入試が近づいてくると、精神的に不安定な状態になってくる受験生が増えてきます。前回の記事でも触れましたが、入試が近づけば不安が増すのはある意味当たり前です。そんな中で結果を出すための考え方に、「受験を団体戦と考える」というのがあります。今回は「受験は団体戦という考え方」を取り上げます。
受験は最終的には個人戦
言うまでもないことですが、受験は最終的には個人の戦いです。
与えられた時間に目の前に配られた答案と向き合い、解答用紙に1つでも多くの正解を書くという孤独な作業です。誰もヒントを与えてくれないし、時間管理もしてくれない学校もある。そんな中ですべてを自分の力でやり遂げなければならないのが入試です。
この「孤独な戦い」は、実は人生ではあまり出くわすことがありません。世の中は仲間と一緒に何かを作ろうという時代になってきていますし、周囲とのコミュニケーションが重視される時代になってきていますから、個人作業をここまでやらせる機会は、定期テストを除けば、ほぼ学校では失われていると思います。
そんな孤独な作業をやり続けるには、よほどの図太い神経がなければ難しいのです。実際に自宅浪人をしている受験生の多くは、孤独との戦いが一番つらかったと振り返るケースが多いです。
では、この個人戦において結果を出すにはどうすれば良いでしょうか?
塾や予備校の仲間の頑張りを自分の糧とする
人間が本当につらくなったときに精神的な支えになるのは、同じ境遇にいる仲間の存在です。同じ志望校を持った受験生の友人がどんな生活を送っているかを知れば、自分もそれに負けられないと発奮することでしょう。
学習塾で素晴らしい結果を出すときというのは、そんなクラスの一体感が発揮されたときです。個々の学習量の確保が限界に近づいたときに、同じクラスの友だちの頑張りを見て、自分を奮い立たせてきた受験生を数多く見てきました。
また、その受験生の頑張りが他の受検生にも波及をして、クラス全体が一丸となって入試に突き進んでいく感じは、指導者としても頼もしく合格可能性を肌で感じる瞬間です。
このようなクラスとしての頑張りにうまく乗っかれるかどうかが、最後に人の日するときには重要です。周りの人とは一線を引いて、「他人は他人、俺は俺」という発想では、一定レベル学力を伸ばせますが、最後に団体戦で戦っている受験生に勝てなくなるケースが多いです。
同じクラスで同じようなレベルの志望校を持っている受験生に対しては、最終調整でどんな学習をしているのかをぜひ聞いてみましょう。それを知っているだけでも、精神的にはかなり余裕が出てくると思います。
仲間を蹴落とすのではなく、一緒に合格するというマインド
良く入試において、同じクラスの同じ志望校の受験生はライバルであるという言い方をする指導者がいます。確かにそうで間違いではないのですが、同じクラスの仲間を蹴落として合格するような誘導は、その受験生のマインドを濁らせます。
本来は、同じクラスの受験生は全員合格すればよいのであって、その中で競争をするようなマインドはたとえ合格をしたとしてもその後の人生に影を落とすはずです。
同じクラスの仲間をきちんと仲間と認めたのであれば、その人の合格を自分のことのように祝福し、その人の不合格を自分のことのように悔しがることができるはずです。
実際に自分が見てきたクラスでも、何年かに1回しかありませんが、そのようなクラスが出て来ます。このクラスは素晴らしい入試結果を確実に出してきます。仮に第1志望に不合格になったとしても、その次の試験でリベンジを果たすことができます。
なぜなら、多くの仲間との切磋琢磨の中で、自分に何が足りなかったかをきちんと自覚できるようになっているからです。
いずれにせよ、受験において重要なマインドは同じクラスの仲間と一緒に合格通知を手にするという意志であって、同じクラスの仲間の間で合格通知を奪い合ってはいけないということです。
どうでしたか?皆さんはここに書かれているような心持で入試に臨めますか?受験は人生において何度もない貴重な経験の機会です。ここをできるだけクリーンに突破することでその後の人生に与える影響はプラスの方向に振れていくでしょう。
正しいマインド・正しいプロセスで合格にたどる着くよう、頑張って行きましょう。
コメント