コロナ禍で始まるオンライン・新タイプ入試の意義と課題

入試全般
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まさお
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こんにちは。まさおです。
入試まであと3か月ほどとなりましたが、今年は新型コロナウイルスの影響で様々な入試形態が新たに始まります。
主にはオンライン入試と新たに始める新タイプ入試に分かれます。
今回は「コロナ禍で始まる新タイプ入試」を取り上げます。

新タイプ入試とは?

◆オンライン面接をはじめとしたPCネットワーク型入試
⇒大学入試を中心に導入スタート。AIによる不正監視なども。
⇒回線切断による面接打ち切りの大学などがあり波紋を広げている。
従来の試験形式を脱却したまったく新しい入試
⇒藤村女子中の「ナゾ解き入試」などが顕著

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コロナ禍により否応なく新タイプ入試がスタート

3月の休校措置から始まった新型コロナ騒動ですが、半年が経過して新たな入試が姿を現しました。
1つはオンライン入試、もう1つはペーパーテストから脱却した新タイプ入試です。

コロナ禍がなければいつものペーパーテスト入試が続いていたはずですが、大勢の受験生を同じ部屋に集めた試験形態そのものが感染リスクを伴うということで、入学者の選抜と受験生の安全を両立させようとすると、どうしても従来のペーパーテストからの脱却をしなければならない状況となりました。

こんな中でもペーパーテストを強行するしかない学校はある意味対応の幅が狭いというか、よりよい手法が編み出せなかったということになるのかもしれません。

オンライン入試や新タイプ入試の導入に踏み切った学校は、ある程度のリスクをとってでも新しい入試形態で自分たちの未来を変えようとチャレンジしているわけですから、敬意を表するべきだと思います。

まさお
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来年度の入試で集団感染がおこる可能性はある程度あるだろうと思っています。それがどの程度報道されるかは何とも言えませんが、現在、コロナ感染者数は減っていないにもかかわらず、コロナは終息したような世の中の空気になっています。感染が出たことを公表するケースも減ってきているので、受験生は感染リスクを受容して試験場に行くことをよく意識しておく必要があります

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オンライン入試のメインは面接試験

オンライン入試の取り扱いについては、様々な考え方で学校単位自治体単位で差があります。

大学入試では推薦型選抜における面接試験などを中心にオンライン化が進みました。一方で、オンライン化による課題として通信環境の問題で途中で面接が中断した場合に打ち切りになってしまう可能性があります。

全国高等学校長協会などは「通信環境の負担を学校側に求めないで」と言っているようです。オンライン型の入試を受ける生徒がその学校に何名いるかわかりませんが、オンライン面接ができる程度の通信環境を高校側が用意するのはコロナ禍においては当然のことではないかと思います。

どの学校のもPCルームや応接室があるのでしょうから、面接試験に合わせて学校側が機材の設定をしてあげればよい話だと思います。同時に20名も30名も面接があるならともかく、数名の面接対応ができないのは、本当に自校の生徒の入試の応援をしようと思っているのか根本的な部分で疑問がわいてしまう対応と言わざるを得ません

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オンライン型の学力テストも一部で実施

一部の大学はオンライン型入試において、学力試験をオン来で行うという動きがあります。
たとえば、大正大学などは不正防止対策としてAIによる不正監視システムを併用した入試を実施します。

学力テストのオンライン化は、入学候補者を決める以上ある程度の公正性が維持される必要がどうしても出て来ます。そのため、一般選抜型の入試でのオンライン化については慎重論が支配的です。
推薦入試の場合は、学力試験のみで合否を決めるわけではなく学校からの推薦書や高校の成績、面接試験などを総合的に見るため、相対的に学力試験の比重が下がってきます。そのような状況でのオンライン化は現時点ではギリギリの導入可能ラインということになるのだと思います。

Yahoo!ニュース
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一方で、中学入試では東京都私立中高協会が2021年度入試におけるオンライン入試を自粛するように申し合わせを行いました。背景は「1.公正性が担保されないこと」、「2.ITに強い一部の学校が抜け駆け的に生徒募集を成功させることで都内私学の募集のパワーバランスが崩れること」などを懸念してのことです。

個人的には全社が表向きの理由で、真の理由は後者にあるように思います。コロナ禍があと何年続くかがまだはっきり見えませんが、これをきっかけに入試が多様化するのは間違いないですから、IT投資を行いオンライン入試のノウハウを獲得した学校が有利になるはずです。
早くオンライン入試の方を向いて舵を切った方がよいと思います。

まさお
まさお

一方で、従来のペーパーテストをそのままオンライン入試に切り替えるのは無理があると思います。「カンニングありの入試」にまずは方向転換をして、何を見てもよい入試にしたうえで、その内容をキチンと評価する手法を確立する必要があります。
イメージ的にはある程度の記述・論述をさせたり、事前課題を提出させたりといった手間のかかる入試になると思いますが、それができれば従来測れなかった学力を把握することができ、入試そのものを一段階レベルアップさせられるだろうと思います。

まったく新しいタイプの入試もスタート

最近のトピックスとしては、藤村女子中の「ナゾ解き入試」がメディアで取り上げられています。

【特集】新タイプ「ナゾ解き入試」で本当に考える力を持った生徒を…藤村女子
【読売新聞】 藤村女子中学・高等学校(東京都武蔵野市)は、2021年の中学入試で新たに「ナゾ解き入試」を導入する。リアル脱出ゲームなどのイベントを運営するSCRAP社と協力して開発した新タイプの試験で、「謎検型」や「脱出ゲーム型」の

リアル脱出ゲームナゾ解きタイプの入試で、従来のものとは大きく異なったタイプの入試です。
この入試の結果は注目しておきたいのですが、その前に確認しておくべきは導入の背景です。

もともと藤村女子は「適性検査型入試」を実施していました。適性検査型というのは公立中高一貫校入試などに見られる複数資料から情報を拾い上げて再構成したり、長い会話文から前提条件を整理して解答をしたりといった、知識というよりは知恵を問うタイプの入試です。

ところがここ数年、その適性検査型入試の解答が「画一的」になってきたというのです。
これはとりもなおさず、学習塾の試験対策によるもので、どんなタイプの入試でも同じ入試が数年続けば対策が施されてしまうということを示唆しています。

塾の現場で教えていれば分かることですが、入試の過去問はそのまま対策の道筋をはっきりと教えてくれる重要な資料です。学校によりますが、これを大の大人が本気で分析にかかれば、受験生に優先的に身につけさせる知識や解答技能を指導することは比較的可能です。
適性検査タイプなどはまさに分析の対象としてはやりがいのある形式で対策が施された受験生が大量に押しかければ解答が「画一的」となるのもやむを得ないと思います。

まさお
まさお

コロナ禍では転んでもただでは起きないという意識が重要です。その意味で今回の藤村女子の入試への取り組みには注目をしたいところです。

まとめ

・コロナ禍でオンライン入試の導入が進んでいる
⇒面接試験のオンライン化は高校側が自校の受験生の通信環境にきちんと対応すべき
⇒学力試験は公正性の問題でまだハードルが高いが、ここ数年で知見が一気に進む可能性が高い

・新タイプの入試も今後増えていくはず
⇒ペーパーテスト依存型から早く脱却しノウハウを獲得した学校が抜け出る可能性が高い

まさお
まさお

長く続いたペーパーテスト文化がここ数年で一気に変容するかもしません。世の中の流れに注目しておく必要がありますね。

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