こんにちは。まさおです。
5/20、国立奈良女子大学が2022年2月25日に実施した一般選抜前期日程の物理の試験に採点ミスがあったと発表しました。合否に影響は出ず、追加合格はありませんでした。
今回は「奈良女子大学の採点ミス」を取り上げます。
当初は追加合格が出ないのに違和感がありましたが、採点基準を見ると追加なしもあり得るかと思いました。
奈良女子大の採点ミスの内容
5/20、奈良女子大学は2022年2月25日に実施した一般選抜前期日程の物理の試験に採点ミスがあったと発表しました。
令和 4(2022)年度奈良女子大学一般選抜前期日程における採点ミスについて(お詫びとお知らせ)
対象となる学部・学科
- 理学部 数物科学科
- 理学部 化学生物環境学科
- 生活環境学部 食物栄養学科
- 生活環境学部 心身健康学科
- 生活環境学部 住環境学科
- 生活環境学部 文化情報学科
- 工学部 工学科
該当の問題と採点基準
該当の問題は、動摩擦係数を問う内容でした。
この問題に対する採点基準は以下の通りでした。
物理の問題で斜面を降りる物体の動摩擦力がした仕事を求める問題の符号が逆だったということです。
「動摩擦力がした仕事」は、物体が動く方向と逆方向に働きますので、マイナスがつくのですが、「動摩擦力」だけを解答してしまうとマイナスがつかなくなります。
採点基準に見える大学の姿勢
今回の採点ミスで追加合格が出なかったのは不幸中の幸いですが、追加合格が出なかったり湯箱の採点基準にあります。
上記の通り、符号の有無が物理150点満点に与える影響がわずか1点だったことから、ボーダーライン上の生徒に影響が出なかったということでした。
昔の入試であれば、符号が間違えば誤答として点数を与えないということもあったと思いますが、現在は理解の本質を問いたいという学校が増え、今回のように「動摩擦力」まで出せていればほぼ満点に近い得点を与えているというのはいかにも今風だと思います。
今回の採点ミス自体は問題ではありますが、個人的にはこの採点基準が見えただけでもメリットがあったと思います。
よく考えられた入試だったのだなと大学側の姿勢が見えてむしろ好感を持ちました。
採点ミスの再発防止は必要
今回は不幸中の幸いでしたが、採点基準の符号が異なっているというのは、客観的に見れば大変問題というか、恥ずかしいレベルの間違いだと思います。
学力検査型の入試を継続する以上、作問ミス・解答ミス・採点ミス・集計ミスは常にリスクとして付きまとうので、少なくとも作問段階や模範解答を作る段階では、有識者が複数回のチェックで問題を潰しこみ、試験当日に作問に関わらなかった大学教員も受験生と一緒に解いて疑問点を洗い出すといった対応をした方がよいと思います。
今回の採点ミスは追加合格も出ずによかったのですが、採点ミス発覚後の対応と情報公開も適切だったと思います。
最初、このニュースを見たときは追加合格が出ないはずはないと思いましたが、詳細を見てある程度(本当に追加合格なしかはわからないので)納得できました。
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