6/7現在の東京都内の感染者発生状況 累積感染率…33.70% 感染者数倍加日数…50日 直前1週間の陽性割合…22.8%
連日、新型コロナウイルスの感染者数を各自治体が発表しています。この感染者数の日々の発表はどんな意味があるのでしょうか?
今回は東京都が発表している数値をもとに、数字の見方や自分の意見の整理の仕方を考えてみます。
東京都は詳細データを公表してくれている
新型コロナウイルスで日々の生活は大きく変容させられてしまいました。このブログも受験がテーマだったはずなのに、新型コロナウイスるを題材にする記事ばかりになってしまっています。
しかし、この状況はそうそう遭遇するものでもありません。ピンチをチャンスに変えるのであれば、この状況を教材として何か学べないかと前向きに考えてみたいものです。
以前も紹介しましたが、東京都は新型コロナウイスるに関するデータを以下のサイトで公表しています。
こちらにある数値を使って、今の東京の状況を少し冷静に見てみたいと思います。
中高生の皆さんは、思考力・判断力・表現力を養うには、今の日本政府や都の発表を批判的な目で見て、何が足りないか考えてみるようにしてみてください。
教科書では学べない視点を学ぶチャンスですよ。
日々の感染者数だけでは評価が偏ってしまう
国や都が発表している日々の感染者数。この数字をどう見ればよいでしょうか?
たとえば、下の表を見ると、グラフ全体が増加傾向を表していることはわかりますが、一部の極端に数字が減っているところがありますよね。
これは、曜日のめぐりあわせで週末に検査があまり行われず、翌週の前半の陽性者の検出数が減ることがあることを示しています。
詳細は公表されていないので想像の域を出ませんが、曜日のめぐりあわせの影響は間違いないと思います
このような状況だと、日々の感染者数をただ並べるだけでは状況を正しくつかむことはできないですね。感染者数は週単位や月単位、あるいはこれまでの合計数(累積)で見ていくことが望ましいと思います。
検査をしなければ感染者は出ない
次に意識しないといけないのは、感染者数は検査者数を分母としているという視点です。
世界と日本の感染者数を比較した際に、日本は検査数が少なすぎるという問題がありました。世界各国に比べて検査数が少ないので、感染者数が少ないということです。
さらに日本では、「37.5度以上が4日以上続いたら検査を受けてください」というアナウンスが流れていました。
これは、それ以下の人が大量に検査に流れ込むと感染拡大や病院のベッドが足りなくなる可能性があるという背景がありました。
日本は検査を意図的に抑えてきたのです。
この問題はどこかで再度話題になっていくと思いますが、現在感染経路がわからない感染者数が増えていること、軽症者の受け入れ施設の準備が進行中であることなどから、今後検査数も少しずつ増えていくことになるでしょう。
ここでは東京都の検査者数の推移と感染者数の推移を比較して、検査者に占める陽性者数の割合、倍加日数などから評価をしてみたいと思います。
東京都のデータを加工して検証してみた
自分は専門家ではないので、あまり具体的なコメントをするべきではないのかもしれませんが、感染者数のみを公表する状況では何も評価ができないと思っています。
東京都が公表しているデータを独自に加工してみました。これをもとに現状を考えてみたいと思います。
日付別の累積検査者数と陽性判明者数、倍加日数の表
詳細は以下のエクセルにまとめました。
日付別に
①累積検査者数(5/20まで)
②累積陽性者数(5/20まで)
③累積陽性率(5/20まで)※累積陽性者数÷累積検査者数
④感染者数が倍加するまでの日数(5/20まで)
を表にしています。
これをグラフ化して現状の東京傾向を確認してみましょう。
累積陽性者数と累積陽性率
上記のエクセルから「累積陽性者数と累積陽性率」のグラフを書いてみると以下のようになります。
※6/7追記
直前1週間の陽性者発生割合をグラフに加えました
累積の陽性者が出る割合は減少も、1週間で区切ると緊急事態宣言解除後は増加傾向であることがわかります
東京都は検査を増やす前に病院の受け入れ枠の拡大を目指しています。ホテルなども含めた、軽症者の受け皿ができれば、検査数を増やすかもしれません。
緊急事態措置が効果を表して感染に歯止めがかかればよいのですが、どうなるでしょうか…。
累積陽性発生割合と倍加日数推移
上のグラフとは別に「倍加日数」という指標に注目してみました。感染者数が倍になるのにかかる日数が現在どの程度短縮されているかという観点です。
「累積陽性発生割合と倍加日数推移」をグラフ化すると以下のような感じです。
※6/7追記
こちらのグラフにも直前1週間の陽性者発生割合を加えました
緊急事態宣言により、外出自粛要請が出たことが倍加日数を伸ばしてくれればよいのですが、2週間程度経過し、少しずつ伸びてきてくれているようです。
国の外出自粛要請は、企業活動そのものに対する補償がないため、給与をいただくために外出せざるを得ない人が感染リスクにさらされています。
そこまで抑え込みにいかないと、感染者数を一気に減らすのは難しく時間がかかるものと思われます。
薬が開発されない限り、劇的な状況改善にはならないのかもしれません。
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