こんにちは。まさおです。
前回まで3回にわたってユニセフのレポートを取り上げ、日本の子どもは精神的な幸福感が国際的に見て薄いという話をしてきました。
その中でもいじめに関する問題は長い間解決されない大きな問題として残っています。
今回は少しいじめを掘り下げて、「いじめ後遺症」について考えてみます。
小中学生時代のいじめはのちの人生に暗い影を落とす
前回取り上げたユニセフの調査で、頻繁にいじめを受けた日本の子どもが生活に満足を感じている割合は50%と半分ほどであるという結果を紹介しました。
2人に1人の子どもが自分の生活を不満に思って生きているというのは親にとってはショックの大胡いいことだと思います。
まだ社会に出てもいない段階から、ストレスにさらされている子どものことを考えると、いじめを認めてはいけないことがわかります。
以下の記事では、精神科医の斎藤環さんが、いじめの後遺症といじめへの対処法について語っています。特に後遺症の記事については学生時代だけでいじめの影響が終わらないことを示していて、いじめの持つ影響力の大きさに驚かされます。
上記の記事によれば、7~11歳の間にいじめを受けたイギリスの子ども8,000人の調査で「うつ病、自殺」などのリスクが約2割も高くなっているという研究が紹介されています。
また、いじめがトラウマとなって人間関係に恐怖を覚え、10年後・20年後に精神科を受診するというようなケースも報告されています。
20年後にまで影響を与えてしまうと30代の社会人として自分の価値を高めていく時期にまで影響を及ぼしているわけですから、ある意味、その人の人生を狂わせてしまっているといっても過言ではないでしょう。
いじめは拡大する前にきちんと目の段階で摘み取っておく必要があります。そのためには主に学校の先生、そして、親が「いじめる」ということはどういうことかを子ども本人が判断できるよう、基準を与えておくことが重要です。
基本は、「自分がされて嫌なことは人にしない」こと
いじめとは何かをきちんと定義することは実はとても難しいことだと思います。生徒に良かれと思ってやった行為が、教師によるいじめと認定されてしまうケースもあり、一概に「これをいじめという」という定義は難しそうです。
一方で、いじめはパワーハラスメントなどと同じで、被害者がどう感じたかがベースで判断されるわけですから、相手がされて嫌だと感じた行為はすべていじめ(あるいはいじめ的な行為)であると認定してもよいでしょう。
子どもたちに接するときには「自分がされたらいやだなと思うことを人にやってはいけない」という判断基準で整理させるのがよいと思います。
いじめの加害者に対する処罰について
上記の、斎藤環さんの記事の中では、加害者には処罰をすべきという記述があります。確かに、加害者が何の責任も追及されず、のうのうとしているのは被害者にとっても加害者本人にとってもよいことではないと思います。
一方で、どんな行為が処罰に値する酷い行為なのかをどこかで宣言、説明をしていることが重要です。
「いじめ」に該当する行為とは「例えば、こういう時にこんなことをする行為である」という説明を全員が納得できるように説明することが大事です。
その上で、起きた事象と宣言・説明内容を照らして、やはりおれは「いじめ」に該当するといわざるを得ない場合は、やむを得ず処罰を与えるという行為が必要だと思います。
いじめ自体が後々に後遺症を残す酷い行為だということを早い段階で多くの子どもたちに伝えることが大事です。
斎藤環氏は、いじめの抑止には「指導より処罰」という論調です。加害者側の言い分への配慮はしたにせよ、処罰を下すことが被害者を納得させる方法で、その納得が被害者の後遺症を抑えるということでした。
自分もその意見にはおおむね賛成ですが、「いじめとはどういう行為か」を知らない生徒にいきなり処罰はやはり忍び難いと思います。最初に、どういう行為が「いじめ」に当たるかを事例を交えて説明しておくことが重要ではないかと思いますが、皆さんはどう感じますか?
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