こんにちは。まさおです。
東京都は令和4年度の都立高校入試においてスピーキングテストの導入を計画しています。その準備として、令和元年からプレテストを実施しています。
3/25、令和2年度の実施結果が公表されました。
今回は「令和2年度スピーキングテストの実施内容と結果」を取り上げます。
どのような出題で正答率はどのような状況になっているのでしょうか?
東京都教育委員会の発表資料
3/25、東京都教育委員会は「東京都中学校英語スピーキングテスト事業 令和2年度実施概要」という資料を発表しました。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2021/files/release20210325_02/bessi.pdf
上記リンクで詳細資料が確認できます。
スピーキングテスト導入スケジュール
本格導入までのスケジュールは以下の通りです。
令和4年度の中3生に行ったスピーキングテストのスコアを令和5年度の都立高校入試で活用する予定ということで、試験当日にテストをするのではなく、事前に実施したテスト結果をスコアとして入試の持ち込むよう想定です。
令和2年度確認プレテスト①の概要
今回実施されたプレテストの概要は以下の通りです。
大学や中学校などの会場内で防音用のイヤーマフをつけて一斉にテストをする形をとっています。
期間も令和2年10月21日~12月11日と約2か月にわたって実施されました。
受験結果について
東京との発表資料に詳細が出ていますが、要約すると以下のような結果になっています。
評価の観点
大問4つに対して、3つの評価の観点が割り付けられています。
ア コミュニケーションの達成度(2段階)
⇒コミュニケーションの目的の成立
イ 言語使用(5段階)
⇒語彙、文構造、文法の適切さ及び正しさ
⇒内容の適切さ(一貫性・論理構成)
ウ 音声(4段階)
⇒発音、強勢、イントネーション、区切り
PartAからPartDまでの大問と観点の割り付けは以下のような関係です。
例えば、PartAは指定された英文を読み上げる問題ですが、これは観点ウの音声のみが評価されるということ射なります。
各観点の評価
以下のような結果が公表されています。
アのコミュニケーション達成度は比較的ばらけている状況
イの言語使用はやや低評価に偏っている状況
ウの音声は好評かの生徒が比較的多い状況
それぞれの観点で今の中学生の言語能力がうまく測定されていると思います。
特に与えられた文章を読むのは難易度も低くあまり頭も使いませんが、自分の言いたいことを自由に単語を組み合わせて表現するのは日常の経験不足もあって苦手だと思います。言語使用が低いのはある意味当然の結果と思います。
全体得点分布はきれいにばらけている状況
最後にテストとしての評価という点を入れておきます。
テストは教材ではないので、わかりやすさだけでなく、得点が広くばらけて分布することが重要です。得点がばらけないテストは生徒の序列をつけられず目的を達成できないからです。
今回の分布は以下の通りでした。
令和2年度は令和1年度の結果を受けて調整が入った跡がうかがえます。
この水準であれば十分テストとして使えると思います。
テストとして本格実施するとなると、同一日程で一斉にやらないと問題漏洩があるのではないかとか、実運用上の懸念点がまだないわけではありませんが、今後本番に向けての実施概要がどのように公表されるかを見ていきたいと思います。
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