「第1志望は決まったんだけど、第2志望以下が決まらない…」
10月下旬から11月にかけての時期で受験校を最終決定する人が多いと思います。第1志望はともかく、第2~第4志望あたりをどう決めて行くかが悩ましいという受験生も多いと思います。
上手な併願作戦は第1志望の合格率を高めてくれます。
今回のテーマは「併願校の決め方のポイント」です。
第2志望以下をどう決めるかで第1志望の合格率も変わる
第1志望校は比較的すぐに決まるのだけれど、第2志望以下をどうしていいかわからない…
多くの受験生から毎年このような相談を受けます。
第1志望校の難易度にもよりますが、第1志望がチャレンジ受検であるなら、第2志望以下をどう決めるかがとても大事になってきます。
志望校をただ受けるだけではなく、戦略的な意味合いを持たせて入試そのものを有利に運ぶための併願校選びが大事です。
これを「併願作戦」といいます。
「戦略的な意味合い」とは以下のようなことを指します。
とくに、第1志望校の受験日にすでにいくつかの納得のいく学校の合格通知があれば、何の後ろ盾のない状態で受験を迎えるよりも精神的なゆとりが生まれます。
結果、第1志望入試に委縮することなく望むことで実力を発揮しやすくなることが多いのです。
受験時に緊張して冷静でいられないという受験生は意外と多いです。何が何だか分からないまま試験が終わってしまったということも間々あり、そのためにも事前に受験を経験し、合格通知を取っておくことが重要となります。
併願校確定までの5つの手順
受験校確定までの5ステップをご紹介します。
地域によっては受験校は1~2校のみというケースもあるかもしれませんが、その場合は第1志望と志望順位の最も低い学校の組み合わせで考えてください。
逆に受験校が多い場合は、第1志望と安全校の間の実力相応校を厚くする対応が望ましいと思います。
詳細は以下の手順で確認をしてください。
1.志望校の候補をグルーピングする
最初に、現在受験を検討している学校を少し多めにリストアップします。
最近の模擬試験の合格可能性を学校名とセットでリストに記載しておきます。
その上で、以下の3つのグループに分けてグルーピングをします。
学校群 | 合格可能性 | ポイント |
---|---|---|
チャレンジ校 | 10~30% | ◆第1志望は通常ここに入る。 ◆第1志望が実力相応になると受験校を減らせる。 |
実力相応校 | 40~70% | ◆第2志望以下、現実的な受験校がここに入る ◆数を増やすと実力相応校のどこかに合格する可能性が高まる |
合格確実校 | 80%以上 | ◆コロナにかかって受験できなかったなどの問題がなければ合格できる学校 ◆確実であれば1校あれば十分。コロナやインフルエンザ感染時などの保険をかけて2校入れることも。 |
まずは上記のようにグループ分けをしましょう。
- チャレンジ校⇒1~2校
- 実力相応校⇒1~4校
- 安全校⇒1~2校
上記のようなイメージで学校数が上がっていると確定させやすいです。
2.第1志望校を確定
受験可能性のある学校のリストアップが完了したら、第1志望校を確定させます。
すでに確定しているという人も多いと思いますが、意外と悩んでいる受験生も毎年多くいます。
第1志望校は以下のような基準で選んでください。
ほれ込んだ学校などないという人は、もう少し学校の詳細を調べてみましょう。
改めて見学に行って在校生の様子を見るとか、説明会で学校の先生と話をしてみるとか、候補となっている学校との接点を持って一番行きたいと思える学校はどこかを感じ取るようにしましょう。
第1志望校が決まったら、出願締切日・受験日・合格発表日・手続き日を確認しておきます。
この日程が他の受験校を決める際の比較対象となります。
日程 | 第1志望 | 実力相応 | 合格確実 |
---|---|---|---|
出願締切日 | 2/15 | ||
受験日 | 2/23 | ||
合格発表日 | 3/6 | ||
手続締切日 | 3/1 |
