入試が終了したら、これまで我慢していた色々なやりたいことを解放して楽しい時間を取り戻したいと思っていると思います。
でも、受験勉強なんて機会は人生に何度もない貴重な経験です。
入試終了直後だからこそできることがあります。
ここでは入試終了後にやっておくべきことを取り上げます。
受験勉強は一大プロジェクトだったはず
高校入試でも大学入試でも、あらかじめ決められた試験日に向かって、自分の学力をコントロールし合格水準まで持っていくというのはなかなか難易度の高いことです。
社会人になると多くの仕事は締め切りと予算という制約条件の中で進行します。
○○年○月○日までに△△を求められた品質で、□□円以内で作り上げて欲しいというようなイメージです。
仕事のできる人というのは、周りの協力を得ながら、
①アウトプット(品質)
②費用(予算)
③締め切り(納期)
の3つのバランスをとりながらいずれも最大化することができる人です。
実は受験勉強も似ていませんか?
②の予算は受験生にはコントロールできないかもしれませんが、予備校に通える人・通えない人などの条件はつくことがありますよね。
①は志望校に求められる学力レベルでしょうし、③は試験日があらかじめ設定されているわけですから明白です。
このように受験は一大プロジェクトだったのです。
そして、受験勉強は社会人として使える人間になるための訓練でもあるのです。
学歴の高い人が有名企業に就職しやすいのは、仕事と受験勉強の関係が影響しているのです。
もちろん、受験なんかしなくても使える人間になっていれば学歴なんて関係ないのですが…。
日本はまだそこまで学歴から脱却できていないですけれども…
受験終了後に振り返るべき項目
受験終了後に以下の項目を振り返ると自分がどんな傾向の人間かわかってくると思います。それを把握して学ぶことが次の経験への糧となります。
1.受験勉強のスタート時期
入試結果から逆算して、本格的な受験勉強を始めた時期は適切だったでしょうか?
多くの受験生は、もっと早くスタートを切ればよかったと振り返ります。
では、なぜスタートを早くきれなかったのでしょうか?
そこを振り返れると次に向けた自分の課題が分かります。
スタートが早く切れない理由の一つに、「こんなに大変だとは思わなかった」ということを挙げる人がいます。
初めての経験でその大変さをイメージできなかったということです。
これは、突き詰めると事前の情報が足りなかったということになるのですが、先輩や塾の先生などに言葉では聞いても実際にやってみるまで理解はできないという人間の弱点を浮き彫りにしています。
分からないことに取り組む時は少し余裕を持って(10〜20%程度)スタートすることが重要です。
2.入試教科の得点バランスは取れていたか
一般入試の場合、合否は受験教科の合計得点で決まります。どれも余裕のぶっちぎり合格ならなんの問題もありませんが、多くの受験生は合否ラインギリギリでの勝負となります。
その際に重要なのが、教科バランスです。
得意教科と苦手教科は誰にでもあると思いますが、全教科の得点バランスを見渡して、入試までの残り時間でどの教科にどの程度の時間を割くかを考えていたはずです。
実際の入試当日の手応えや自己採点結果などから自分の判断が正しかったかどうかを振り返っておくと良いでしょう。
自分が客観的に今やるべきことの優先順位を正しく判断できるかを振り返ることができます。
入試は皿回しと一緒で、勉強時間のバランスが崩れると一部の教科の得点が下がり、合計点で合格ラインに届かなくなります。常に各教科の得点力(皿の周り具合)を見ながら、力を入れる教科を調整していく力が求められるのです。
3.過去問演習のスケジュール管理は適切だったか
一般入試においては「過去問演習」を入試当日までにきちんとやり切ることが大変有効です。
過去問演習はやって終わりではなく、自己採点と採点結果に基づいた弱点補強のサイクルが必要です。
1年分を丁寧にやると上記の通り10〜13時間くらいかかります。
これを5年分やれば50〜60時間かかるということで、1日5時間割いても10日間は過去問に振り回されることになります。
もちろん、ここまで丁寧にはやらないという選択も可能ですが、過去問は入試本番に一番近い環境です。
受験対策の王道としては、過去問を最後まで使い倒すことが合格への最短ルートということになります。
そんな中、自分の過去の学習を振り返り、過去問演習で何を学ぶつもりなのか、それにどの程度時間がかかると考えたのか、スケジュールをどのように組んだのか、そのスケジュールと実際の結果はどの程度のズレがあったのか、を振り返ることで、スケジュール立案と管理能力の振り返りができるはずです。
スケジュール立案・スケジュール管理、ズレが発生した場合のリカバリーはどんな仕事についても必ず要求される基本能力です。
受験を通じて自分の傾向を把握しておき、次への学びとしていきましょう。
協力者してくれた人への感謝
もう1つ大切な振り返りがあります。
受験は一人でできるものではありません。必ず支援してくれた人がいるはずです。
①両親(経済的な支援、生活基盤などの支援)
②友達(一緒に頑張ってきた勉強垢やクラスメート)
③学校の先生(報告書作成や進路相談)
④塾や予備校の先生(学習指針や課題提供、モチベーション管理)
人間は、一人で何かを成し遂げるには心が弱すぎます。
それを理解した上で、必要に応じて誰かの助けを借りることが受験においては意味をもったはずです。
その事実を謙虚に振り返り、感謝の意を伝えるべき人にはきちんと感謝の言葉を伝えましょう!
まとめ
日本で学歴が重視される背景は、受験勉強が社会人基礎力のベースを担っているという歴史があったからです。
ここまでに書いた力は時代が変わっても求められる基本能力であることに変わりはありません。
今後、AIなどが発達してくると、具体的な実行はAIが担い、人はAIに何をやらせるのが効果的かといった企画立案の方にウェイトが移ってくると思います。
その際に全体を見渡して、どこから優先順位をつけ、決められた納期までに成果を最大化するにはどうすればよいかを考えられる人材が求められてくるはずです。
今回受験の経験を通して、自分がどのような特性を持った人間がを把握し、次の成長の場にステージを上げていってください!
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