【再発防止策は?】東京都が入試で合否判定ミスの校長を減給処分

東京都が入試で合否判定ミスの校長を減給処分教育に関する政策
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まさお
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こんにちは。まさおです。
東京都教育委員会は今年3月、合否判定でミスの在った都立高校2校の校長を減給の懲戒処分にしたことを発表しました。また、再発防止策として研修と合否判定システムの機能強化も発表しています。
今回のテーマは「入試の合否判定ミス防止策」です。

都立高校入試合否判定ミス防止策とは?

◆まずは今年ミスのあった高校の校長を処分
⇒入試業務においてミスはあってはならないことを周知徹底
⇒管理職の監督義務を明示し、ミスは処分の対象となること確認
◆再発防止策として大きく3点を発表
⇒入試に関わる教職員向けの研修強化
⇒合否判定資料を作成するシステムの機能改修
⇒合否判定の点検か所をチェックリストで明示
※正しく機能すればミスは減るはず。一方で制度の簡素化も重要

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入試ミスの遭った校長の処分

東京都教育委員会は、9月8日付けで、2022年3月の入学者選抜において学力検査と調査書の点数の扱いなどに誤りのあった2校の当時の校長2名について、減給の懲戒処分を行いました。

まさお
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ちなみに、このミスが発覚した時の状況は本ブログでも以下の記事でご紹介していました。

東京都教育委員会のWebサイトでも、教育長が入試にミスに関するコメントを発表しています。

東京都は入試に関する採点ミスや業務上のミスの撲滅にかなり真剣に取り組んでいます。
採点ミスが多く発覚した後は、答案をマークシート方式にするなど、実効性のある対策を行ってきています。

今回も、新たな取り組みをいくつか発表しています。

まさお
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東京都は予算も潤沢にあるため、入試ミスについても多くの資金を投入して再発防止策を進めています。他の自治体がどの程度真似をできるかわかりませんが、東京都がお金を投じて開発したノウハウを他の自治体が真似をするような体制が一番お金の有効活用になると思います。

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東京都の入試ミス撲滅のための取り組みとは?

今回、東京都教育委員会は入学者選抜における合否判定ミスを撲滅するために、大きく3つの取り組みを進めると発表しました。

1.入学者選抜に関わる教職員への研修強化

入学者選抜の制度に関する説明会や合否判定の仕組みについて校長や副校長などを対象に研修を行うことで、制度そのものの理解を深めていきます。

  • 9月:入学者選抜実施要綱説明会(入学者選抜関係教職員の悉皆とする。)
  • 10月頃予定:校長・副校長を対象とした合否判定の方法等に関する集中研修会を新たに実施
  • 11月:入学者選抜要領等説明会(入学者選抜関係教職員の悉皆とする。)

さらに、教職員研修センターが行う研修に、入学者選抜に関する研修を新たに追加して実施するそうです。

  • 職層研修(校長、副校長、指導主事、主幹教諭、主任教諭)
  • 年次研修(若手教員育成研修1年次、中堅教諭等資質向上研修Ⅰ)
まさお
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今まで、要項の配布をして終わりにしていた入試制度そのものを、改めて研修を実施して理解してもらうことがスタートラインだという発想だと思います。
入試の重要性を理解するマインドセットの仕方としてはありだと思いますが、何年続くかは微妙かもしれません。

2.合否判定システムの改善

都立高校の各校には、受検者の総合成績を成績の良い順に並べる、入学者選抜用の資料作成しシステムが入っているようです。

このシステムを機能強化し、総合成績が同点である場合の順位の付け方の改善や、合格候補者数の設定、ボーダーラインの設定なども含め、きちんと運用すればミスが起きにくいように対応するということです。

まさお
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この対応は、一見すると効果が大きいように見えますが、システム設定を誤るとかえって大きなミスにつながるリスクもあります。
入試制度が複雑になればなるほどシステムも複雑になるため、システムが正しく動作するかのテストをきちんと重ねておかないと、都立高校税体でミスが起きるような大きなトラブルになりかねないです。ここはシステム機能強化時の重要ポイントだと思います。

3.選考委員会の審査の実効性の確保

「選考委員会」というのは入学者選抜において、合格者を決める際に開かれる校内の委員会のことです。

最終的に合格発表をする前にの選考委員会で合格者候補を成績データとともに確認を行うのですが、その際にチェックすべき項目をリスト化し、この委員会が儀式的なものにならないようにするということを言っています。

逆に言うと、選考委員会がこれまでどの程度の機能を持って入試のミスを防いでいたかは、疑問が残るということでもあると思います。

まさお
まさお

東京都教育委員会は、まじめに入試のミス撲滅への取り組みを検討してきていますね。それなりにお金と時間と人を投入して、合否判定におけるミスをなく姿勢は素晴らしいと思います。
全国の入試制度を見ていて思うことは、とにかく得点計算が複雑だということです。
塾で保護者に入試制度を説明するのも下手をすると1時間近くかかってしまうこともあり、生徒本人や保護者も正しく理解はできていないだろうなと思うことがあります。
制度を簡素にというのがこれからの時代は重要な要素になっていくと思います。

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