【範囲縮小より難しい】高校入試の選択問題の導入と対処法

教育に関する政策
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まさお
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こんにちま。まさおです。
文部科学省は新型コロナウイルスによる休校措置への配慮として、高校入試において範囲の縮小や選択問題の導入といった配慮をするように全国に通知を出しました。
東京や大阪などは出題範囲の縮小を選択しましたが、山口県は選択問題の導入を発表しました。

今回は「高校入試における選択問題導入と対応の留意点」を取り上げます。

選択問題の対応ポイント

選択問題はどちらを選ぶかの判断基準を持っていることが重要
⇒その問題を見て、解けるかどうかを瞬時に判断する練習が必要
選択問題の選択比率や難易度にばらつきがあると合否に影響も出る
⇒試験範囲縮小以上に差がつきやすいので、十分な準備が必要

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選択問題が持つ本質的な問題

入学試験の基本は、同日・同時刻・同内容での一斉試験です。これにより後腐れのないフェアな競争が行われ、その得点によって合否が決まります。中学入試の世界は多くがこのパターンで試験をやっており、「武運」に近い当日の出題内容とのめぐりあわせによる合否もかなり出ています。

一方で、同一問題をやめて選択問題に切り替えると多少なりとも不公平感が出てしまいます。これはセンター試験などでよく見られた現象ですが、「化学」を選択した受験生と「生物」を受験した受験生で平均点が20点以上開いていしまい、得点調整が行われるといったことが過去にありました。

センター試験はまだ自分が選んだ選択「科目」による差なので、多少の見込める部分があるのですが、同一科目内の大問単位の選択ですと難易度にあまりに差があると不公平感が強まってくると思われます。

そもそも試験において、2つの問題間の生徒の分布を同じにすることなどほぼ不可能です。選択問題制というのはそういう性質のものだということを最初に理解しておく必要があります。

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2021年度入試においては山口県が選択問題制を発表

この選択問題制を2021年度入試で採用することを山口県が発表しました。

Yahoo!ニュース
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山口県の選択問題制の要点は以下の通りです。

・5教科すべてに選択問題制を導入する
・試験範囲の縮小は行わない
・選べる問題の数や配点は公表しない

・従来やっていた学校指定教科検査は中止とする

5教科すべてに選択問題を導入すると言っています。国語などは選択問題制を入れる意味があるのか微妙な気もしますが、数学や理科・社会などは確かに選択問題制をとることで未履修範囲をうまく避けて受検させることが可能になるかもしれません。

まさお
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今後、山口県以外でも選択問題制を採用するエリアが増えてくるかもしれません。状況を注視して見守りたいと思います。

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選択問題制の受験の仕方

今回のような学習の遅れに配慮した選択問題制というのは、各教科の出題範囲を意図的にずらすことによって生徒が学習したことのある範囲で受験ができるようにという配慮に基づくものです。

一般的には中3の教科書の後半の内容を選択的に受験できる(教科書によって配列が前後するようなところを中心に出題する)というのがメリットです。
ところが、冒頭に書いたように問題の難易度をそろえられるとは限らないので、受験テクニックが入り込む余地があるのです。

習ったかどうかよりも得点できるかどうかが大事

選択問題でどちらの問題を選ぶかは意外と大きな決断です。一般的に選択問題は多くても2~3科目くらいなのですが、5科目すべてに選択問題があるというのは珍しく受験生も気を遣うことと思います。

選択の際の視点は、ズバリ「得点できるか」です。
問題を見るときには以下の視点をもって問題選択をすることで有利に試験を進めることができます。

1.学校や塾で習った単元かどうかの視点
⇒当然習っていない内容は選択しないのが原則
2.習った方の単元の問題の難易度をチェックする視点
⇒習った方の単元は得点できるのかを問題を大まかに見てチェック
3.習っていない方の単元にまったく手が出ないのかを確認する視点
⇒学校では習っていなくても問題が簡単で溶けてしまうこともあるので確認は必須。
4.どっちを選ぶとより高い得点が取れるかを冷静に判断する。
⇒習ったかどうかよりもどっちの方が自信をもって解答を書けるかで判断する

どっちも習ったことがある場合の判断基準も必要

どちらかが習っていない範囲であれば選択は比較的しやすいのですが、学校によってはすでにどちらも習っているというケースもあるでしょう。その場合はどのように判断すればよいのでしょうか?

どっちも習ったことがある場合は、「自分の好きな単元・得意な単元」を優先する。

改めて言われると当たり前なのですが、試験中は意外と冷静さを欠いているものです。どちらも習っている内容が出た場合は「自分が好きな方」を選ぶのが基本です。

入学試験のような緊張感を伴う場面では、自分の得意とするところで戦った方が実力が発揮しやすいです。普段やっていないことをやろうとすると失敗するのが本番ですから、「練習通り」に事が進むのが最善と考えましょう。

そうすると、おのずと「自分の好きな単元・得意な単元」こそが合格に近づく最善の選択であるとわかります

試験時間が余ったら選択していない方の問題も解いてみる

試験時間に余裕がある場合は、選択しなかった方の問題も解いてみることおすすめします。問題の一部を見てどっちを解こうとするのかというのは実はかなり技術のいることです。なんとなく選んで、試験が終わってからゆっくり問題を見てみたら、「こっちの方が簡単だった」というようなケースは容易に想像できます。

選択しなかった方の問題を解いてみることで、解答欄に解答を書いた問題とどちらが解答がしやすいかを確認しておきましょう。実は後から見直した問題の方が解きやすいのであれば、そちらを選択しなおして解答するというのも十分あり得ると思います。

まさお
まさお

ポイントは試験時間を最大限有効利用して、1点でも多く得点を取るにはどうすべきかという視点です。
普段のテストで選択問題が出る場合も上記の視点で取り組んでみると少し得点が上がるはずです。

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