【再度検証】2021年度大学入試はどうなる!?(その2)

大学入試
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まさお
まさお

4/7にこのブログに大学入試の予測記事を書きました。
個人ブログの強みで他のメディアよりかなり早いタイミングで予測しましたが、他のメディアの論調と比しても、そこそこ適切な内容だったかと思っています。

あれから1ヶ月た経ち緊急事態宣言も延長となりました。
2021年度の大学入試はどうなるのか、第2段としてその後の情勢も加味して、展開を予測していきます
少し大胆な予測をしていますが、意外と現実的だと思っています。

ちなみに1か月前の第1段の記事は以下の通りです。参考までに張っておきます。

21年度大学入試予想ポイント

1.大学入試共通テストは中止または日程後ろ倒しの可能性大
⇒現役生の現状を見て予定通りの実施は難しい
2.国立は2次試験のみ(独自試験のみ)で入学者を選抜。
前期の日程もぎりぎりまで後ろに倒す。後期試験はなくなる可能性大。
3.一部希望者を9月入学入試に回し、9月受けれを行う。
定員の一部を9月入学に振り分け受験者の分散を図る。
⇒現役生で間に合わない人は7月入試、9月入学を選択できるようにする。

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3ヶ月の休校が与える影響

3月からスタートした学校の一斉休校。5月4日の緊急事態宣言の全国一斉延長により、大半の高校は5月末までの休校延長を余儀なくされています。

3月からの3ヶ月にわたる休校は学習進度をはじめとして、受験生にどの程度の影響を与えるのでしょうか?

なんとか取り戻せる中高一貫私立と絶望的な公立

現役生にとって高校3年間はカリキュラムとの戦いです。

中学から高校内容の学習をスタートさせ、高3の大半を選択科目と入試対策で進められる私立の一貫校に比べると、公立の学習ペースはかなりタイトです。

よく「現役生は入試直前まで伸びる」と言いますが、浪人生と11月ころの模試で戦っても経験量で現役は不利なわけです。

それが年末から1月にかけて一気に過去問演習などを通じて経験値を上げ、入試当日までに浪人生と肩を並べる。現役生は直前にならないと同じ土俵に上がれない構造になっているのです。

ところが、今回の休校は、直前スパートがかけられないほどの影響を与えます。

カリキュラムの消化自体に年末までかかってしまうようでは、入試の過去問に合わせた学習ができません。
普通に考えたら浪人生や私立一貫校の生徒に勝つのは相当厳しいと言わざるを得ないでしょう。

まさお
まさお

私立中高一貫校も3か月の休校は厳しいのですが、未履修範囲が少なければ生徒自身が演習量の確保によってなんとかできてしまいます。また、私立は公立以上にオンライン授業なども進んでおり、私立が有利であることは揺るがないと思います。

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模試の実施状況も相変わらず不透明

5月6日段階の三大予備校+東進の模試は以下のような状況です。

駿台5/3 学力判定模試 会場受験を中止
5/31 第1回駿台全国模試 受付中
河合塾6/3 第1回全統共通テスト模試を中止
6/24 第1回全統記述模試を中止
代々木ゼミナール6/21 名大入試プレ
 受付開始を4/21から5/12へ延期
東進4/21 第2回共通テスト本番レベル模試
 東進生は自宅オンライン受験
 一般性は中止

上記の通り、4月~6月実施の模試はおおむね中止になっています。感染リスクを考えると実施は難しいと思います。特に、模試を強行して感染者が出てしまうと、それ以降の模試の実施が難しくなってしまいます。
予備校の立場としては入試直前期に模試ができない方が厳しいので、年度の前半を我慢したいというのが本年だと思います。

東進は内部生向けに自宅オンライン受験を進めています。母集団も内部生のみで少し不安ですが、果たして自宅受験の答案が入試を占うデータになりうるかは当事者でなくても疑問に思うところだと思います。

まさお
まさお

受験生にとって、自分の位置を知り学習の方針を立てる模試が実施されないことは、かなりこたえるはずです。
自分の今の位置入試本番までの残り期間を見て学習ペースは決まるのですが、今は「自分の位置を測る模試が実施されない」、「入試がいつ行われるかも流動的」という二つのマイナス要素を抱えていることになります。

