【学校の経営難】教職員の授業ストライキは悪手

和歌山の私立高校で授業ストライキの衝撃その他
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
私立和歌山南陵高校が教職員への給与未払いによりストライキを行った(現在は解消)というニュースがありました。学校の先生がストライキを行うというケースは極めてまれですし、ストライキ授業を行わないというのも聞いたことがありません。

今回のテーマは「学校におけるストライキ」です。
背景はいろいろあるのでしょうが、通っている生徒を不安にしない対応が最初に検討されるべきだと思います。

和歌山の私立高校でのストライキ

◆5月11日の授業を教職員がストライキ
⇒4月28日に支払われるはずの給与が未払いとなったことが発端
⇒県が授業実施を求めて5月12日の授業は実施
◆経営側も教員側も生徒不在では?
通う生徒には何の落ち度もない話で授業をストライキするのは最終手段
ストライキ以前の学校側と教員側にどんなやり取りがあったかが重要
最大の被害者は生徒。大人の不始末のしわ寄せが子供に行くのは最低。

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私立和歌山南陵高校のストライキ

5/12、私立和歌山南陵高校で給与未払いが原因で好調を除く全教職員が儒丁を取りやめるというニュースが流れました。

私も長い間教育業界にいますが、このようなケースは初めてです。

以下のニュース記事で詳しく報道されています。

ポイントは以下の通りです。

  • 教職員に4月28日支給分給与が支払われていない
  • 「就学支援金」により保護者に還付すべき授業料も還付されていない
  • 教職員が保護者への還付遅れと給与未払いについて学校側に説明会を開くよう要求
  • 教職員向けの説明会は13日に実施との連絡があったが保護者説明会は未回答
  • 教職員側は保護者向け説明会の実施回答がないためストライキを実施
  • 学校経営難が背景

授業ストライキは5月11日に実施され、生徒に事前説明とお詫びの上、生徒を自習させ教職員がそれを見守るという形で実施されたようです。午後の部活動は通常通り行われています。

まさお
まさお

学校法人側の対応が極めて良くないのは間違いないと思います。
一般的に私立高校は助成金が支給されており、学校経営についても一定の枠内にはめて潰れないようなセーフティネットが敷かれているものだと思いますが、今回どのような経緯でこんなことになってしまったのか、その背景をきちんと見ていく必要があると思います。

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「授業」のストライキは正しい選択か

今回の最大の問題点は、学校の経営難を背景に給与や保護者向けの還付金の未払いがあったとして、授業をストライキする形で対応すのが正しかったのかということだと思います。

公立学校の教職員は公務員のためストライキが法律で禁じられていますが、私立学校に制限はありません。法的にはストライキは不可能ではないということですが、学校の本分である授業をストライキするという選択には疑問を感じざるを得ません

過去に起こった私学のストライキ

私学のストライキが過去にあったかを調べてみると、2019年に正則学園高校でストライキがあったとの報道があります。

こちらは、厳しい労働条件の改善を求めて、毎朝6時30分から行われていた理事長への早朝挨拶儀式をストライキしています。

この件も色々調べると教職員の給与や賞与がどんどんカットされていった上に、毎朝6時30分から夜21時くらいまでの日々の勤務で教職員の忍耐も限界に達したということでした。

ただし、ここでのストライキは早朝儀式のみで、その時間を授業準備などに充てられればもっとよい指導ができるという生徒のためを思ってのストライキだったということが重要なポイントです。

まさお
まさお

そもそも毎朝6時30分からあいさつのために出勤して、残業で21時ごろまで働いているというのも異常事態だと思います。
その他、私学の労働環境改善のための団体交渉はいくつかの学校で現在も進行中ですが授業のストライキというケースはなさそうです。

ストライキの前に何をしたか

今回の私立和歌山南陵高校では、いきなり授業のストライキという生徒の学習そのものに影響を与える手段に出たということで、教育に携わる者としては悪手だったのではないかと思います。

授業のストライキというある意味生徒にも影響を与えるショック療法的な方法で学校法人側の態度を変えさせるということなのかもしれませんが、生徒には罪がないので、この前に別の手段が検討できなかったのかをきちんと検証する必要があると思います。

生徒への悪影響を考慮せず、教職員側や学校側の都合で授業ストライキを選択したとなると、教職員側の見識も疑わざるを得ません

もうしばらく、このニュースの経過を三〇必要があると思います。

まさお
まさお

受験生側の視点で見ると、学校選びの観点の一つとして学校法人の経営健全性があるということだと思います。現在は私立高校の多くが定員充足ができない状況があり、助成金で運営を賄うのが普通の状況です。
そのような中にあっては、学校側と教職員の関係性や今回のような団体交渉・ストライキなどの実施履歴なども学校選びの基準に入ってくるのかもしれません。
私立高校選択も難しい時代になったと思います。

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