こんにちは。まさおです。
群馬県沼田市で、小6の理科の実験中に炎が上がり、児童が4人が救急搬送されるという事故がありました。
61歳の教員が教科書の指示とは異なる手順で実験をしていたことが主な理由のようです。
全国で理科実験による事故が毎年多発しており、実験の安全管理は大きな問題だと思います。
今回は「沼田市の理科実験の事故はなぜ起きた?」というテーマです。
沼田市の事故の詳細
6/30、群馬県沼田市の小学校の理科の授業中に、実験で使用していたメタノールが飛散し、児童4名がやけどで救急搬送される事故がありました。
1名が重症、3名は軽傷ということです。
事故のポイントは以下の通りです。
- ジャガイモの葉の色素を抜いてでんぷんを調べる実験を実施
⇒でんぷんの有無をヨウ素液を使ってみるため、色素を抜く必要がある - 通常の実験ではエタノールを使い、湯で加熱する
⇒教諭は1リットルのメタノールをビーカーに入れカセットコンロで加熱 - メタノールが不足していたため継ぎ足した
⇒カセットコンロで加熱中でこぼれたメタノールに引火
⇒生徒のやけど以外にも紙やカーテンも燃えた
佐賀県では理科実験の実施にあたりこのような資料を配布しています。
事故が起こった後から聞けば、ありえない対応を複数重ねてしまった酷い事故ということになると思います。
ポイントは、この教諭が今回の実験に当たり事故の危険性をどの程度理解していたかだと思います。
報道などによると、「自分がやれば大丈夫だろうと考え、少しでも早く温めようと直接熱した」とされています。
この判断ができ、しかも実行してしまうところが教員の危険なところだと思います。
教員の研修等でこの辺りは厳しく言われているのではないかと想像しますが、時間短縮と安全確保のバランスや教科書に理科実験の手順でなぜこのような注意書きが書かれているかを考えていないところに危うさを感じます。
この教員は61歳ということで、大ベテランでした。ベテランであるがゆえに過去の経験からこのような対応を取ったとしたらますます危険だと思います。
理科実験中の事故は全国で多発
今回、このような報道があり改めて注目されていますが、理科実験中の事故は全国で多発しています。
ネットでちょっと検索しただけでも以下のようなじれが見つかります。
- 2022/6 広島県三次市で硫化水素を吸って中学生徒6名が体調不良
- 2022/6 横浜市で硫化水素を吸って中学生4人が病院に搬送
- 2022/5 福山市で中学生が実験中に指を切断
- 2021/11 神戸市で塩素を吸い込み中学生7名が救急搬送
- 2021/9 大阪市で実験中の液体が中学生2名にかかり、1名が軽いやけど
- 2021/4 横浜市の小学校で生徒9名が体調不良
「枚挙に暇がない」というのはこのことなのですが、世間では実験による体験重視の学習が叫ばれている一方で、正しい管理下で行われない実験で多くの生徒が体調不良をはじめ甚大な事故に遭っているという実態を正しく認識するべきです。
正しく生徒を管理できない状態での実験は絶対にやめるべきです。
教員免許の更新制が7月1日から廃止されていますが、理科実験ができる先生こそ、ライセンスや研修終了などの実施資格を付与した方がよいのではないかと思います。
今の時代、理科事件は映像を見せれば十分という考え方もできます。
実地で実験を体験させることの重要性も理解できるだけに、正しい管理下での実施をどう担保するかきちんと考えないといけないと思います。
コメント
①エタノールは毒性が強いため子供の前では使わない
②理科事件は映像を見せれば十分
とありますが、メタノールの間違いですよ!!
子ども達は班ごとに分かれて、自分たちでエタノールで葉の脱色をします。
エタノールは毒性の部分は早く直した方がいいですよ。
理科事件ではなく、理科実験ですね。
ご指摘ありがとうございます。
私が間違ってしまったらどうしようもないですよね…(汗)
訂正させていただきます。