国語の読解問題に苦しんでいる人たち向けに、何回かにわたって、勉強時間を増やさずに得点をあげる手法をいくつか紹介中です。
その一つとして、今回は「選択問題の解き方」のツボをご紹介します。
選択問題はなぜあるのか
たとえば、こんな問題が選択肢問題です。
国語の読解問題において「選択肢問題」という一見邪道な出題形式があります。
本文の意図を正しく読み取れているかをテストするのであれば記述問題で問うのがベストです。
ところが、それでは採点が大変ということで、あらかじめ選択肢を複数作っておき、適切なものを選ばせるという方式が広まりました。
選択肢を作るのはとても難しい
選択問題は採点は簡単なのですが、作問は大変難しいです。
受験生が選んでくれて且つ間違いという絶妙なラインを作るにはかなり高い能力が必要です。
あまりに見え見えな選択肢ですと、みんな正解しますし、微妙すぎると問題公開後に塾などに批判されます。
したがって、作問者は本文中の表記を根拠に解答を絞れるポイントを作って誤った選択肢を作るのです。
そこを見破れるようになれば、選択問題もかなりの達人の域なのですが、受験生はそこまで丁寧に選択肢を吟味しませんので、一定数、作問者の罠にハマって間違うことになるのです…。
では、どうすれば正解できるようになるのでしょうか?
出題者の意図に乗ることが大事
一番大切で、且つ、基本的なことは、書いてある文字に忠実に従うということです。
書かれている文字を一つ一つ尊重するという言い方が正しいかもしれません。
飛ばし読みをしたり、わかった気になって最後まで読まないといった態度を取らないことが大切です。
設問文→下線部→下線部の前後の文→選択肢の順に丁寧に読み取るようにしましょう。
先ほど問題の例で少し考えてみましょう。
上記問題では「軽い敵意を感じたのはなぜか。」とあります。
解答に結び付くのは、傍線部の前後が多いのですが、この本文は傍線部の少し前に以下のような記述があったのです。
設問で聞かれているのは「軽い敵意」を感じた理由なので、相手をライバル視・敵視するきっかねになるものがあればよいのですが、上記の本文部分に以下のような記述があります。
「震災後の東京の道路 は自動車を躍らすことも一通りではない。」「が、 鍛冶町へも来ないうちにとうとう読書だけは断念した。この中でも本を読もうというのは奇跡を行うのと同じことである。」
とあることから、車の揺れがひどくて読書を断念したということがわかります。
これをヒントに宣教師を敵としてみる理由としてふさわしいものを絞り込めばよいのです。
自分が断念した読書を宣教師が続けていることが軽い敵意の元となったと気づければ解答は「ア」とわかると思います。
解答の方針を決めてから選択肢を見ることが大事
選択肢問題の正答率を上げようとしたときに意識して欲しいことがあります。
それは、選択肢を見る前に解答を決めるということです。
ある選択肢問題があって解答を選ぶ際に、選択肢を見る前に、「正解の選択肢にはこんなことが書いてあるだろう」と予測を立てるのです。記述問題だったらどんな解答を書くだろうかと考えて、解答の骨子を頭の中にイメージしておくのです。
問題文の読み間違いなどがなければ、そのイメージに一番近い選択肢が正解となるはずです。
これが、選択肢を読んでから絞り込むとなると、選択肢に巧妙に仕組まれた言葉に目が奪われてしまい、冷静に書かれている内容から答えを選べなくなってしまう人がいます。
そうならないためにも、一度、選択肢を見る前に解答の骨子を決めておくことが重要なのです。
選択肢問題を簡単だと思っている人は、考え方を少し改めた方が成績が上がるでしょう。記述式問題に比べて、出題者の意図をくみ取って回答を選ぶ選択問題はむしろ多面的な読み取りが必要で難易度が高いと考えるべきです。
それでも、丁寧に向き合えば必ず解答にたどり着けるように出題者は問題を作っていますので、その流れをきちんと読み取るようにしましょう。
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