第1志望校が併願作戦の軸となります。第1志望に合格する可能性を高めるために併願作戦を組むわけですから、第1志望校がブレてしまうと、併願もうまく組めないという言ことになってしまいます。
3.志望順位が一番低い合格確実校を確定
第1志望校を決めたら、次に合格確実校を決めます。決め方の基準は以下の通りです。
コロナやインフルエンザ感染時対応が学校により異なるので注意しましょう。追試験などが設定されている場合は1校でもよいと思いますが、第1志望の試験日の前に確実に合格を確保できることが重要です。
日程 | 第1志望 | 実力相応 | 合格確実 |
---|---|---|---|
出願締切日 | 2/15 | 1/30 | |
受験日 | 2/23 | 2/4 | |
合格発表日 | 3/6 | 2/10 | |
手続締切日 | 3/8 | 3/8 |
上記のような日程組ですと、第1志望の受験日に進学先が1校確保されていますから精神的なゆとりはかなり違うと思います。手続き日も第1志望の合格発表の後ですから、第1志望校の結果を見て入金対応が可能ということになります。
4.第2志望と実力相応校を間に入れる
ここまでで最低限の併願作戦は完成しているのですが、合格確実校と第1志望校の間に成績的な差などがある場合、間に複数の学校を入れて学校の選択肢を増やすという対応を取ります。
特に、合格確実校を合格可能性重視で多少なりとも妥協して選んでいる場合は、「実はこの合格確実校には進学したくなかった」という潜在意識を持っている受験生も多くいるものです。
最後、第1志望に不合格になってしまって、その学校に進学する際に大ショックを受けるということがないように、合格確実校以外に合格通知をもらえるようにしておくという考え方も大事です。
上記の通り、実力相応校をどう組み込んでいくかが併願作戦の重要ポイントです。
合格の可能性を期待できる複数の学校を選んでいると、第1志望と甲乙つけがたい学校が入ってきたりすることもあります。
また、場合によっては第1志望よりも合格可能性が低い学校などが候補になってくるケースもあります。
いずれも、受験生自身がチャレンジしたいと思うなら、受けてみるのがよいと思います。
ただし、試験日があまり過密になると疲労がたまりますし、入金締切日が第1志望の合格発表よりも前というケースも出て来ます。その場合は、是々非々で判断して組み入れます。
日程 | 第1志望 | 実力相応 | 合格確実 |
---|---|---|---|
出願締切日 | 2/15 | 2/13 | 1/30 |
受験日 | 2/23 | 2/18 | 2/4 |
合格発表日 | 3/6 | 2/23 | 2/10 |
手続締切日 | 3/8 | 3/8 | 3/8 |
上記のように安全校と第1志望校の間に実力相応校が入ってくる形がベストです。中には第1志望と前後する可能性もありますが、その場合も仮組段階では入れておくとよいでしょう。
別の記事で入学金問題の話題を取り上げました。多くの場合は、実力相応校と第1志望の間で支払日が前後して入学金を無駄に払わざるを得ないというケースがあります。
その場合は、実力相応校に価値があるかどうかで覚悟を決めるしかありません。万が一第1志望校に不合格の場合に、その学校への入学権利を保有しておきたければお金を支払うことも検討しておきましょう。
5.入試日程と入金締切日で微調整
やっと、最終段階です。
ここまで来たら候補に挙げた学校の受験スケジュールを一覧にまとめてみます。
出願締切・受験日・合格発表日・入金締切日の関係を見て、この受験の仕方で問題中をチェックします。
その際のチェックポイントは以下の通りです。
上記チェックポイントをみて、問題なければ精神的にもゆとりをもって試験当日を迎えられると思います。
併願作戦は受験校が増えると大変面倒になります。塾や学校の先生にお願いしてチェックをしてもらうなど、複数の目で確実にミスがないかチェックできるようにしておくことが重要です。
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