こんばんは。まさおです!
8/7、文部科学省は来年度入試において全国の大学に7月末までに発表を依頼していた大学入試要項の状況を確認し、まとめた情報をホームページ上に公開しました。
今回は「令和3年度大学入試の対応状況」について取り上げます。
文部科学省のHPにて詳細が確認可能に
文部科学省は全国の大学に7月中に入試要項をHP等を通じて受験を検討している方に見える形で発表するように促していましたが、8/7、各大学の状況をまとめて公開をしました。以下のページで確認が可能です。
都道府県別に分かれているのと、全ての大学が網羅されていないのが残念ですが、各大学の必要な情報はその大学のホームページに取りに行くとよいでしょう。
全体状況をはこのページからはわからないようになっており、また、各大学の状況も簡単に比較することができません。
文部科学省の立場としては特定の大学の有利不利になるようなことはできないという立場なのかもしれませんが、受験生に配慮をするならもう少し見やすいページにしてほしいとも思います。
この情報はこれで確定ということではなく、今後も更新が続く可能性が高いです。各大学の最終情報は必ず各大学のページの資料原本で確認するようにしてください。
入試日程への配慮は約86%の大学で実施
入試日程への配慮については、このブログでも何回か紹介している通り何らかの対応をとる大学が大半です。
特に国立大学は「国立大学協会」が全体方針を出したこともあり、ほとんどの大学が追試験の設定をしています。
追試を実施しない国立は2大学のみ
そんな中追試の設定をしていない国立大学は2大学のみです。
1つめは「横浜国立大学」です。
これは8/2のブログでも取り上げましたが、2次試験そのものを行わないという発表がされたためです。試験そのものがなければ振替や追試も必要ないということになりますね。
他の国立大学が全て2次試験を実施するのですから、かなり異端な感じがしますが、今の感染状況の中で2次試験の実施を想定する方がかえって直前期に受験生に迷惑をかけかねないという大学側の判断もある意味真っ当だと思います。
2つめは「東京芸術大学」です。
これは大学の特性上やむを得ないと思いますが、東京芸術大学の場合は2次試験に「実技試験」が入ります。しかも複数の科目を数日間にわたってやるわけですから、それを振替受験でやるというのもなかなか難しいということになりますね。
東京芸術大学の入試要項は以下の通りです。
http://admissions.geidai.ac.jp/wp-content/uploads/2020/07/20200731geidainyuusi.pdf
出題範囲縮小や約5割にとどまる
試験日程に対する配慮をほとんどの大学が行う一方で、出題範囲の縮小は約半数の大学にとどまっています。
その理由は各大学それぞれに聞いてみないと具体はわかりませんが、おおむね以下のような背景だと思います。
各高校の学習の遅れが取り戻されつつある
各高校の休校時の授業の遅れについて、休校明け当初の論調からかなり変わってきているように思います。
4月や5月は授業の遅れを取り戻すのは絶望的に難しいという論調が主でしたが、8月に入ると夏休み・冬休みの短縮でどうにか追いつきそうという声も聞こえてきています。
共通テストも第2日程を希望している生徒は10%にも満たないなどの状況を見ると、学習の遅れを理由に出題範囲を絞ることによるデメリットも大きいと判断しているかの制が高いです。
出題範囲の縮小は大学には非常に難易度が高い
もう1つ大学側の切実な問題としては、縮小した出題範囲に合わせて問題を作るノウハウがないということです。
すでに8月に入っていることを考えると、今から新たに入試問題をゼロから企画して作成するというのは相当な覚悟が必要な作業だと思います。
ただでさえ、入試問題の出題不備や採点不備で6月に入ってから追加合格を出すといった事態が毎年何件も発生していることを考えると、縮小を発表した出題範囲にきちんと準拠した問題を作成するというのも相当な難易度であることが予想されます。
縮小したはずの範囲から少し逸脱した問題が出題されてしまっていた場合には、該当問題を全員に正解として得点を与え、合格ラインを超えた生徒は追加合格にしなければならないというリスクがあります。
一方で、文科省は大学側に入学定員の厳格運用を求めていますから、定員超過になるようなことが絶対に避けたいと考えているはずです。
このような側面からも出題範囲の縮小はそれなりのリスクを大学側が抱えることになるので慎重にならざるを得ないということと思います。
受験生は出題範囲への配慮は考えない方がよい
上記のまとめからもわかるように、出題範囲の縮小を当てにした受験準備はあまり得策ではありません。
大学によっては発展天気内容は出題しないとしていたりしますが、現実的にどこからどこまでを発展的内容として学習範囲から除外するかは受験生が判断するのも難しい線引きだと思います。
むしろ、例年通りの過去問演習をきちんと行ってどのような内容が来てもベストを尽くせる状態で臨めるよう準備をする方が、よほど対応がしやすいと思います。
そもそも文部科学省がこの資料をまとめているのは、各大学が文科省の要請にどの程度きちんと向き合っているかを一覧化して対応しない大学をあぶりだすことが目的のはずです。
それにより各大学は文科省の要請を無視できなくなったのですから、もう少し出題範囲への配慮が出てくると予想していました。
実際は半分の大学が出題範囲は変えないと言っているので、出題範囲を今から変えることがいかに難易度が高いことかわかります。受験生も変わった出題範囲に合わせた学習をする方が難しいと思いますので、出題範囲縮小という話はこの際忘れた方がよいと思います。
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