「第1志望校は何となく決まっているのですが、本当にこれでよいか自信がないんです。」
10月になって、第1志望がこれでよいか不安になってくる受験生がいます。
最初はなんとなくこれでいいと思っていたものが、いざ、入試が近づいてくると本当にこれでよいのか不安になってくるというのです。
では、第1志望校になり得る「よい学校」とはどのような学校のことなのでしょうか。
今回のテーマは「よい学校とはどのような学校のことか」です。
併願校に関しては以下の記事から
偏差値で学校を選んではいけない
第1志望校を決める際に、絶対にやってはいけないことは「偏差値で志望校を決めること」です。
最近はこのような受験生は減ってきましたが、昔は模擬試験の偏差値と学校の偏差値表を見比べて、自分の偏差値のところに線を引き、ここが志望校の候補だと決める生徒がたくさんいました。
30年ほど前、受験生が今の2倍くらいいたときは、そのような型にはまった志望校選びというのもありましたが、学校も個性化が進んで偏差値だけではその学校の良さが分からない時代になりました。
偏差値はあくまで入試の合格可能性を測るための指標ですので、志望校候補を決めた後に偏差値を参考程度に見るようにしましょう。
同様に大学進学実績や就職先などを見て志望校を決めるのも避けた方がよいです。あくまで参考情報であって、自分がその数字の中に入れる保証は全くありません。
まずは波長の合う良い学校があり、そこに付随する情報としての進学実績・就職実績ととらえるようにしましょう。
「よい学校」は「自分と波長の合う学校」
では、よい学校とはどのような学校なのでしょうか?
一言で言えば「よい学校」=「波長の合う学校」ということだと思います。
波長の合う学校とは大変抽象的な表現ですが、志望校を決めた生徒の多くは志望理由に「校風がよいと思った」と言っていることが多いのです。
その学校からしみだしてくる風土のようなものが受験生個人の好みと合うということです。
「校風」=「その学校が長い時間をかけて作ってきた風土」
そもそも校風とはどのようなものなのでしょうか。
公立高校・私立高校それぞれにその学校の歴史があります。その中で時間の経過とともに伝統となり大事にされてくる理念のようなものがあります。
有名なキーワードをいくつか出してみると…
- 自主自立
- 独立自尊
- 自調自考
- 責任と協調
- 真善美
のような、伝統的にその学校が大事にする言葉・考え方があります。
これをベースに「自由な校風」とか、「校則が厳しいがきちんとルールを守る校風」とか、「部活を制限してでも学習時間を確保し進学を第1に考える」とか、各学校の個性が出て来ます。
学校見学ではその個性を見極めることが重要
学校説明会や学校見学会ではその学校の個性を見極めることが大事です。
たとえば、「自分は多少校則が厳しくても、きちんとした秩序の中に身を置く方が安心する」というタイプの生徒と、「自分は人からルールを押し付けられると窮屈に感じてしまう」というタイプの生徒が、同じ学校に入った場合の居心地は全く異なってくるということです。
特に学校別説明会や学校見学会では、先生の発言、在校生の友だち同士の会話は先生との会話といった具体的なコミュニケーションシーンをよく見ておくことが大事です。
自分の長所を伸ばしてくれる学校か
次に意識をするのは、自分の長所を伸ばせる学校かという観点です。
今は個性重視の時代です。与えられたレールの上を走るというよりも自分が何をやりたいのか、自分の長所は何なのかをきちんと理解をして、それを伸ばせる環境を選ぶということが大事です。
現時点で自分の長所が分からないという人も多いかもしれません。
その場合は自分の好きなものを考えてみましょう。
たとえば、部活動の吹奏楽が大好きということであれば、吹奏楽部をのぞいてみます。
コンクールで金賞を目指して、体育会系のノリで厳しい指導者の下で必死に練習している部活と、コンクールも大事だけれども音楽を楽しむことを大事にして、そこまで必死にいはなっていない部活と、どっちを選ぶでしょうか。
どっちを選ぶかは人それぞれだと思います。
居心地の良い、自分のやりたい方に合っている部活動・学校を選ぶことが大事です。
いかがでしたか?
自分が3~6年間という長い時間、毎日居続ける場所となりますので、より過ごしやすい自分の個性を伸ばせる環境を時間をかけて探すことが大事です。
本当に良い学校に巡り合えると、合格のために学習量も一気に増えていくはずです。
丁寧に学校選びをしていきましょう。
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