こんにちは。まさおです!
9月3日東京都私立中高協会がオンライン融資自粛の申し合わせをしました。それまでオンライン入試の実施を予定していた学校は、すでに発表していた予定を変更して中止を発表しています。
相次ぐ「オンライン入試中止の背景」を考えてみます。
首都圏中学受験のオンライン入試の取り扱い
最初に首都圏私立中のオンライン入試の取り扱いについて確認をしておきましょう。
東京都はいち早く9月3日の理事会で自粛の申し合わせを行いました。
エリア | オンライン入試 |
---|---|
東京 | 自粛を求める |
神奈川 | 各校の判断に任せる |
千葉 | 各校の判断に任せる |
埼玉 | 原則中止 |
上記のように神奈川・千葉は各校の判断にゆだねていますが、埼玉は9月15日の私立中高協会の理事会で原則中止の申し合わせをしています。
なぜこの時期にオンライン入試を突然中止にするのか
すでに一部の学校がオンライン入試をやると発表していたにもかかわらず、その予定を変更させてでもオンライン入試を自粛や中止にしなければならなかったのはなぜでしょうか。
主な理由は以下の2点です。
入試の現場で不正を防ぎきれない
コロナの感染防止のためとはいえ、これまで全く知見を持っていなかったオンライン入試をいきなり一般入試の本番で導入するのは自信がないというのが実際のところだと思います。
入試は通常の業務に比べて、高い公平性とその結果で受験生の人生を左右してしまう責任の重さから、言うまでもなく高い緊張感を持って運営されています。
コロナ拡大期においてはそうはいっても受験生やその家族を命の危険にさらすわけにはいかないということでオンライン入試も認めざるを得ないというスタンスだったとも割れます。
ところが8月下旬ごろから感染者がいるにはいても、マスコミもそれほど騒ぎ立てない、緊急事態宣言のような動きにつながるとも思えないような空気が蔓延し始めました。
それまでオンライン入試やむなしというスタンスに近かった人たちも、入試そのものに不正のリスクを背負い込む必要があるのか?と少し冷静になったと思います。
そんな中の理事会開催で、不正入試のようなゴシップを避けたいという思惑からオンライン入試中止の申し合わせに至ったと思われます。
IT先進校に受験生を奪われたくないという思惑
もう1つの理由はオンライン入試をきちんとできる技術を持った学校と、そこまでの技術や人材を持ち合わせていない学校の生徒の取り合いの観点です。
オンライン入試を解禁すると、IT先進校は独自の入試の仕組みをどんどん作っていき、ITが苦手な学校には到底追いつけないような入試制度を作り上げてしまう可能性があります。
私立中高協会というのは私学の互助会的な要素もあり、一部の学校が利益を僧どりするようなことは認めたくありません。その意味では、入試をフェアにやりたいという精神から、オンライン入試自粛または中止に持ち込んだといっても過言ではないと思います。
ただ、この側面は受験生側というよりも学校側の思惑を重視している対応で、あまり受験生ファーストとは言えません。
きっと私立中高協会は不正が起こり得る入試は、結果的に受験生の不利益になってしまうというようなことを言うのだと思いますが、逆に「不正を起こさない仕組みが運用できる自信のある学校はオンライン入試でも可」というように、実施を決めた学校に高い水準の試験実施を求めるような整理の仕方もあったと思います。
今後感染者の再拡大や小中学生のクラスター発生があると混乱も
神奈川や千葉は学校ごとの判断に任せていますので、首都圏全体がオンライン中止に足並みがそろっているわけではありませんが、東京が自粛としたことでオンライン入試自体が特別な入試に見えているのは事実です。全体の潮流はオンラインをやらない方向に流れていくでしょう。
この判断は現在の新型コロナウイルスへの評価が、ある程度感染予防の措置をとれば大規模な感染者を出さずに対応できそうというレベルに変化してきたことを意味しています。学校の防疫措置の基準も隣の席までの距離を短くするなど、少しずつ新型コロナへの対応ノウハウができてきているということです。
ただ、東京中学入試は2月1日に多くの学校が一斉に試験を行うため、この日の小学生の行動の仕方は年に1回だけの特殊な動線になるはずです。各学校が受験生の座席の間隔を広げたにしても、休み時間や試験終了直後などはいわゆる濃厚接触に近い状態になる可能性は高く、学校側の徹底した防疫体制が取られなければ、オンラインを自粛したこと自体を叩かれるリスクもあります。
最後は、受験生自身が試験場で自覚をもって感染予防行動をとることが求められることになると思います。
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