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客観的には普通に大学入試を行うのは無理

上記のような諸々の状況を冷静にみると、入試を例年のスケジュールで強行するのは特攻のような状況になります。

カリキュラム消化志望校選び模試による状況把握過去問等の対策など、ただでさえギリギリのスケジュール感の中でなんとか間に合わせてきたものをさらに詰め込むのは、受験生(特に現役公立校生)にとって厳しすぎると思います。

ではどうすれば良いのでしょうか?
取り得る選択肢を考えてみました。

21年度大学入試への提案

1.共通テストは中止し、各大学個別試験のみで入学者を選抜する。
2.国公立の2次試験は前期の内容をできるだけ後ろに倒し、後期は中止する。
 (6月入学など2か月程度の後ろ倒しも視野に入れる)
3.4月入学枠以外に、半年先の9月入学枠(30~40%)を21年度のみ設定を行う。
4.2021年7月に9月入学枠向けの入試を行う。
5.9月入学者は3年半後の卒業と4年後後の卒業を履修の仕方で選べるようにする。

共通テストはあり方が変わる可能性が高い

最初に考えるべきは共通テストのあり方です。

端的に言えば、21年度入試では中止が良いと思います。

現時点で1月中旬までに学習範囲をすべて終えて試験に臨むのは難しいと思います。
考えられる選択してして…

1.予定通り実施
2.日程を1か月ほど後ろにずらす
3.試験範囲を一部狭める
4.実施自体を取りやめる

あたりが挙げられるのですが、国公立には2次試験があること、私大も共通テストのみの募集枠は限られていることなどを考えると、2次試験(私大は個別試験)に寄せてしまった方がよいと思います。

同一日程に50万人が動く試験というのは実施そのものにリスクが伴うと思います。

まさお
まさお

大学側の準備があるので、検討・発表は早い方がよいと思います。客観的に見て、予定通りの実施はかなり厳しい情勢であると言わざるを得ません。

国立2次は前期日程をできるだけ後ろ倒しにし、後期は中止!?

共通テストを廃止し、従来の2次試験のみで選抜を行うのがよいと思うのですが、日程を従来のものから2~3週(ギリギリまで)後ろに倒し、後期試験をやめてしまうのがよいと思います。

試験範囲を狭めるのは一部の受験生にとって有利不利の問題が必ず出てしまうので、あまり動かせないと思います。

大学側が4月入学を多少ずらしても人事面や経理面で問題がないのであれば、6月入学など2か月程度入学時期そのものを少し後ろに倒してしまうというのはあり得ると思います。

学校教育法の見直し等が必要になりますが、時限立法で特別対応することも視野に入れてよいのではないかと思います。

まさお
まさお

入学時期よりも卒業時期をずらす方が難しいと思います。3月末ギリギリまで授業を行い、卒業式などの行事は4月中旬の土日やゴールデンウィークを使って実施。入試は4月下旬~5月上旬にかけて行うというイメージになると思います。年度予算とのバランスが難しいです。

募集定員の一部を9月入学に振り分け、7月に入試を行う!?

亥かは予測というよりも提案に近いです。

全体を9月入学にするのは学校経営上問題が大きく難しいと思います。一方で前述の通り、現役生(特に高校受験をした現役生)は私立一貫や浪人生に比べ履修終了時期でかなり不利ですから、4月入学を強行した場合に不本意な入試になる可能性が高いです。

これは大胆な提案かもしれませんが、募集定員の30%~40%程度を9月入学枠として切り分けてしまい、7月に入試を行うという手法が検討できないかと思います。

従来200名の募集をしていた場合、
・4月入学で140名募集。
・9月入学で60名募集。

ただし、9月入学募集は現役生のみで浪人生は受験資格がないといった具合です。

大学側は入試を2回やるので問題作成等が大変ですが、現役高校生は受験チャンスを2度与えられるという対応です。

21年度暫定の9月入学組は卒業時期を選べるようにする

9月入学組は単位履修により、3年半後の2025年3月に卒業するか4年後の2025年7月に卒業するかを選べるようにします。

これは企業の新卒採用とのバランスで調整が必要ですが、今は新卒を大量にとる企業がだんだん減ってきていることもあり、通年採用枠に7月卒業組を加えるように事前に周知することである程度の対応は可能ではないかと思います。

まさお
まさお

最終的にどのような判断がなされるか予断を許しませんが、受験生は目の前の課題に取り組み、着実に前進するしかありません。
文科省を中心に、大人が受験生の立場に立ってどのような対応をすべきかきちんと考えないといけないと思います。

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