
古典の基礎⑦では高校入試レベルでも覚えておきたい6つの助動詞を紹介しました。
この6つが確実に訳せるだけで古典の理解力はかなりパワーアップするはずです。
今回はさらに上を目指したい人のための助動詞7つです。
後半は暗記もそれなりにありますが、その先に見える世界はかなりの高見ですので、頑張りましょう!
高校入試で難関高レベルを目指す人が知っておくべき上動詞は以下の7つです!
⇒「き」「じ」 「まじ」 「べし」 「り」「まほし」「ごとし」の6つが大事
なぜ、この7つが難関校で必要か、その理由がわかります。
⇒活用した時の形が特殊だったり、使い方が特殊で知識の有無で差がつきやすい。
覚えておきたい重要な助動詞 7選 ~私国立難関レベル~

今回は最難関校を目指す人向けの差がつく助動詞7選です。
前回も書きましたが、古典で出てくる助動詞は全部で28種類あります。前回の6つと今回7つでその約半分を覚えることになります。高校生になったら全部覚えないと厳しいのですが、中学レベルでここまで正確に訳せれば古語の知識はどの学校でも通用するレベルだと思います。
【再確認】助動詞の知識の整理のしかた
以下の3つの知識があるとかなり有利です。
①助動詞の意味と訳し方
⇒現代語訳をするときに必要です。
②その助動詞の前に来る言葉の活用形は何形か
⇒今見ている助動詞が何かを判断するときに前の言葉の活用形が目印になります
③その助動詞自体の活用のしかた(特に未然形・連体形・已然形)
⇒未然形・連体形・已然形を知っておくと、係り結びの法則や「ば」の訳し方が正確にできます。
「き」
① 意味と訳し方
「〜た」と訳します。意味は「過去」
※現代語にない助動詞のため、知識を入れておかないと対処できません。
②助動詞の前の言葉の活用形
連用形
③活用のしかた
※現代語と全く異なる特殊な活用なので何回も口ずさんで覚えた方がよい。
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)桜のなかりせば ⇒ 佐倉の木がなかったならば
※「せ」は未然形なので、「~せば」は仮定条件となり「~たならば」と訳す。
過ぎ去りしかば ⇒ 過ぎ去ったので
※「しか」は已然形なので、「~しかば」は確定条件となり「~たので」と訳す。
都を去りし人 ⇒ 都を去った人
じ
①意味と訳し方
「〜ないだろう」 と訳します。意味は「打消し推量 」
「〜ないようにしよう」と訳します。意味は「打消し意志」。
助動詞「む」を打消したものと考える。
②助動詞の前の言葉の活用形
未然形
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)都にはあらじ。 ⇒ 都にはいないようにしよう。
雨は降らじ。 ⇒ 雨は降らないだろう。
べし
①意味と訳し方 意味がたくさんなるので注意!
「〜だろう」⇒意味は「推量」。
「~しよう」 ⇒意味は「意志」。
「~できる」 ⇒意味は「可能」。
「~はずだ」 ⇒意味は「当然」。
「~しなさい」 ⇒意味は「命令」。
「~がよい」 ⇒意味は「適当」。
6つの意味の頭文字をつなげて「スイカトメテ」と覚えると忘れにくい。
②助動詞の前の言葉の活用形
終止形
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)雨の降るべし。⇒ 雨が降るだろう。
羽のなければ、飛ぶべからず。⇒ 羽がないので、飛ぶことができない。
この橋、渡るべからず。 ⇒ この橋を渡ってはならない。(命令+打消しなので禁止)
④例文と訳し方
例)雨の降るべし。⇒ 雨が降るだろう。
この一矢に定むべし。⇒ この一本の矢で決めよう。
羽のなければ、飛ぶべからず。⇒ 羽がないので、飛ぶことができない。
子となりたまふべき人なり。⇒ 子におなりになるはずの人である。
この橋、渡るべからず。⇒ この橋を渡ってはならない。(命令+打消しなので禁止)
住まひは夏を旨とすべし。⇒ 住まいは夏を主とするのがよい。
まじ
①意味と訳し方 意味がいっぱいあるので注意。
「べし」を打ち消したものと覚える。
「〜ないだろう」⇒意味は「打消し推量 」
「〜ないようにしよう」 ⇒意味は 「打消し意志」
「~ないほうがよい」 ⇒意味は 「不適当 」
「~ないはずだ」 ⇒意味は 「打消しの当然」
「~できない」 ⇒意味は 「不可能」
②助動詞の前の言葉の活用形
終止形
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)雪など降るまじ。 ⇒ 雪などは降らないだろう。
我、行くまじ。 ⇒ 私は、行かないようにしよう。
聞かすまじきこと ⇒ 聞かせないほうがよいこと。
あるまじきことなり。 ⇒ あるはずのないことである。
今宵は帰るまじ。 ⇒ 今晩は帰ることができない。
り
①意味と訳し方
「〜た」と訳します。意味は「完了」。
「〜ている」と訳します。意味は「存続」。
②助動詞の前の言葉の活用形
サ行変格活用の未然形 ⇒ 「~せり」の形
四段活用の已然形 ※「四段活用」は現代の「五段活用」に似ている活用。
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)我、奇襲に成功せり。⇒ 私は、奇襲に成功した。
生きとし生けるもの ⇒ 生き、生きているもの(全ての生きているものの意)
まほし
①意味と訳し方
「〜たい」「~てほしい」と訳します。意味は「希望」。
②助動詞の前の言葉の活用形
未然形
③活用のしかた
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 意味 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
り | ら | り | り | る | れ | れ | 完了 存続 |
④例文と訳し方
例)あらまほしきことなれば ⇒ あってほしいことなので
聞かまほしからず。⇒ 聞きたくない。

現代語になじみがなかったり、意味がいっぱいあって覚えづらかったりするかもしれませんね。
大切なのは、例文をきちんと訳せるようにするということです。
単語で頭に入れるのではなく、例文として(用例として)頭に入れることが定着のコツですよ!
ここまで訳せれば、高校入試はかなりの難関校でも合格点にたどり着けるはずです。
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