業では管理職の重要な職務として、業務総量と労務時間の管理という項目があります。

教員が抱えている全体の業務総量からやるべきこととやらなくてよいことを仕分けて、勤務時間+時間外同労時間で必要な業務が全て終わるようにコントロールすることが必要です。

これまでの様々な情報を総合すると、一般企業の「労務管理」に当たる対応をしている学校は少なく、各教員がやりたいように仕事をしているケースも散見され、管理という状況には程遠いように思います。

まずは、管理職が労務管理の視点をもって教員の業務を見渡す必要があると思います。

いわゆるサービス残業に頼らない

もう一つの問題は、いわゆる「サービス残業」です。
公立の小中学校は「給特法」でサービス残業を事実上認めているわけですが、国立大学法人ではサービス残業は認められず、残業はすべて支払い対象になります。

今回のような未払い問題が起きると、出退勤時間や時間外労働時間の記録をきちんと残さず、「退勤したことにして」その後の業務を続けるといったことが往々にして起こる可能性があります。

前出の労務管理とはそのようなことが発生しないようにすることも含みますが、果たしてこの後、三重大学はどのような対応策を打ち出してくるか注目されます。

いわゆる「サービス残業」が起こらないように管理を徹底することが重要です。

まさお
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ちなみに、今回話題になったのは三重大学ですが、全国の他の国立大学の付属学校でも同様の問題が起きている可能性は高いと思います。
文部科学省は、働き方改革を推進する立場なのですから、まずは全国の国立大学付属学校の時間外労働の実態とその改善から着手することが重要ではないかとも思います。

コメント

  1. ななし より:

    わかりやすい解説ありがとうございます。
    ただ、特給法ではなく給特法(キュウトクホウ)かと思います!!