こんにちは。まさおです。
6/10、大阪大学は2022年2月に実施した一般選抜(前期日程)の地理のしゅつだに誤りがあり、1名を追加合格にしたと発表しました。
そもそも撲滅は難しい出題ミスですが、今回はどのようなミスが発覚したのでしょうか。
今回のテーマは「大阪大学の地理に出題ミスで、1名追加合格」です。
大阪大学で出題ミスにより追加合格
6/10、大阪大学は2022年(令和4年)2月に実施した一般選抜(前期日程)の地理歴史(地理)の出題内容に誤りがあったとして、1名を追加合格にしました。
大学側のリリースは以下の通りです。
ミスの内容とは?
上記ページ内にリンクされているPDFに誤りの内容が具体的に記載されています。
上記太字の散布図の表示順が異なっていたということになります。
実際の入試問題
上記が問題文です。グラフを見て、世界の国際観光客流動について150字で説明するという問題です。
元となるグラフが変わると記述内容が全く異なりますから全員正解にせざるを得ないと思います。
2つのグラフを一目しただけでも、ヨーロッパが最大の観光客受け入れ数を誇りながらも成長が続いているか成長が鈍化しているかの差があるため、記述内容は全く異なるものになってしまいますね。
大阪大学の作問チェック体制は?
今回、このようなミスをした大阪大学ですが、作問時のチェック工程はいい加減なものではありませんでした。
公表資料から以下のようなプロセスを取っていることがわかります。
回数が全てではないですし、どれだけ真剣に向き合っているかでも制度は変わると思いますが、ミスをしないための体制を作ろうとしている意図は十分伝わってくる内容だと思います。
これを以下のようにすると発表しています。
太字の3工程を増やして正確性を担保するということです。
普通に考えて、これほどの詳細なチェック工程を経るとなると、担当者の心理的負担も相当高くなると思います。そこまでチェックして問題の正確性を担保しないといけないというのは、正に今の入試制度の難しさだと思います。
学力検査の試験形式はもう限界
毎回入試ミスをの記事を書くたびに書いていますが、このようなチェック体制を未来永劫続けていくことが可能でしょうか?
このようなミスが出た直後は、問題意識もあってきちんとしたチェック体制の運用が進みますが、これが数年続いてミスが減ってくると少しずつ心のスキが出てきて、体制はそのままでも実施制度が緩んできたりするものです。
ルールとしては存在しているけれども、魂がこもらなくなってくるということです。
そうなると、今回と同様のミスがまた起こってくるのではないかと思います。
つまり、入試問題のミスはチェック体制をアップしてもなかなか完璧につぶしこむことは難しいのではないかと思います。
では、どうすれば解決するのでしょうか?
1つには、入試問題をもっと基礎的な易しい問題に変えてしまうということです。大勢の大人が何回もチェックしなければミスがつぶせない問題を作り続けようということ自体がそもそも無理な話だということです。過去に使った問題を使いまわすことも含め、簡易的なテストにしてしまえばミスは減らせます。
もう1つは、さらに踏み込んで学力検査そのものを辞めてしまうということです。
学力検査方式は、多くの受験生を一括処理で合否判定しようというもので、そろそろ入学者選抜のやり方としては役割を終えつつあるものと思います。
入学者選抜の軸を総合型選抜に移すとか、一般選抜の定員を減らしてエッセーの事前提出+面接などで学力レベルを判定するとか、決まった試験時間内に何点取れたかという競争を辞めていくことがあるべき解決の道筋ではないかと思います。
10年スパンでの取り組みになると思いますが、その方向に進んでいくことを期待します。
入試ミスの記事は今年も10本を超えています。毎年多くの大学・高校・中学が追加合格者を出してお詫びをしています。追加合格になった受験生側も一度動き出した生活を巻き戻さざるをえなかったり、長い人生に残る大きな心の傷のようなものを受けたりする重大な問題だと思います。
是非真剣に取り組んでいってほしいと思います。
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