こんにちは。まさおです。
11/8、朝日新聞は全国の教育委員会に修学旅行の実施状況に関する調査結果を公表しました。
修学旅行中止は約15%。66%の学校が実施はしたものの、そのうちの8割超は行先変更や日程短縮など、例年と異なる対応をしていました。
今回は「修学旅行の実施状況とその意義とは?」を取り上げます。
朝日新聞の調査結果
まずは元となっている朝日新聞の調査結果を確認しましょう。以下の記事で確認可能です。
実施状況 | 割合 |
---|---|
実施 | 66% ただし、そのうちの8割超は行先変更や移動手段を変更。 ⇒予定通り実施は約12% |
中止 | 15% |
検討中 | 19% |
修学旅行を実施したい理由
3分の2の学校は何らかの形で修学旅行を実施しました。背景にあるのは10/2の文部科学省からの依頼です。文部科学省は全国の学校設置者に対して、「修学旅行を安易に中止しないように」という趣旨の依頼文書を通知しました。主に以下のような項目は文科省の依頼の理由として考えられます。
・学校教育における重要イベントである
・Go To トラベル事業等で補助も受けられる
・児童生徒のコロナ禍におけるストレス対策
・旅行業界への配慮
学校側が行先変更等をするのはなぜ?
そんな背景なら当初の予定通り実施すればよいわけですが、現実的には予定通り実施したところ全体の12%にとどまっています。一方でGo To トラベルと言い、一方で予定通り修学旅行が実施されないというねじれた状況に陥っています。
主な理由は以下の通りです。
1.大勢の生徒が同タイミングで移動する修学旅行は社会の目が厳しい
⇒感染自体が収束しておらず、他都道府県から多くの生徒流入してくるエリアには厳しい目もある
⇒場合によっては生徒が攻撃にさらされてしまう可能性があり、遠慮せざるを得ない。
2.万が一修学旅行先で感染がおこった場合のリスクがかなり大きい
⇒学校側も旅行先での対応に追われることになり、対応力に自信がない
⇒バスの移動などにすれば感染が万が一あったとして、電車に比べ影響は抑えられる
⇒遠方ではなく、同一都道府県内にすれば万が一の際のバッシングも大きくならない
現実的にはアクセルとブレーキを同時に踏むような対応になっています。
学校の第一義は預かっている生徒の安全ですから、それが確保されないまま修学旅行は実施できないということです。
一方で、楽しみにしていた生徒のことを思うと中止にもできないというところでしょうか?
中止にした自治体はなぜ中止にした?
一方で、15%の自治体は修学旅行自体を中止にしました。これはなぜなのでしょうか?
中止にした学校の多くは首都圏などの感染者が多いエリアだったようです。東京都のいくつかの区ではすべての中学校の修学旅行を中止にしています。
文科省からの依頼があったわけですが、現実的には首都圏から多くの生徒がどこなの府県に移動するというのはやはりリスクがあると判断したということです。
リスクをとってまで修学旅行をやるべきか?
上記の中止の判断からもわかるように、「修学旅行をリスクをとってまでやるべきではない」という意見が底流には流れていると思われます。
元来、修学旅行は家族旅行などがまだ一般的でなかった時代に、多くの生徒に将来社会に出た後、活躍できるような視野の広さを身につけてもらうことを目的としてスタートしたという経緯があります。
たとえば、将来東京に出て働く可能性がある生徒に対して、事前に東京がどういうところかを見せておくことは意義のあることだったのです。
一方で、現在は情報も氾濫し東京の様子もテレビなどで連日見られるようになりました。Googleマップなどでも東京の様子を見ることが可能です。家族旅行で修学旅行で訪れる先にすでに行ったことがあるという児童生徒も増えました。
そうなってくると、「わざわざ高いお金を払ってまで旅行をする必要があるのか?」という議論が当然出てくると思います。
個人的には、「修学旅行」によって何かを学ぶというやり方はもはや時代に合わなくなってきていると思います。クラスの友だちとの思い出作りという側面があったにしても、「旅行」という手法にこだわらず、新たな経験の場を考えた方が良いと思います。コロナの状況というのもありますが、このコロナ禍をきっかけに新たな学習スタイルを考えるべきだと思います。
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